RAW 少女のめざめのレビュー・感想・評価
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君の指を食べたい!
ベジタリアンの加計いに育った少女ジュスティーヌ(ギャランス・マリリエ)がカニバリズムに目覚めていく物語。どのシーンも衝撃的であり、印象に残る部分が多かったように思う。冒頭の車を意図的に事故らせるシーン、獣医学部に入学した新入生たちが集合写真を撮影する際に先輩たちが屋上から動物の血をぶっ加計るところが序盤のショッキングシーンだった。ホラーシーンではないものの、ちょっとクレイジーな姉アレクシア(エラ・ルンプフ)が立小便して、ジュスティーヌが真似をしてオシッコを足に引っ加計てしまうところも印象に残る。
とにかくクレイジーな全寮制であると思われる獣医学校の学生たち。新入生歓迎の意味で、テロリスト集団のような先輩たちが若い彼らのベッドのマットレスを外に投げ飛ばし、パーティに参加させるのだ。新入生の通過儀礼で最後の関門だったのがウサギの生の腎臓を食べさせられること。ベジタリアンのジュスティーヌも無理やり食べさせられ、アレルギー症状を起こして全身発疹だらけとなるのだった。しかし、その治った直後から彼女の肉への欲求が表面化してくる・・・これがきっ加計だったのだ。
中盤、姉が妹のシークレットゾーンを無理やり脱毛しようとしていたとき、ハサミで中指を切り落としてしまう。救急車を呼ぶものの、妹ジュスティーヌは姉が切り落とした指を食べてしまうのだ・・・あぁ、おぞましい。切り落とした指を犬に食べられてしまうホラー映画は見たことあるのですが、この作品では、姉の指を犬が食べたことにしておいて、哀れ飼い犬は安楽死させられてしまう。姉にとっても、妹が自分の指を食うなんてショックだったハズだが、不思議なことにそこからも姉妹の接し方は変わらない。姉もまたカニバリズムの獣だったのだ!
ホラーということで、これは観ずにはいられない!と臨んだ鑑賞でしたが、どちらかというと血の多いサイコ・サスペンスといった感じでした。“raw”という意味は“生肉”。しかし、『SAW』をリスペクトして付けられたタイトルのような気がしてならない。ホラー映画の特徴であるおバカな笑えるシーンも多かったように思う。ジュスティーヌの同室となったアドリアン(ラバ・ナイト・ウーフェラ)も、ゲイであるものの男だといった点や、彼がまたいい思いをしたり、最後には悲惨な目に遭ったりで個性的なキャラクターだ。そのアドリアンを殺して肉を喰らい、刑務所に入れられたアレクシアだったが、妹に中指を突き立てると同時に欠落した中指を見せるといったのも笑えるところだ。
ただ、ストーリー的に残念だったのは、両親も同大学を卒業して獣医をやっていて、大学での儀式も知ってると思われるのに、娘2人を同じ獣医学部に入れるという点が矛盾している。父親はカニバリズムじゃないと思われるけど、解決法を見つけてほしいとジュスティーヌに傷跡を見せるラストシーンはシュールだった。
不意打ちホラー
ショッキングなテーマだけど青春物語
心して観に行ったのだけど、グロテスクなシーンもスタイリッシュで目を背けることなく観られた。笑
カニバリズムの欲求やきっかけを描いた?話なのかと最初は思っていたのだけど、そういう一族だった、というオチでそこは少しがっかり。
ただ、「人肉を食べる」という行為はいろんなもののメタファーとして表現されているのだなと。
恋であり、セックスであり、愛の入り口なのかもしれない。
主人公の少女はおとなしいどこか冷めた感じの子で、獣医学校の寮生活への歓迎イベントなどの通過儀礼はどれも不愉快で不安なものとして受け取っているけど、本能には逆らえず。姉に反発しつつ、導かれながらも大人の階段を上ってゆく。
肉を食むシーンはエロティックでした。
人肉を食べるというテーマはショッキングではあるけど、紛れもなく少女が大人になっていく青春物語でした。
オモロイ
フランス人気質
バランスのとれた食事を
☆☆☆★★ 簡単に。 人肉映画…との事で観たのだけれど。 (ノ_<...
