ザ・サークルのレビュー・感想・評価
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ちょっとだけ未来のSNS
映画のテーマはSNSや監視社会の恐ろしさ、みたいな物だと思うのですが、エンジニアとしては、ちょっとだけ未来のテクノロジーがとてもテンション上がりました。ありそうで、なさそう。でも、もうすぐ実用化されそうな、微妙な所を突いてくるので心をくすぐられます。実際にこうゆう社会になったらどうなるんでしょうね。世界中の人が、自分の行動をライブ中継してる。でもそんな社会になったら、一人一人への注目は多分、予想を遥かに超えて低くなると私は思っています。なんせ、普通の人の生活なんて見ても面白く無いからね。
実に面白い、優良な作品
現代の情報化社会の問題をいろいろな角度から考えさせる優良な作品。民主主義と全体主義、プライバシーと透明性、企業と国家、個人的自由と社会的束縛、議員と有権者、税金と個人資産……。真の民主主義の実現と言いながら実際には全体へ行動を合わせるよう強要され全体主義化していく様は興味深くかつ恐ろしいものだった。ある意味、ファンタジー映画のブレードランナー2049より哲学的で近未来SFだと感じた。
キャストが素晴らしく、グレン・ヘドリーにまた会えて良かった。不覚にもビル・パクストンはエンドロールを見るまで気づかなかった。二人とも亡くなってしまって本当に残念。アニー役のカレン・ギラン、「マネー・ショート」で観てたとは気づかずだったが、なかなかうまくて今後に期待。ジョン・ボイエガはスターウォーズの時より爽やかで感じ良くなってちょっと見直した。トム・ハンクスが狡猾な企業トップを演じるのは珍しくて面白かった。彼のプライベートや悪人ぶりがさらされる所まで描くともっと面白かったと多分誰もが思うだろうが、それだとトム・ハンクスが承知しなかったのだろうか。
ひねりがないとか展開が遅いというレビューもあるが、それによりかえっていろいろと考えを巡らす余裕があったので、いい感じに脳を働かすことができたと思う。そう言えば、サークル社の社員向けプレゼンがこの映画の観客に向かってなされるように撮られていた。丁度観客が社員になったように。それも観客に考えさせようという意図だったのではないだろうか。秀作だ。
プライバシーに関する人種
序盤からサークルで働く人間の様子に恐怖を感じた。洗脳された人間たちだと思った。主人公メイの友人アニーである。生き生きとしているのか、命の炎にガソリンぶっかけてるのかといった様子で、そのアニーの姿と一般的な生活をしてきたメイとの対比で異常さを感じさせる。同時期に公開されている「IT」のピエロより奥底からくる怖さだった。
重要な場面が印象的に描かれる。一つは、メイが独りで起こしたカヌーの事故をサークルの製品で救われる。というのをきっかけに、メイのサークルの方針についての疑心が解かれ、すべてが見えるようにするという考えを自ら勧めていく展開となる。
もう一つは、すべてが見える、誰もが見つかるという製品の発表会におけるメイの友人マーサーの死である。これにより、メイが我に返り物語は終息に向かう。
一つ目の場面では、海で、波が激しくなり、霧が濃くなり、間から船が現れるところがスピード感がありショッキングに感じた。その後のトム・ハンクスの「こいつは使える」というような目つきは恐ろしかった。ここを機にエマワトソンの表情も変わっていく。洗脳前後である。
二つ目の場面では、マーサーの居場所がすぐさま特定されカーチェイスに発展する。会場の期待の空気も、現場の展開も高揚して、絶対良くないことが起きることを予感させる。とても印象的であり、物語の転換場面になっており、気持ちよくさせられる。
洗脳に関しては、先日「クリーピー偽りの隣人」を見たきっかけから北九州洗脳事件を調べたおかげで、素直でまじめなメイが命を救われたことで会社に負い目を感じたところで饒舌に言いくるめられて洗脳完了という流れが非常に腑に落ちた。
入社してしばらくで、週末何してたの・つながらなくちゃみたいなこととか訊いてきたアジアっぽい女性と南米っぽい男性の洗脳感は酷かった。
