「30年前に戻るというのはBTTFへのオマージュなのか?」あなた、そこにいてくれますか kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
30年前に戻るというのはBTTFへのオマージュなのか?
過去の自分に会い、話もするし証拠もいっぱい残してしまう。これはタイムスリップものとしてはかなり珍しい・・・というか、子供向けの設定じゃないでしょうか。BTTF以降では、過去の自分に接触すれば何が起こるかわからないということで、タブー視されるのが一般的。されに言えば、死んだ人を生き返らせるのは危険だし、逆に考えれば斬新なのだが・・・
そんな違反だらけのタイムスリップもの。恋人を死なせなかったら、今の娘がいなくなってしまうというジレンマを打破するために、スヒョンは過去の自分に恋人ヨナと別れてるように頼むのだった。しかし、運命のいたずらはH・G・ウェルズのときから変わらぬ結末。別れたものの、ヨナの方から会いたいと言ってきたのに、会おうとすれば交通事故・・・結局どんなことしても死ぬんじゃないか!と、悩む現在のスヒョン。医者という設定なので、脳内の血腫を自ら執刀して取り除くという暴挙に!
いくらなんでもやりすぎの展開だったけど、そのままヨナとは別れて今の自分の生活を確保してめでたしめでたし?とはならずに、もう一つ大きな展開が待っていた。
まぁ、肺がんで余命半年なのは序盤でわかるのですが、テホとの友情も大きく変化していた。テホ(焼肉ドラゴンの親父)に託した手紙というより日記には過去との行き来が詳細が書かれていたのだろう。あと1錠ある!と、ある歌手のレコードに残された薬をテホ自身が試してみて、彼の命を救おう・・・ちょっと伸ばすだけかもしれないが、タバコをやめさせる手段に出るのだった。
まぁ、終わってみれば、すれ違いを解消するメロドラマだったのですが、スヒョンは妻と別居してたのか離婚してたのかわからなかったし、原作では妻が死んだことになってるみたいだし、その辺りが曖昧すぎた。年取るとこの手の再会は涙なしでは見れないのですが、タイムスリップものとしては悲劇を望んでいる自分がいて、『タイム・マシン』(1960)(2002)や『バタフライ・エフェクト』を見てみろ!と言いたくなってしまいました。
なんだろ・・・悪しき心を持った自分がいて、再会してもどのみち半年後には肺がんで・・・という結末を望む自分が怖い・・・