ジュリーと恋と靴工場のレビュー・感想・評価
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【女性達の自立と恋をポップでカラフルに描いたフランス発の小粋なミュージカル作品。】
■職なし、金なし、彼氏なしのジュリー(ポーリーヌ・エチエンヌ)は、就職難の末に名門ジャック・クチュール靴工場の仕事に就く。
だが、その工場は近代化の波にあおられ閉鎖寸前だった。
ジュリーと女性靴職人たちは、「戦う女」と名付けられた赤い靴を復活させ、この危機を乗り越えようとする。
◆感想
・長野県の松竹相生座で、この映画の小粋なフライヤーを手にしてから早数年。
漸く鑑賞出来た。配信に感謝である。
序でに言えば、私の好きな女性の靴のブランドは、”シャルル・ジョルダン”である。
若き妻に時折プレゼントをしていたモノである。(可なり高いが。)
この映画は、”シャルル・ジョルダン”の工場もあったロマン・シュル・イゼールで製作されている。
・物語構成はシンプルである。
だが、この作品には靴職人としての誇りを失わない女性達の気質、気品に溢れている。
・”近代化”を進めようとするグザヴィエ・ローラン社長(ロイック・コルベリ)も彼女達の”赤い靴”を観て、工場継続を決めるのである。
<ジュリーも、実直なサミーと恋に落ち、観ていて気持ちの良い作品である。>
フランス製ミュージカルという変わり種
レビューの評価が低すぎるので、ちょっと考えさせられた。何がいけないんだろう。それほど悪くないと思うけど。良くもないけど(笑)
特徴的なのは、わざとクラシカルな雰囲気を狙って画を統一してあること。色合いでキャラクターの性格や、状況を表し、白を基調としたパステルトーンに統一することで、後半に出てくる新作の靴をより鮮やかな赤に見せる効果的な演出が効いてくる。
2015年にしては、ジュリーはガラケーしか持ってないし、家具や家電に至るまで何もかもがアナログ風に統一してある。音楽も70年代風。より広い年代層に伝わるように、あえて古いものにこだわったのだろう。
ミュージカルのパートは、お芝居の途中に始まる心象風景を歌ったものばかりで、『ラ・ラ・ランド』と同じ構成。ただし、あれほど手間もヒマもかかってないので、手作り感満載で、曲調もおとなしめ。
ストーリーは非常にシンプルで、やっとの思いで見つけた仕事が、今にも閉鎖されそうな靴工事で、新人は続かない。そこで起きる経営陣と現場との軋轢や、トラックの運転手との恋を通じたジュリーの心境の変化を描いた物語。板ばさみになり、彼女は仕事と恋のどちらを選ぶのか?というもの。なによりも80分程度の映画なので、ミュージカルパートの歌の多さもあって、お芝居の部分はかなり短い。その割に登場人物が非常に多いので踊りの振り付けはけっこう複雑に構成してある。
悪く言えば、ひと昔前に舞台用に作られたミュージカルを、そのまま映画に収めた感じの作りになっている。それなのに、上司がスマホを持っていたり、工場を中国に移転する設定だけは現代風。主人公の女優さんは、さほどの美人でもなく、下半身ぽっちゃり体型で、歌もまぁ下手じゃないけど‥めちゃくちゃ上手いわけでも無い。働く女性たちが主人公なので服装も地味なものばかりで、、、
ここまで書いて、ひとつも褒めてないことに気づく(笑)そりゃレビューの評価辛口になるはずだよね。
でも、なんか新鮮で、面白かったんだよなぁ。たぶんフランス語のミュージカルを個人的に初めて見たからじゃないかと思います。『Les Misérables』は、英語だったし。
2018.11.16
音楽と靴がテーマなのは良いが…
恋の部分がイマイチだったんで星3つ。
まぁ映画の楽しみ方って人それぞれだし
歌はキャッチーだったし靴も素敵なので
若い女性として単に観るなら良いんだけど
ストーリーが、、、ね。
まぁ感謝が一番大事だとは再認識しましたが!
シャンソンでミュージカルを
フランスの老舗靴メーカーが国内工場を閉鎖しようとして、全員女性の靴職人がストを行う。
主人公は試用期間中の女の子で、トラックの運転手と恋に落ちる。
シャンソンのミュージカル。
日本人(中年以上)には理解しにくい
潰れそうな靴工場が高級路線で
生き返り、ベテランの上司に
認められ、やっと念願の正社員に
なれたと思ったら、
靴泥棒のチンピラと自由を求める
旅に出る...。
とっても不可解なストーリー。
でもミュージカルとしては
良かったから半分にしとく。
みる人を選ぶ作品
否定的なレビューが多いですが、私は悪くなかったと思います。お洒落なフレンチミュージカルをイメージして観た結果、裏切られたと感じた方が多かったのでしょう。
確かに画面に華やかさはなく、一見パッとしない普通の人々ばかりに見えます。ですが、演劇やダンスに精通した方が観れば、彼らがよく訓練されたコンテンポラリーのダンサーだということは一目瞭然です。
工場で女性と男性がケンカを始める場面など、リズミカルさはありませんが(そこがコンテンポラリーなんですが)、ケンカを象徴したダンスとしては大変リアルで、身体の使い方がとても面白いユニークな振付でした。また音楽はとても心地よく、仏語の発音やテンポが耳に優しい、センスのいい音楽だったと思います。戦う女の靴も素敵でした!