情報社会におけるプライバシーという題材の中で、家族や友情がとても良い働きをしていた。メイの両親は父親の病気の症状から保険、SEX、メイがメイでいられるところとしても新鮮であり重要な役割があった。すこし調べたところ、両親役の俳優さんが両名とも今年亡くなっていて驚いた。エンドロール「for bill」という意味は父親役の俳優さんへという意味。母親役の俳優さんは公開後に亡くなっている。
友人アニーそしてマーサーはメイの生き方に変化を与えてくれる。良くも悪くも。メイが一件で疲弊しアニーが帰郷しビデオ電話する場面、電話ありがとうっと言える友人との関係、テクノロジーとコミュニケーションの在り方のバランスを考えた。顔を見て話せるだけで通じるものがある。すべてを知る必要があるだろうか。
物語の終わり方としては、問題提起で終わってたかもしれない。SNSの良い在り方を提示することはしない。問題提起に価値を感じたのは間違いない。創設者のひとりでサークルの暴走に暗躍するタイにもっと表に出る形で活躍してほしかったという思い残りがある。
サークルのモチーフはグーグルはじめ、アップルやマイクロソフトを足し合わせたようなIT企業。作中でも明示される独占禁止法への抵触の危惧。独裁は早くて楽かもしれないが、対立し戦う状況こそ健全だろう。サークルの赤いロゴの旗が映るところが日本の日の丸国旗に見えて、何の暗示だと思った。
SECRET ARE LIES
原作未読。多分、原作とはラストのオチが違うとの想像の元、ネットを漁っていたらやはり違う模様。とはいえ、ネタバレは探せなかったので、読者感想を読むとどうも映画とは逆にバッドエンドらしい。やはりなぁとピンと来たのはそれ程今作品、オチが鼻につくというか、『やってやったぜ!』感のカタルシスのてんこ盛りになっていたからである。小説の具体的なラストが不明なので比較しようもないが、ストーリー展開としては、ハリウッド的ハッピーエンドにはして欲しくない、もっと後味の悪いドンヨリ感を今作品には求めたいのだが・・・まぁ、ビッグバジェットでは無理か。。。
トムハンクスの演技は流石と言うほかない、現代のCEOが板に付いた演技だが、主演のエマワトソン・・・もうハーマイオニーにしかみえない(泣) どうしても子役上がりしかも、世界的作品に出演してしてしまうとイメージの固定化はちょっとやそっとじゃ拭いきれない。しかもシリーズ物だから作品のため、なるべく成長をしないような手段を講じたのか、元々なのか、細くて小さいから益々日本の安達祐実的な立ち位置を思い起こしてしまう。だから今作も何だか子供が父ちゃんの職場見学ってイメージが拭えないのは残念。
ストーリーはもう何度も何度も焼き尽くされたテーマだし、所謂『近視眼的警告』なのだが、漁っていたネットのブログにも記載していたので確信であるが、マットな映像で、空中にウィンドウが開き、ラインみたいにメッセージがポッポッ浮かび上がるSFXを施してあり、そのメッセージには世界中の言語が登場するが、日本語は一切出てこない。これは一体何を意味するのか、実はそっちのほうが自分にはディストピアだったりする。それとも日本だけ鎖国しているのかな?w
ちなみに、エンドロールの『ビルに捧ぐ』は、エマワトソンの父親役の俳優さんが亡くなったらしいとのこと 合掌
暴論
少し頭をおかしくして言うと、この映画はエヴァンゲリオンだ。巨大SNS企業「サークル」が目指す、全てがシェアされ「透明化」した世界は、正にサード・インパクト後の状態であり、全てがLCL化し一体となるように全世界と繋がることで「完全化」する。しかしこれは近未来ではなく現代に正に起きている事象であるため、その世界はジョージ・オーウェル『1984』のビッグ・ブラザーのような監視世界という側面もある。…などと意味不明な誇大妄想を広げたくなるくらい面白いテーマなのに、映画自体のストーリーは尻窄みで、視点も偏っていて残念。もっと面白くできそうなのに。
怖い
