イット・カムズ・アット・ナイトのレビュー・感想・評価
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謎が残る・・・くらいで、想定内
もっと怖いのかと思いきや心理戦か。
けれど、それで精神崩壊ものとは思わないし、はらはらドキドキすぎる感じでもない。ちょっと誇大広告だったかな感がいなめない。
もうすこしひねりがあったらなぁ。深く読め、ということなんだろうが、わかりやすいのを好む人にはおすすめできない。は?となってしまう。
結末は想定内だし。
とはいえ、家族で生き残ることで神経をすりへらしているポールがウィルの言葉尻をいちいち深読みするところ、トラヴィスの性的欲求、感染したらどうなるのか、というのを夢でみせるあたりはうまく表現されていたなと思う。
しかし、謎が残る。結局だれが赤いドアをあけたのか。
もっと気になるのは、最初に感染を持ち込んだのはだれか。
その部分が面白いと思われるのかもしれない。
結局、夢にてがかりがあるのか。
急に家を出ていくと言い始めたウィル家族。
あの子供アンドリューは、感染していなかったのか?
間違いなく感染していたと思われる。
なぜならもし感染していなければ、子供の目を見せて大丈夫だと言えばそれで普通に家から出てくることができるし、急に家から出ると言い出したことも、おそらく感染が発覚したからだと思う。
トラヴィスが感染しているんじゃないか、と嫌がるならそう言えばいいし。
とにかく、子供を見せずに銃まで取り出すと言う事は、せっぱつまって家族を守るためでもあるし、無感染だと証明できなかったからだろう。
ではいつ感染したのか。それは2つが考えられる。
1つは
アンドリューは夢遊病で、感染し、その子を抱いたトラヴィスはその時に感染し
た。
幼い子供アンドリューが違う場所で寝ていたのは事実。夢ではないだろう。
なら自室のドアを開けたのだから、赤いドアを開けられるだろう。
もう1つ
トラヴィスの方が夢遊病で、(いや、もしくは両方)
もしかしたら、死んだ犬をとむらうために見に行っていたのかもしれない。
(大事な犬の最後を見ないままはないだろうから)
その時感染し、子供を抱き上げた時に子供を感染させたと思われる。
it comes at nigt
のitとは、何かのクリエイチャーかと思いきや
それはトラヴィスを襲う悪夢、のことであったと思う。
では、このストーリーで何を描きたかったのか。家族を守る姿。
感染に怯える姿。 守るために奪う姿・・・・か。
個人的には、
クワイエットプレイスの方が絵も綺麗で好きです。
コロナ禍でみると
伝染病によって外界と遮断されて、籠もって暮らしている家族のもとに、別の家族が入ってきて最初はうまくやっているが徐々に。という心理スリラー。
コロナ禍でみると妙にリアル。
「コンテイジョン」ほど具体性はないが、些細な疑いが暴力に発展していく様子が生々しい。
そして伝染病の理由や解決法の描写がなくそもそも物語がそっちに展開しないのは、現実もそうだよなとヘンに納得してしまった。
悪夢の描写なんかもあったりして、ホラーと誤認させる手法などはわるくなかった。ただ、そこから何も広がりがない。
短編ならよかったのだが90分みつづけるには要素が少なすぎる。
疑心暗鬼
他者への不信は、潜在的に人の奥底に存在する自己防衛本能なのかもしれない。そんな人間の心理的な葛藤と脅威を描いたサスペンス。
死の感染症から逃れるために、人里離れた森の中のポツンと一軒家に住む家族。しかし、祖父が病にかかり、感染を恐れた家族で祖父を葬ることに…。そして、家族を守るために、他からのモノを寄せ付けない様々なルールを課した父。
しかし、そこに必死に助けを求めてきた、新たな若い家族。彼らの持つ食糧との交換条件によって、受け入れることに。最初は、警戒していた2家族だったが、次第に打ち解けて、和やかな生活が始まる。
しかし、一旦、不信を持ち始めると、その思いはどんどん拍車をかけていく。特に、閉鎖的な空間の中では、そうした疑心暗鬼は、善良な人の心の内面までもえぐり取っていく。
結果的には、誰も得るものがなく、何も残るものはなく、虚しさだけが残るイヤミスな作品でした。
『ザ ギフト』でメガホンをとった、ジョエル・エドガートンが主演だったから、もう少し、捻りのきいたオチを期待していたのに、ちょっと残念。
おうち-253
イットじゃなくてよくない?
お色気「イット」こと『イット・フォローズ』、
かわいい系「イット」こと『IT イット "それ"が見えたら、終わり。』、
そして未視聴だったのが夜行性「イット」こと『イット・カムズ・アット・ナイト』。
なのでアイ・ウォッチド・ラスト・ナイト。
謎のウイルス感染により(この辺の背景は全然語られない)、人里離れた場所で暮らす一家。
そこにとある男が家宅侵入。なんやかんやで彼の妻と子供も連れて、シェアハウス、、、という面白そうなあらすじなのですが、今回のイットさん、来るの遅いっす!
開始1時間あたりでようやくドラマが動き出す。
エンドロールコミで91分なのに、、、。
ようやく来たかと思えば夢オチ連発。
展開も予想通り。この展開なら、イットいらなくない?