☆☆☆★★
簡単に。
人肉映画…との事で観たのだけれど。
(ノ_<)違ってた!
一応は、食べちゃった…って描写は有ったものの…。
これは。或る男の子に恋した少女と、何かと妹とは「私は違うんだよ!」と言いたげな。性格拗れ過ぎな姉との確執による、拗れた恋愛三角形話でした。
したがって【少女は禁断の味を知ってしまった】は、完全なミスリードじゃないかな?…と。
それにしても最後…。
ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3んなアホな〜!
2018年8月9日 早稲田松竹
若いということ
DNA
カニバリズムの話だった。
だったけど、それだけでも無かった。
ベジタリアンとして育てられた彼女は、両親からある意味保護されていたのだと知る。
慎重に慎重に、姉と同じ業を背負わぬようその本性を抑えられていた。
いつかは爆発する爆弾を抱えてるとも知らずに彼女は生きてきたわけだ。
ラストの彼女はもう野菜を食べられなくなっていた。
どおにもグロテスクな内容だけど、それほどおぞましいわけでもない。
苦悩が語られていたり、同族への憐れみや理解を示してみたり、ノーマルである先輩たちがキチガイじみていたり…柔らかい調べのフランス語だったり、抽象的なカットだったり、彼女のあどけなさであったり。
そんなモノが重なって、カニバリズムは影を潜め、その他の事柄に色々考えさせられる作品だった。
なのだが…
あの姉妹の衝動は誰から受け継いだものなのだろうか?やはり父なのかなあ…。
と、思いながらレビューを見てたら父親の体にある傷は母親の衝動によるものだとの記述があった。
だけど、自分を食おうとする女性と結婚するなんて筋金入りの変態だなあ。
リアルなグロテスク
抑圧
成長期に「性欲」や「生理」や「食欲」を我慢出来ないのに、何故だか隠したり無理して抑えたりするのってなんでなんだろう?と思っていたのですが、私は無意識のうちに社会からの抑圧を感じていたのかもしれないと思いました。
作品は、社会からの抑圧をものともしない少女の姿を「カニバリズム」という反社会的な姿で映し出していました。少女の自立心や成長をこの様な形で描いた監督に、男性が求めるステレオタイプな女性像に対する強い抵抗心があるのかもしれません。つまり、ジュスティーヌ姉妹の「カニバリズム」が象徴するもののひとつに、女性の自立も含まれるのではないでしょうか。
ラストの父親の告白についてですが、「母親世代は社会から抑圧され、自分を隠さざる得なかった。現代女性は本来の自分を表現して欲しい」という監督からのメッセージの様に聞こえました。カッコ良い監督です。
思考を刺激され、大変楽しめた
非常に面白かった。前情報ゼロで観た方が面白い映画だと思う。
主人公のジュスティーヌが、初めて親元を離れて大学の寮に入るという設定から、Coming of Age、つまり「子供から大人になる」通過儀礼に焦点を当てた映画だと言う人が多いが、私は、この映画の本当の目的は、「処女」で「ベジタリアン」のジュスティーヌが「獣医学校」で「女」になる設定を通して、女性差別や動物虐待を浮き彫りにして見せることかと思った。監督のインタビューなどではそういう意図の映画ではないことは明確なのだが、私個人としてはそういう思考をとても刺激されるシーンやセリフが多く、「これは何を示唆しているんだろう」と考えながら観れて大変楽しめた。
で?
観てる間は面白いんだよね。色々大変そうだなあって。
お姉さんは体質を知ってるのに肉を食べさせるから「一緒に苦しむ人が欲しかったのかな?」と思ったり、妹の優秀さにイラつくシーンも出してるから、ちょっとした妬みでやってしまったのかと思ったり。
お母さんが異常に肉を食べさせないようにしてたから、多分お母さんも知ってるんだろうなあと思って観てたら「やっぱりそうか」ってラストなの。
面白かったけど、だからなんなんだろうなあと思ったね。
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