劇場公開日 2017年11月4日

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「刹那でいいから…家族が繋がっていることを再確認する一作」おじいちゃん、死んじゃったって。 かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5刹那でいいから…家族が繋がっていることを再確認する一作

2021年1月29日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

森ガキ侑大監督の新作が公開されたことに合わせて初鑑賞。好意的な作品で、新作の期待が膨らんだ。
おじいちゃんが死んだことで、久しぶりに顔を合わすことになった3兄妹と、その家族。おじは離婚、父は早期退職、おばは独り身のキャリアウーマン…。と、家族の状況を説明したらキリがないほどのくせ者ばかり。少し盛り付けが過ぎた様にも感じるが、葬式が割とリアルな過程を踏んでいくので、そんなに違和感はない。ただ、皆どこか他人事なだけで。死んだことに対しての感情が置かれているかの様に進む葬式。そして、次第に浮かび上がるのは、それぞれの秘密…。ここで特筆したいのは、監督の引き出す"画力"。夏の暑い日、田舎らしい緑、心を置いていく柔らかな表情…。光と影、濃から淡を映し出す世界は、感情以上の情報を伝播する。よって、言葉が重みを持ち、展開に意味を乗せていく。故人の行方を辿ろうとする吉子の変化にも、効果的なモノを感じる。テーマに対してのアンサーが少々弱かったようにも感じるが、刹那に肯定されるような答えは好感が持てる。
ユーモアの効いた可笑しさと、家族であることを再び気づかせる温かさ。共存する哀愁は蜃気楼のよう。家族に対して遠ざかっていた、"ありがとう"を伝えてみたい。

たいよーさん。