劇場公開日 2018年8月24日

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「役者陣の演技力で支えている映画!!」検察側の罪人 はるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0役者陣の演技力で支えている映画!!

2018年9月10日
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評価:★★★★☆ 88点
ジャニーズの派閥争いにより、決して共演はありえないと言われてきた2人がついにスクリーンで対決します。

さて、感想は原作を大きく改変した原田監督の脚本には多いに問題がありますが、役者陣の演技力は素晴らしく、SMAPのキムタク、嵐のニノの、アイドルという枠を超えた演技対決はまさに圧巻であり、完全に俳優の木村拓哉、二宮和也となっていました。木村拓哉の静・陰、二宮和也の動・陽の演技をお互い見事に演じ分け、また、他の役者陣の演技も素晴らしく、役者達の演技力に酔いしれる為の映画とも言えるでしょう。

木村拓哉はアイドルの一時代を築き上げ、女性国民から最も愛され、そして最も嫌われてしまった彼であったからこそ、演じた最上に深みを与え、精神の強さからは、最後までSMAPを守りたかっただけなのに、裏切り者呼ばわりされ、批判を浴びながらも沈黙を貫き、耐えた姿が役に憑依していたと思います。
対照的に、天才と呼んでも良いのか、何でもそつなくこなす二宮和也。演技に対する考え方は木村拓哉と全く違うと思いますが、"諏訪部"、容疑者"松倉"との取り調べシーンはさすがすぎました。相手に合わせた話口調、尋問とも言える罵声の畳み掛け、口を「パッ」とするアドリブなど、とても良い味を出しており、木村拓哉という大きなオーラにぶつかりながら見事に存在感を発揮していました。
他の役者陣の素晴らしさも紹介したいですが、かなり長文になってしまうので、やめておきます。

さて、ここから残念な点。
原田監督の問題ですが、脚本がかなりお粗末です。
必要でない描写があまりにも多く、描かなければいけない描写がかけています。
コードブルーでも突っ込みましたが、本筋とかけ離れたエピソードが多く、情報量も多い為、肝心の本筋が中途半端になっています。
最上の家族や、謎のダンス、政治家の汚職、そして最も意味がわからないのは戦時中にとった日本の"史上最悪な作戦インパール作戦"を絡めていたこと。原作があるにも関わらずここまで私情をぶち込む監督があまり好きなれず、この映画鑑賞後、原田監督が少し嫌いになっていました。
ほかにも声を出して突っ込みたくなる描写2点!! そんな大事な電話をなぜそこでするんだ!とラストの落ちが本当に意味わからない!!

本筋の物語が非常に興味深かったので、この役者陣で、別の監督に製作してほしいです。
本筋の何が正義で?何が悪なのか? 本当にもったいない作品でした。

監督が役者陣に助けられた映画だと私は思います。役者陣の中に1人でも演技力がない人がいれば、崩壊しかねない作品でした。
興行的には成功しているので、原田監督は木村拓哉と二宮和也のブランドに感謝して、次の作品を作ってほしい。
邦画の本物の演技を鑑賞したいという方にオススメです。
ぜひ映画館へ!!

はる