坂道のアポロンのレビュー・感想・評価
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まあまあかな
前評判が高く期待して行きました。
ジャズシーンはとても心踊り自然と笑顔になりました。始じめ、昭和を舞台とした作品の中で千太郎だけが絵面的に?浮いていた?ような違和感がありましたが途中でハーフということがわかり納得。全体を通して安心してみることができとてもかっこよかったです。
薫こと知念侑李の演技は少し力不足のようにも感じムズムズした場面がありましたが、ピアノの演奏は初心者からあそこまで弾けるようになるとは本当に素晴らしく敬服しました。
ディーンの演技が前から苦手なため、出てくると目を背けてしまいたくなりますが我慢していました。しかし歌唱シーンでは耐えることができず目を覆ってしまいました。残念です。
また、私が平成生まれのためか学生運動の話や淳兄と百合香の決意?のシーンはあまりイメージが掴めずなにが起きたのか頭に?が浮かんだまま話が進んで行きました。
全体の内容自体は楽しむことができ涙あり笑いありでしたが、思ってたよりは、という感じがしました。
期待してなかったのに
キャストのファンの娘に連れられて嫌々観賞しましたが、最後は娘よりも泣いてしまいました。
若くきらきらした青春パワーをこれでもかと見せつけられる文化祭のセッションは圧巻。
もう一度娘か友人を誘って、あのセッションを聞きに行きたいと思います。
ディーンフジオカさんの甘い歌声もとても素敵でしたよ!
また、教会での二人のシーンはクリスチャンだった亡き母に見せてあげたかったくらい荘厳で、美しかったです。
アニメのが…。
いかんせん、ノリきれない作品だった。
何故だか分からんのだが、画面からレトロ感が伝わってこない。
美術も背景も作り込んであるのだが、どおもトリップしきれず、違和感がずっと残る。
生徒達の年齢をもう少し上げといた方が、メインキャストが上手に埋もれられたんじゃなかろうか…。
ツカミが悪かったように思う。
映画を作ってる割には低予算すぎるような感じもあるし…。
メインキャストに随分と持ってかれたのかなぁと、妙な事を考えちゃう。
ただ、ジャズのシーンは全部良かった。
学園祭のシーンでは、感動して泣けた。
ピアノもドラムも凄く良くて、響いた。
音に素人の俺の耳を騙すには十分すぎる!
だからこそ、残念だ。
千太郎以外は学芸会のようだった。
彼の低い声は、作られていたと思うのだが、まるで違和感がない。
フジオカ氏は…目を覆いたくなる程だ。
あれこれ気に入らないトコは色々あるんだが、かえって原作の良さが際立ったとも思える。ホントに、ホントに佳作と思っちゃったのが残念で仕方がない。
しっかりと作って欲しかった。
昨今のテレビドラマの延長のようなキャスティング…負のスパイラルから抜け出せない事情に同情もしてしまう。
感動しました!
邦画、洋画と色んな映画を見ていますが、なかなか感動させられる映画でした!
始めはよくある青春ラブストーリーかと思いましたが、セッションのシーンはとても完成度が高く、JAZZ好きな方も楽しめる本格的なものになっていると思います。
ハッピーエンドを連想させる終わり方もとても気持ちの良いもので、見る方をハッピーにしてくれる映画だと思いました。
大人になって忘れてしまった、夢中になってしまう恋や没頭できる好きなもの、友達の大切さを思い出させてくれる話でした!
映画館の大きなスクリーンで、JAZZのセッションや長崎の綺麗な景色の中、せつない恋模様、永遠の友情、、、見る価値はあります!!
エンディングの小田和正さんの歌もすごく良いので、最後まで席を立たず物語に浸って頂きたいです。
必見です!友情に涙!
