「2人の心理的駆け引きから目が離せない!」検察側の罪人 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
2人の心理的駆け引きから目が離せない!
めちゃくちゃ面白かった!!
サスペンスとか、法廷モノとか好きな人にオススメの作品
ここで描かれるのは、検察の裏側
ベテラン検事 最上(木村拓哉)と、若手検事 沖野(二宮和也)が手を組み、都内で起きた老夫婦殺害事件の捜査を担当する
捜査を進めていく中で、容疑者の中に既に時効となった事件の容疑者の名前が浮かんでくる
その殺人事件を追いながら、
「真の正義」について葛藤する2人の検事の心理描写から目が離せなかった!
その事件の容疑者について、どんな手を使っても有罪にしたい者と、
「法律を遵守する」ことが正義だと信じている者
その2人に起きることは、私たちの日常生活の中でも起きている
たとえば、目の前にいるカリスマ的な上司が理不尽なことを言い出した時
「間違ってるなぁ…」
と思いつつ、面倒なことになるのを避けるために、「見て見ぬ振り」をすることはないだろうか
この映画では、その「日本人なら誰でも経験がある上司と部下の面倒な関係」を、殺人事件を捜査する検事を主人公にして描き出す
その心理的駆け引きは終始ドキドキさせられる
しかも、その上司の「理不尽な主張」には、共感できるところもあるから厄介だ
だったら、共感もできることだし、将来、出世するためにも、ここは上司に忖度しておくべきか
それとも、自分の信じる正義を守り通すべきなのか
それが、一般社会で起きていることならまだしも、
殺人事件の現場で起きたらどうなるか、
ましてや、それが戦時中に起きたとしたら…
その日本人の「上司の言うことは絶対」とか、「忖度」という「悪しき慣習」が、事態を悪化させていく
その体質は、第二次世界大戦の頃から一切変わっていないという現実も叩きつけられる
その背景には、政治家と大企業の癒着や、右傾化する社会を描き
「真の正義」は、どこにあるのかと、考えさせられる
果たして、「言うべきことが言える社会」はやってくるのだろうか
私もニノと一緒に雄叫びを上げたい気分になった