ユーザーのあらゆるデータを蓄積し、世界ナンバーワンのシェアを誇る超巨大SNS企業「サークル」。憧れの「サークル」に採用された新入社員のメイは、あることがきっかけでカリスマ経営者のベイリーの目に留まり、新サービス「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢される。「サークル」が開発した超小型カメラによって、自身の24時間を公開することとなったメイは、あっという間に1000万人を超えるフォロワーを集め、アイドル的な人気を博していく。彼女の行動によって姿を隠していた友人が死に、サークルに疑問を持ったメイはベーリーたちをシーチェンジさせる。ラストは、その会社のCEOとCOOにもカメラを付けさせて終わり。
エッガースは”鬼門”。目の付けどころはいいがオチが弱い
「美女と野獣」(2017)の後の、エマ・ワトソンが主演、共演がトム・ハンクスということで、当然、期待度も高くなるが。
原作はデイヴ・エッガース(Dave Eggers)の小説。エッガースは”鬼門”である。目の付けどころはいいがオチが弱い。実に惜しい出来の作品である。
エッガース作品は「王様のためのホログラム」(2017)をはじめ、映画化すると、ことごとくコケる。マット・デイモン×ガス・バン・サントの名コンビも、「プロミスト・ランド」(2014)でエッガースに挑戦したが、興行的には予算回収に失敗している。
それでもトム・ハンクスだけは懲りない。その「王様のためのホログラム」(2017)の主演に続いての、本作出演である。他にもトム・ハンクスが製作、名作絵本を映画化した「かいじゅうたちのいるところ」(2010)にエッガースが脚本参加していたが・・・言わずもがな。
エッガース小説は、ブラックジョークを交えて、社会問題にシニカルに斬り込んだ知的な作風で、問題意識の高いハリウッドセレブと共鳴するのかもしれない。「王様のためのホログラム」というタイトルは、"いまや米国は偉大でもない"ということを、アラブの王様に米国製品を売り込みに行く米国人という設定と、"ホログラム"という言葉で暗喩していた。
主人公のメイ(エマ・ワトソン)が就職した、世界的なSNS企業"サークル"は、誰もがうらやむ超優良企業。給与や職場環境、福利厚生もこのうえなく、スポーツ施設や社内クラブ活動も充実している。業務終了後に中庭でパーティが開かれたり、有名ミュージシャンが芝生でライブ演奏をしていたりもする(これはまさにGoogle本社がモデル)。
しかし圧倒的な世界シェアを誇る"サークル"は、メールやSNSだけでなく、クレジット情報や購入履歴、家族や友人の情報、あらゆる個人情報を集め、ネット上のアイデンティティを構築しようとしていた。そこに24時間、個人や社会を監視できるシステム"シーチェンジ"が登場する。その"シーチェンジ"のモデルユーザーに、メイは選ばれる。
本作「ザ・サークル」は、"Facebook"や"twitter"を始めとしたSNSや、"Google"などによる情報管理テクノロジーが加速化し、プライバシーのない超管理社会が生まれてくるという恐怖を描いている。
ソーシャルメディアでつながりすぎた人々は、それなしでは生きていけない。個人情報を共有しあうことで、隠し事がなくなり、平和が生まれるという幻想を作り出す。
主演エマ・ワトソンはフェミニズム活動家として有名だが、演じるメイの、凛としたスピーチシーンが印象的で、彼女の強い意思表現らしさを垣間見る。
サークル社の社是は、"秘密は嘘。分かち合いは思いやり。プライバシーは盗み"。これはジョージ・オーウェルの小説「1984」でのスローガン、"戦争は平和。自由は隷属。無知は力。"的な二重語法と同じである。こういうところがエッガースの言葉遊びで、知性に憧れるハリウッドセレブをクラクラさせるのかも。
しかしエッガースのオチに期待してはいけない。要は、"なんでも行き過ぎは良くない"、ということなのだが、実に尻すぼみ。映画のオチは行き過ぎのほうが面白いと思うのだが…。
原作を無視してでも、翻案できなかったのだろうか? 実にもったいない。
(2017/11/10 /TOHOシネマズ日本橋/シネスコ/字幕:松浦美奈)
もっと面白く出来た気がする・・・
エマ・ワトソンに名優トム・ハンクスにSW新シリーズのジョン・ボイエガ!!