坂道のアポロン最高でした!青春ラブストーリーと紹介されることもありましたが、ラブストーリーというより友情メインでラブはそんなに多くないです。
どうせ素人の演奏でしょ?とあなどるなかれ!知念くん、中川くんの演奏がすばらしい!全編吹き替えなしなのが信じられないくらいです。しかも演奏シーンの多いこと!ディーンさんと梅雀さんと4人のセッションでは鳥肌立ちました。米兵さん?が多くいるバーでの演奏もすばらしいです!
中川くんと小松菜奈ちゃんの方言もかわいいですよ。すごく自然だと思いました。知念くんだけ標準語なので少し浮いてる感じはありますが、殻に籠っているけど芯が強い高校生をうまく演じていると思います。
薫(知念くん)と千太郎(中川くん)のバックグラウンドが切なくて、ふたりの固く結ばれていく友情に何回も涙が溢れました。後半は泣きっぱなしで、周りの観客でも泣いてる方がかなり多いです。若い方から年配の方までみんなが共感できる映画だと思います。ぜひ劇場で観てほしいですね!
小松さん、中川さん、そして知念さん
原作未読です。
大好きな映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の三木孝浩監督と小松菜奈さんのコンビ、好きな若手俳優の中川大志さんの顔ぶれだったので、とても期待していました。
そして、実際鑑賞してみると期待以上の作品でした。
小松さん、中川さんやはりいいですね。加えて相乗効果もあるのでしょうか、知念さんも良かったと思います。
笑顔が増える薫、親友だから本気で感情をぶつけられた薫、逆に親友だから気持ちを抑え込んだ薫。
そんな薫に、知念さんが自然になりきっていたと思います。
本気で感情をぶつけられる親友、掛け替えのないものですね。
私は音楽に詳しくないですが、セッションも本気で音をぶつけるから良い物が生まれるのでしょう。
友情とジャズを上手く組み合わせて魅せてくれた、良い作品だと思います。
それから雨のシーンについて、晴れている様にも見えますが、私は良かったと思います。
屋上のシーンは、薫の目には千太郎は輝いて見えたはずで、雨の中で光が当たっていてもいいんじゃないかと。
また、次の雨のシーンは、雨と晴れ、相反する二つの事柄が二人の複雑な胸中を 匂わせてくれている気がします。
因みに、私は映画については細かい事を気にしないタイプです。
知念くん、まぁがんばりましたね。小松菜奈ちゃんのラストの表情も、中...
知念くん、まぁがんばりましたね。小松菜奈ちゃんのラストの表情も、中川大志くんのダイナミックな演技も良かったけど。これだけの演技派に囲まれた中なんで、知念くんに努力賞をあげてもよいのでは(公開処刑もありうると思ってたくらいなんで…)。
本も良かった。予想できるとはいえ…友情、恋愛、孤独、ジャズ…というファクターが無理なく絡んでいる。
強いて言うなら…終盤、配慮不足な点が。
薫が生まれる前の赤ちゃんの性別を訊くところがあるが…、1976年当時、音波による性別確認はまだ一般的ではないのでは?
また、律子先生の教室内、1976年と言う割にやけに新しそうな照明があるのだが…。
脚本が、よくまとまって自然でいい!
原作読んでて、細かい所が補完されてるので、
正当な評価か疑問だが、素晴らしいと思う。
見たいシーンは、大体似た形で入ってるよう
工夫されてた脚本になってる。
雑感だが、男が、昔の、寸足らずのハイウエストのジーパンとか、ダサいカッコがリアル。シンプルにダサい。
女子は、昔のダサいと思われるファッションでも、
かわいいのは何故なんだ?
自分は、すごく仲良しの友達と、ちょっとした事から、疎遠になり、そのままになってしまった。
ものすごく後悔している。
今、また今後、そんな状態になったら、みなさん、
一刻も早く謝ってしまったほうがいいぞ!
