「映画愛溢れる一途な恋の物語」今夜、ロマンス劇場で みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
映画愛溢れる一途な恋の物語
これほど素晴らしい作品だとは全く予想していなかった。本作は、映画愛に溢れた、若い男女の恋愛に真摯に向き合った感動的なファンタジー仕立ての本格派ラブストーリーである。
本作の舞台は昭和35年。映画全盛期。主人公は、映画の助監督をしている青年・健司(坂口健太郎)。彼は、映画館・ロマンス劇場に通い詰め、憧れのお姫様・美雪(綾瀬はるか)が主演している古い作品を観ることを楽しみにしていた。ある日、突然、美雪が健司のいる現実世界に現れる。健司は、当初、天真爛漫で勝気な美雪に戸惑いながらも、次第に惹かれていく。美雪も健司の一途さに惹かれていくが・・・。
本作は、奇想天外な現実離れしそうな設定であるが、4人の役者の演技が奏功して、感動的な作品に仕上がっている。何と言っても、美雪を演じる綾瀬はるかが素晴らしい。彼女の生活感のあまり感じられない佇まいが、スクリーンから飛び出した、お姫様という役柄にピッタリ当てはまる。オードリーヘップバーンを思わせる数々の美しいファッションにも目を奪われる。彼女の良さが最大限に引き出された作品と言えるだろう。間違いなく彼女の代表作になるだろう。
健司役の坂口健太郎も負けてはいない。美雪とは好対照の、映画好きの不器用で一途な青年を熱演している。美雪への熱い想いが胸を打つ。大スター役の北村一輝は当時の大スターがどんな存在だったかを快演している。主人公とのやり取りが面白い。ロマンス劇場の館主である柄本明は、人生経験豊富な達観した佇まいで、ちょっとした台詞の一つ一つが味わい深い。
前半は、面白いラブストーリー程度だったが、後半に入り、徐々にラブストーリーのクオリティが高まり、切なさが増してくる。自然に涙が溢れてくる。ラストシーンは敢えて劇的な展開にはせず、そうであって欲しいと思っていた納得の幕切れだった。台詞は少なく、映像表現で観客に語り掛けてくれたので、その分、作品に感情移入ができ感動的だった。
本作は、全編を通して、仄々とした、包み込まれるような温かさ、優しさが感じられる。心地良く鑑賞できる作品である。主人公を始めとして映画に関わる登場人物が多く、映画愛に溢れる台詞が盛沢山で、設定を含め、映画ファンには堪らない作品である。
別の作品を観にユナイテッドシネマを訪れた時、時間に余裕があり穴埋めのつもりで鑑賞しました。とても良かったです。周りの方々は涙を流していましたが自分は泣かない様に最後まで我慢しました。日常に疲れたら その都度劇場に行って「今夜、ロマンス劇場」を観ましたが最後の劇場上映?だった目黒シネマまで何と合計20回も足を運んでいました。何がそんなに良かったのかわかりませんが恐らく自分にとっては癒やしの映画だったかも知れませんね。
みかずきさん
悶です。
レビューへのコメントありがとうございました。
本作品、劇場で観逃していたものを、現在でも評判が高いことを知って、動画配信で鑑賞したものです。
私は、やはり劇場鑑賞は、集中して観ることができるので、評判のよい作品は、できる限り映画館に足を運ぼうと考えています。
でも、動画配信にもよいところがあって、鑑賞後、冒頭のシーンを再度観ることができることです。
老人となった牧野助監督(加藤剛さん)の病室を訪れる看護師さんが、同僚の看護師さんと会話するシーンがあるのですが、そのセリフの中に、驚くべき「伏線」があるのです。
切ない恋の内容に関連することがさりげなく、セリフに入っている。
よい映画というのは、こういう細部の作りが見事なものが多いと感じています。
共感作があれば、今後とも、コメントよろしくお願いします。
それでは、また。
みかずきさん、たくさんの共感&フォローをありがとうございます。
趣味で毎週末に映画を観ているだけですので、なんの知識もなく、たいしたレビューも書けませんが、こちらこそよろしくお願いします。
こんばんは。みかづきさんフォローありがとうございます。
こちらの作品、大好きな作品の一つです。まさに、映画愛に溢れていて映画好きにはたまらない作品ですよね。熱のあるレビューに嬉しくなって思わずコメントしてしまいました。
こんにちは。
この監督は、飛んで埼玉、テルマエの監督だったんですね。で、はるかさんをすごーく綺麗に撮っていたし、映画への愛情が溢れていた作品でしたね。ホントに心に残る作品でした。
はじめまして。CBさん。
多くの共感ありがとうございます。
このサイトには先月登録したばかりです。
宜しくお願いします。
昭和35年は映画の最盛期の頃でしょうか。
本作のなかで登場する撮影所も熱気がありましたね。
では、また共感作で交流させて下さい。
-以上-