劇場公開日 2018年8月24日

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「観客の正義が試される」検察側の罪人 いおりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0観客の正義が試される

2018年8月2日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

知的

ニノの感情を露わにする動の演技
キムタクの滲ますような静の演技
このコントラストが面白い

ニノは、期待に違わずキレキレ
「ブラックペアン」より凄いと評されていたが
斬れ味に、ただ圧倒された
被疑者を追い詰める様はヨシタカではなくても怯む

対するキムタクは、最小限の所作に感情を込める
心情を、うっすら滲ます演技はなかなか
ある訃報を電話で受けて絶句するも
気丈に語る場面は、息苦しさが伝搬

内なる葛藤を押し殺し、なお堪えきれずに影を見せる
抑えた演技を、イマイチとするアンチ評も有りそうだが
俺は、この所作が沁みた

映画は長さを感じさせず、一気に見終えたような充実感が残る
堅さとエンタメのバランスが取れた
最後まで見応え十分の、検察ドラマの傑作だったからだろう

いおり