SNSやネットとは、切っても切れない毎日になってる僕的には、観るのも必然^^;;;;
最近は、事件を起こすとSNSから大半の情報がリークされる。
写真を添付した時点で位置情報もダダ漏れ・・・
一度アップした写真や動画が、一人歩きする怖さを理解してる人は意外に少ない。
この主人公は、SNSでプライベートを全て曝け出すのですが、彼女がログインしている遠隔カメラまでが、公開になってる事が恐怖の始まり・・・
友達を死に追い込み、障害がある父を介護する母の生活もカメラで確認中に、あろうことか両親の性生活までネット配信してしまう@@;;;;
モデルは、A社なのかG社なのかは別にして、この劇中の事は現実でもほぼ可能になってるんでしょうね〜、オチが・・・・残念すぎる感じは否めない☆3
可愛さを抑えた感じのエマ・ワトソン、美女と野獣とは違った魅力がありましたし、トム・ワトソンは、安定の貫禄でした。
キャスト目的ならオススメ!
設定が楽しそう、役者も最高、というわけでものすごく楽しみにしつつ飛行機の中で観賞、したものの。
主人公が24時間配信するところまではわくわくしたけれど、そのあとの展開に無理があるし、ディストピア感が物足りない。誰でも想像できる範囲を越えてない。主人公がすごく賢い案を会議で発信しているらしいけど特にすごくもない。終盤失速するも最後まで見れたのはさすがエマ・ワトソンの演技力かな。役者さんを見るって割りきればたのしめるともおもいます。
巨大IT企業ザ・サークルに就職したメイはふとした自分の失敗が功を奏...
巨大IT企業ザ・サークルに就職したメイはふとした自分の失敗が功を奏して企業の広告塔を任され世界中から注目される存在となるが、それによって自分のプライバシーだけでなく家族や友人のプライバシーが世界中にさらされることになり、やがて悲劇が訪れるというITサスペンス。
会社の中庭でシレッとベックがライブ演ってたりするイカした企業のCEOを演じるトム・ハンクスによる相当周回遅れな感じのジョブズのモノマネ、終始スマホを弄っているだけで何を考えているか解らないカリスマプログラマー役のジョン・ボイエガ、世界中の物好きが暇に任せてスマホ片手に人探しするというポケモン抜きポケモンGOにしか見えない同社開発の人物検索エンジン”ソウルサーチ”、そもそも主人公の自業自得に終始する物語は何もかもが中途半端で全く納得のいかないエンディングまでどこまでも消化不良。
パーキンソン病を患っていて介護が必要だが娘メイに負担をかけまいという思いを滲ませる父親役を演じたビル・パクストンの名演だけが光っていますが、本作が遺作となりました。残念です。
ラストがイマイチ
一言でいうと、エマ・ワトソンが恐ろしく浅はかな女の役を演じた映画。
ベイエリアの巨大IT企業に就職したは良いが、自分自信にカメラを付けて四六時中のプライバシーまで晒すようになるので、周囲ははた迷惑。幼馴染を追い詰めさせて事故死に至らしめるなど、胸糞悪くなる。
ラストは、その会社のCEOとCOOにもカメラを付けさせて終わりって、あれで一矢報いたつもり?
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