相手も待ってるはず。
エンドロールでも、背景に映画の風景がずっと映っていて、美しい。
エンドロールは、黒の背景という決まりがあるのかと思っていたが、そうじゃたかったのか。
全部の映画が、この方式になれば、最後まで面白いのに、とか思った。
何年経ってもまた観たくなる音楽映画
観た人の満足度が高いという口コミ
見て気になり観に行きました。
昭和60年代と言うことでファッションや背景がクラシカルで落ち着いていていい雰囲気の映像でした。
原作は「この漫画がすごい」に選ばれた作品というだけあってファンも多い漫画でどうなるかと心配していたのですが、覆される様なクォリティでした。
メインキャストの2人が吹き替えなしにあの演奏をやり遂げたというのに驚きです。だからでしょうか…演奏シーンのカットに無理がなく演者の表情が生き生きとしていて素晴らしいシーンになっていました。
この映画はメインキャストがジャニーズの方であったり、原作が漫画、青春キラキラ映画が苦手な層にこそぴったりハマる映画だと思います。
流行に乗った映画は時が経てば忘れてしまいますが、この映画は数年経ったら思い出してまた観たくなるような映画でした!
最高の演技に最高の音楽!
知念さん、大志くん、菜奈ちゃん、それぞれのキャラクターがすごく原作にちゃんと沿っていて、また3人の仲の良さも伝わってきて、とても質の良い映画でした!
セッションシーンはどれも圧巻で、体育館でのシーンは涙が止まりませんでした。
最後の協会でのセッションシーンも涙がドバーッと。続く小田和正さんの「坂道を上って」でも涙がドバーッ、、、。
本当に感動しました。
知念さんはピアノを振付のように覚えたと仰っていましたが、何曲も演技しつつ楽しそうに弾けるまで仕上げるのは本当にすごい事だと思います。凄すぎて言葉に出来ません、、。本当に感動しました。
もちろん原作を読んでこの映画に臨みましたが、きれいに上手く2時間で収まっていて、脚本も素晴らしいなと思いました。
すべてが忠実な訳ではないけれども、映画というスケールでは十分すぎるかなと思いました。
本当にどの世代でも共感、感動できる作品だと思いました。
素晴らしい映画をありがとうございました!
高校生の皆さん‼️
この映画、あなたのお爺ちゃんとお婆ちゃんが高校生だった頃の素敵なお話です。
是非、お爺さんお祖母さんを誘って、ご一緒にご覧になさって下さい。確実に距離が近づきます。お年玉がupするかも?です。
JAZZ以外にROCKが出て来たりしますが、当時は不良の代名詞だったことなどをお爺さんは語ってくれる筈です。
さて、主演のお二人は賛否ある様ですが、お見事!だったと思います。当然エアーだと思ったら、吹替無しのマジsessionだというから驚きです。ジャニーズとか関係無く、素直に熱演と評価します。👏
マドンナ役の小松菜奈さんの存在感も良かったですね。それにしても三木監督は美人を撮るのが本当に上手い!。5年後の菜奈さんと三木監督の新作をまた観たいです。
今のところ、2018年1QのNo.1邦画だと思います。👏🙌😸
これが私のお気に入り
自分の故郷が舞台なので、原作、アニメ版とそれぞれ楽しんでおりましたが、今回はどういう風に料理してくれるか興味津々でしたが、ほとんど記憶の彼方にある昭和40年代の故郷の風景がよみがえっているようで、それだけでじーんとしてましたよ。
オープニングでリアル古写真と、古く見せた劇中の風景とうまくミックスされてモーニンの曲とともにタイムスリップした感覚がありました。
色々書きたいことはありますが、場面場面で、あーっここで撮影してたんだと、遠く離れた故郷を思い出しては、懐かしい気分にさせられましたね。