と、ここまで書いて思うのですが、作品のディテール(音楽、振付、小道具など)を切り離してみると、色々な発見やユニークさがたくさん詰め込まれていて、見どころはたくさんあるのです。ですが結局トータルでいうと、ストーリーにみる本質的な作品の「暗さ」がどうしても素敵なディテールたちを覆ってしまい、ネガティブに終わってしまうのです。
これが主人公のサクセスストーリーであったなら!作品を高評価に導いていたでしょう。
ですが、そこはさすがフランス人なのです。レ・ミゼラブルやシェルブールの雨傘にみる不条理こそが彼らの美学。このネガティブこそがフランスであり、夢も覚めるような現実がドラマであったりします。
不条理、ネガティブ、こだわりのディテール…フランスらしいではありませんか。
心躍らないミュージカル。
可愛らしいポスターにキュートなタイトル。楽しそうなミュージカルと思ってついついチケットを買ってしまったものの、実際のところ、可愛くもお洒落でも明るくも楽しくもない、地味ィでどんよりしたミュージカルだった。いやいや、別にミュージカルが地味でもいいし、明るくなくてもまったく構わないのだけれど、なにしろストーリーがまとまっていないので、まったく琴線に触れない上に、肝心のミュージカルシーンに躍動感がなく、こちらの心もまったく躍らない。そのため、ミュージカルシーンになると話がピタッと止まって停滞してしまったように見えてしまう。これはミュージカルの悪い例。たしかに60年代のジャック・ドゥミの映画を一瞬彷彿させたような要素はあるものの、ミュージカルシーンがそれを安っぽく劣化させたようなクオリティ。良いミュージカルは、曲が流れた瞬間にロマンティックが弾けるような感覚があるんだけどな。
それに私、この映画を見れば見るほど、時代錯誤のフェミニズム的に思えてならなかった。男は全員バカで、女は闘う猛者という安易な方式を用い、逆境に立ち向かう強い女を描くかに見えて、彼女たちには強い志も信念も才能も努力さえもあるわけではなく、男性の社長が築き上げた会社の体制に不満を垂れているだけにしか見えず、概念をはき違えたフェミニズムみたいなものを感じてしまってますます楽しくない。男に刃向かうことをフェミニズムとする時代はもう過ぎ去ったと思っていたんだけどなぁ・・・。この映画を観たら、時代が止まったままみたい。
女性をターゲットにしている作品っぽくなっているけれど、女性にこそあえて薦めたくないという気持ちにさせられるような、そんな残念な映画だった。
苦い現実でこそ、恋や夢はより甘い
ジュリーの職探しの苦難ぶりが切実に響きました。仕事で自信を持てないから恋にふらつくのもわかる。ミュージカルとしてはジャック・ドゥミが好きなら歓喜する、死ぬほどドリーミーでヘタウマな感じで好きです。
最近みるフランス映画は…。
どれもこれもハズレが多いーな。
これもお話がぐだぐだ。ミュージカルにしてこの上映時間は短いなー、と思ってたけどこれだけ中身がないから頷けた。
このラストが自立への姿だとするならただの行き当たりばったりな若者の逃避行かと。先の希望が何にも見えない。本社への抗議行動やハンストとか、全てが空っぽな展開。奥行きゼロ。
心地よいフランス語の唄と洒落た小道具が唯一の満足感でした。
これもアリなのかも?
出演者の方々が楽しそうにダンスをしているので、楽しまれているのならいいのかなとも思います。
ダンスをやっている人が見たらあきれてしまうと思いますが、フランスでは許されているのでしょうとも思います(「8人の女たち」とか)。
フランスの中堅どころの女優さんが踊っているのだとしたら、これもアリだし。
ストーリーやダンスや色使いや画面のセンスのどれかひとつでも素敵!と思えるものがあればよかったのですが、ポスターが良すぎた感は否めないかも?です(★は含ポスター)。
正社員で働きたい
そんな夢しかない女の子だけれど、靴工場で色々な立場で働く女性達に会い、恋もして…
一回り成長していくのが、素敵でした。
女ばかりの職場だけれどみんな職人さんみたいで、でもちゃんと労働者で、自分たちの立場を主張している所も、フランス🇫🇷‼️
軽いおしゃれな映画だけじゃない。
でも歌もダンスも小洒落でした。
赤いピカピカのエナメルのシューズで、戦う女、良いですね。
期待外れ
元気になれる映画なのかと思いきや、主人公の人物描写が少なく、全く感情移入できなかった。また、「ミュージカル風」という表現を、信用しすぎたからか、中途半端なミュージカルでとても残念。
この映画を表現するとすれば、「労働者の権利を主張する映画」というのが正しいかと思う。
このラストは何でなの…?
ここ最近で一番ラストにガッカリした…。
この終わり方で「観なきゃ良かった」と強く思った…はじめにあった物が覆されてしまった。何でなの?と疑問でいっぱい。
就職難で悩みながらも真面目に奮闘する主人公は、かなり共感を呼びそうだったのに。
内容はストーリーもキャラクターも悪くないけれど、魅力のないミュージカルシーンが退屈だった。
いっそミュージカルシーンを全部無くして、キャラクターを掘り下げたりして欲しかった。
「戦う女」の靴はカッコイイ!
欲しくなった。
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