自分もかつてはあの忌々しい坂道を登って登校したもんでしたし。しかし、実写になって思い知りましたが、アニメ版の現地再現度が凄まじく正確だったことを改めて確認できました。物語の展開は大筋原作通りですが、百合香が20歳の東京の美大生で、すでに淳兄いと深い仲になってるとか、千太郎の事故と失踪は3年の時の文化祭前がクリスマスの教会での演奏になってるとか時間短縮のための演出になってますし、千太郎の妹幸子や、薫の従姉妹のまり子が幼い年齢設定になっており、同年代のキャラが排除されて3人が引き立つよう考慮されてましたね。
千太郎の事故も原作では幸子を後ろに乗せてた時に起きてますが、今回は律子を後ろに乗せてます、話の流れとしてむしろ自然で違和感はなかったですね。
千太郎と薫それを見守る律子という構図は、最後まで変わることなく、千太郎がロザリオを残して姿を消した時から止まっていた三人の時間が動き始めるところで物語は終わりますが、その後がハッピーエンドだったことを誰もが感じるラストでしたね。
律子が歌おうとしていたのは、当然クリスマス教会で行うはずだった曲「My Favorite Things 」だったことでしょう。
「My Favorite Things 」はモーニン以上に今回使用された曲の中は重要な場面で使用されてましたし、劇中で律子が涙を流すシーンでは自分も目から水が出てくるのを感じましたよ。ジャズは同じ曲を聞けば聞くほど味がわかりますが、この映画も同様ですね。1回目より二回目の方が流れ出た水の量は多かったですし。
美しきマリア様
記念すべき初レビュー作品です。
涙腺への影響:特になし
集中力:途中やや低下
見所:小松菜奈ちゃんの唇・・・。思わず、ボンが奪いたくなる気持ちが分かりますね。菜奈ちゃんは、スクリーンで観たい!
いや、観るべき女優さんの一人だと思います。
内容は友情と恋愛ものですが、比重としては完全に友情ものです。
「ガサツな俺と、都会育ちの繊細なボンじゃ違う」劇中出てくる
この言葉(ウル覚えですが…)グサッときました。
分かってるんですよね・・・。初めからお互いに。
「ちょっと(いや、かなり)タイプが違う」って。
それでも、出会い、心通じた者同士には、それらの壁を軽く飛び越えていける絆が生まれます。それだから、面白い。
「友情は一生もん」
主人公の3人は、簡単に手放してはいけない大切なものをちゃんと分かっていたことが、駆け足で迎えるラストを観ればよく分かります。
大人になると、限られた範囲で、安全圏な人を嗅ぎ分けながら、
自然と線引きしながらの人付き合いになれてしまう…。
学生時代のような「気が合う」「一緒に居るだけで楽しい」
そんな関係が築けなくなってしまう。
それでも、そんな頃に出会った友人たちとはどんなに時間が
経っても、再び会えば笑い会えるから不思議。
(もちろん、そうでないケースもあるのでそんな再会美談は
お互いが現状に満たされていてこそ成立するのかも知れませんがね…)
とにもかくにも、劇中、ただ一人、少年のような父親や不器用な
男子たちを常に見守り、微笑み、涙する菜奈ちゃんの姿は
まさに!マリア様そのものでした。
最後に・・・妄想劇場。ポイント
ずっと「忌々しい」と嘆きつつ歩いていた
坂道を、文化祭での仲直りセッションの後に、走りながら下る
男子二人の姿。特に、ボンの跳ね上がるような足取りは、
見ていて微笑ましかったです。
久々に坂道、走って下ってみようかな。ズッコけない程度に。
小松菜奈最高。長崎のレトロ感最高。
小松菜奈が純朴な女子高生を演じ切っていて、見ていて最高だった。
また、所々に当時の長崎を感じさせる町並み、外国人の集まるバー等雰囲気もすごくよかった。一方でディーンとその恋人の件は必要だったのかは少し疑問で若干ストーリー性深みを感じられなかったが、総じて期待以上の満足感だった。
音楽は素晴らしい
10年後に3人で再会した場面でも、10年前のセッションを様子が再現されていて、3人の友情は固く結ばれたかけがえのないものなんだと感動しました。
また恋模様も複雑で、それが繊細に描かれていた。
境遇が同じ2人が唯一持っていたもの、音楽を通じて性格は正反対なのに互いに心を許し合い仲良くなっていくのが熱いなと思いました。
律子が意識を失い、教会で2人で泣き合うシーンで、胸を貸すことで顔を見ずに泣くことができるから薫が泣いてもいいんだというシーンは名場面ですね。
大志くんも知念くんも楽器の経験がほとんどないのに、あそこまでの完成度で、さらにただ演奏するだけではなく、表情や動きまでリアルで本人たちの努力の結晶が見えました。2人のイキイキとした表情に音楽の素晴らしさを実感し感動しました。
俳優さん、女優さんの演技の実力が光る映画だとも思います。薫は内気な性格なためにセリフが少ない役ですが、その分表情、特に目の演技が素晴らしくて、知念くんそのものが薫を表現していました。大志くん演じる千太郎はさすが俳優さんなだけあって圧巻でしたね。全てのセリフに気持ちが入っていました。律子は、雰囲気やオーラから純粋無垢な様子で、昔のレトロな世界観が出ていたと思います。
誰もが泣ける素晴らしい作品です。是非幅広い世代の方に見て頂けるといいと思います!
展開が雑で勿体ない
輝かしい友情あり、淡い五角関係あり、という青春映画の美味しいとこ取りしたようなストーリーで、美しい町と映像が魅力的で、セッションは見事だった。
百合香を見つめる仙太郎、仙太郎を見つめる律子、律子を見つめる薫。きゅんきゅんする演技が素晴らしい。終盤の展開と小松菜奈の演技が絶妙。役者の演技が素晴らしかっただけに、展開がイマイチ雑で何とも勿体なかった。
淳兄が東京から戻って来た理由も分からず東京に戻った理由も分からず。薫や仙太郎の目線から見ると淳兄や百合香の大人なミステリアスさが魅力的に映ったということだろうが、視聴者としては消化不良だ。
“そんなある日、千太郎が薫と律子の前から突然姿を消してしまう。”ってラスト10分だけだったし、消えた理由もイマイチ分からず。傷付けた罪悪感から律子のお護りとしてロザリオを残して消えた、というところかと思ったが、それだと消えるタイミングがちょっとおかしいと思うし、酷い消化不良に陥った。
一番肝心の2人のセッションにしても、あそこまで絆が深まるための時間を描いて欲しかった。起承転結の承の部分が弱かったように思う。青春映画ならそこをしっかり描かないと後半の感動が弱くなるじゃない?(時間の演出などいくらでも可能なのだからだ尺は関係ない。少なくとも青空エールではそれができていた。)
60年代を描いた必然性も感じられず。淳兄の学生運動を描くとか、70代になった現代の薫が当時を回顧するとかならともかく、あれなら90年代でも成り立つし余程自然だ。
だいぶ酷評してしまったが、全体的にはノスタルジックで美しい青春映画だった。(雰囲気は良かったし、原作を読んでいれば行間が読めたのかもしれない。)
聖母のような小松菜奈にただ癒された。ラストが絶妙で憎らしい。佐世保、行ってみたい街No.1に躍り出た。
一生ものの一瞬
作品の肝となるジャズが一切の妥協なく描かれていてとても嬉しくなりました。
千太郎役の中川大志さんは中学生の頃にドラムを経験していたそうですがジャズドラムは初めて、薫役の知念侑李さんに至ってはピアノ自体全くの未経験で2人とも8.9ヶ月かけて猛練習して挑んだとの事でしたが、とても未経験での挑戦だったとは思えない素晴らしいクオリティで文化祭のセッションシーンでは涙が止まりませんでした。
演奏シーンだけでなく、長崎佐世保の街並みや雰囲気、登場人物の心の機微がとても丁寧に描かれていて、原作に愛をもって作られた映画だと思いました。
パンフレットをじっくり読んで、もう一度見たいと思います。
坂道のアポロンに再会できる実写映画
私は映画化が決定する前から、原作が好きでした。
『坂道のアポロン』という名作漫画を、120分の実写にするにあたり、どこを切るのか、どこを残すのかは難しい作業だったと思います。
全部を忠実に“再現”しようとすると、120分で描けるのは、薫と律子が気まずくなるまでくらいでしょう。
でも、部分的に映像化しては、原作の一本芯の通ったストーリーの素晴らしさが全く伝わらない。
そうした時に、サブキャラクターの設定や時系列を変更しても、『坂道のアポロン』が描こうとしている事をちゃんと実写化したのは、制作チームの英断だったと思います。
いくつか変更点はあれど、
薫と千太郎の関係性、
律子の心の変化、
薫が人間として豊かになっていく過程、
千太郎の迷いと苦しみ、
そうした、メインキャラクター3人に関わる部分は丁寧に描かれていたので、
実写版は初めて観たのに、ふしぎと「懐かしさ」を感じる。
小玉ユキ先生や、アニメで薫を演じた木村良平さんが「またあの3人に会えた」と表現されていたのは、きっとそういうことなのだと思います。
大きな見どころであるセッションシーンは
どれも素晴らしく、改めて音楽のパワーを感じました。
演奏シーンであえて1番を選ぶとしたら、やはり文化祭での即興セッションシーン。
律子の言葉で心を動かされた薫が、彼女の好きなMy Favorite Thingsからスタートする楽曲構成や映像演出、吹き替えなしの演奏シーンに挑んだ2人の役者、そうした点の素晴らしさはもちろん、
友情は一生ものじゃなかったのかもしれない…と決裂してしまった薫と千太郎が、再び音楽を通して友情を取り戻す場面は作品の肝となるシーンと言って過言ではないでしょう。
さらには、幼少の頃に人種差別を受け、学校にも居場所が無かった千太郎、都会からの転校生で疎外されていた薫が、生徒達から称賛され学校の中心となっているという事が、
友情や恋の陰に描かれている「差別」というテーマに対する答えを提示しているのではないかなと感じました。
お気に入りは何?という質問に、「考えておく」と答えを保留した薫。
きっと彼はその時既に、薫・千太郎・律子という3人がいる場所がお気に入りである事に気付き始めていた。
けれど、確信がもてないまま千太郎の失踪によって答えが出ないまま10年が経ち、
3人が教会で再会し、再びセッションをすることで
「オレのお気に入りは今この時間だ」と
清々しい表情で言い、律子も入れたセッションスタートの瞬間でエンディングとなる。
坂道のアポロンを実写化したのが、三木監督、知念侑李さん、中川大志さん、小松菜奈さんで良かったです。
居場所がなくて苦しい。悩んでいる。
そんな人たちにぜひ見てほしい映画です。
圧巻のジャズセッション!
薫と千太郎という一見接点が無さそうな2人がジャズを通して、友情を深めていく物語。
文化祭のシーンで、薫とのケンカを後悔している姿はとても心を打たれた。
言葉は無くとも、ジャズを演奏する上で唯一無二のパートナーであることが演奏している時の表情からひしひしと伝わってきた。
薫役、千太郎役の2人が経験のないところから楽器を練習し、演奏していることもあり、2人のジャズセッションシーンは少しばかりの緊張感と音楽を楽しんでいる様子が表情からとても伝わってきた。これはプロでは出せない空気であり、長期間特訓をして身につけたからこそ演奏が楽しめている、そのような期間があった人でなければ出せない空気感がそこにはあった。
学生時代に感じたクラス行事の一体感、友人といる時の心地良さみたいなものを薫と千太郎を見て思い出し懐かしくなった。
薫、千太郎、律子の3人の距離感、もどかしさにキュンとしました。
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