ホラー的要素より、家族間で起きることを見せたかったはず。でもそういった人間の本性をまざまざと描く作品は、テーマは違えど『コンテイジョン』や、『パラサイト』や、たくさんあって、もうちょっと深掘りしてほしいです。
序盤でウイルス感染のこともふわっと描いているため、目に見えないイットに対する恐怖がわかりづらいし。
私はジョエル・エガートンが生理的に怖い(ファンの方すみません。『ザ・ギフト』の影響が大)のですが、怖さを感じたのがジョエルの存在だけという、物足りない映画でした。
超上級者向け
一言で言えば『猜疑心』が引き起こすサスペンスホラー。お化けやモンスターが活躍することはなく(息子の夢の中には登場するが)、そもそも何を怖れているのかも明確ではない。“それ”は、感染症なのかそれとも未知の物体なのか、はたまた虚構と現実の狭間で起こる偶発的な仕業なのか。と言うまとめになるが、それ以上に今作の作られ方は『隠れている穴を埋める想像力』を観客に求めていると言うことだと思う。公式サイトにはそのヒントであるシークレットレビューが掲載されており、それを読んで気付かされることが多い。ストーリー展開そのものはシンプルであるし、逆に肩すかしをくってしまうのだがしかし良くも悪くも不親切な部分が散見されるのは、座り心地の悪さも含めてのプロットなのであろう。決してカタルシスを得るような内容ではなく、それどころか完成途中の作品かと勘違いしてしまいがちだが、これは“狙い”であることに気付けば観方も変わる。そして穴の答えは明かされることなく、フワフワとタンポポの種の如く空中に漂いながら消えるのであろう。よく云う“一周回って興味深い”作品である。
どうせ皆んな死ぬ
恐怖は悪夢となって、夜、人を襲う。悪夢は猜疑心を生み、残忍な行為を正当化する。
とは言え、昼間だって心理葛藤でヤバイ場面あったがなぁ。ってのと、夜の闇の怖さ、演出過剰。
タイトル通りの映画ですが、コンテンツ的にはショートフィルム並みで、明らかに物足りないです。
解釈について話す作品
絶えず気持ちの悪い不穏な空気を感じる90分だった
世界で蔓延するウイルス?の脅威から逃れるため、厳格に暮らすポール一家
ある日、彼らの家に予期せぬ訪問者が現れ…みたいなストーリー
アバンタイトルで、一家の中の犠牲者である祖父の姿及びその始末の付け方を見せることで、余計な言葉を使わず世界観を知らしめている。
というより、具体的なこの世界で起こっていることについての言及はかなり少なめで意図的に情報を制限して、こちらの妄想や想像を掻き立てるつくりになっている。
それによって、絶えず何が起きるのか分からないことで緊張感が生まれ、見ている者を物語へ引き込んでいく。
また、ポールの息子であるトラヴィスが見る悪夢が、また気持ちの悪い感覚をもたらして、物語の緊張感を煽ってくる。
そして、登場する別の家族。ウィル一家との共同生活が始まるわけだが、ポールはもちろん妻のサラもウィル一家に信頼を置きすぎないようにしているし、ウィル一家も同様にである。
お互いがお互いの家族を守るため、協力しつつもどこが距離のある関係性が不穏な空気をもたらす。
タイトルにある"It'"は明確にされておらず、これもまた見ている者の想像に委ねられており、様々な解釈をすることが出来るだろう。
謎のウィルスなのか、その感染者か、人を疑う猜疑心か、それとも人間そのものか…
"It"を具体的な化け物や感染者の襲撃みたいにせず、人間の心理や暗部、闇という形で表現して、不気味な居心地の悪いスリラーとしてしあげている。
視聴者に色んな想像を掻き立てるために情報を制限してるために、説明不足や設定の理解出来ない部分がありながらも、絶えず続く緊張感で持たせたホラーというよりはスリラー映画
なので、ポスターヴィジュアルだけで判断してホラー映画と思って見ると、肩透かしになるかも
救いのないラストは見る人によっては胸クソ展開とも言えるか?
この誰も信じられなくなってしまった世界で、彼らはどうすべきだったのか…
心から信じていれば良かったのか?それとも接触すらしない方が良かったのか…
あと、タイトルの"night"つまり夜というのはどう解釈すべきか?
確かにウィルが家に侵入したのも、赤いドアが開いていたことも、夜に起きているが…
つまり、物語を大きく動かす展開は夜に起きているが…
それとも、トラヴィスの悪夢だろうか?
彼が見る悪夢、それは感染の恐怖もそうだろうが、人が人を、家族を始末する、そして疑い合い、誰も信じられないということへの根源的な恐怖であり、まさしく"It"の解釈にも当てはまるが…
とにかく説明を極力制限しているので解釈は様々出来るが、ある意味こちらの解釈に投げすぎとも言えるので、賛否あるのも納得
パンフのインタビューとか読んで追記↓
赤いドアを開けていたのば誰か、それについて監督は言及していないということで、改めて考えてみた。
あのドア開けたのはトラヴィスじゃないか?という考えだ。
犬のスタンリーを迎え入れるためにも、あの赤いドアを開けておく必要があった。しかし、厳しい父親のルールでそれは出来ない。
そこで起きたのは夢遊病とも言える無意識での行動だ。彼は悪夢にうなされながらも無意識にドアを開けてしまったのではないか?そしてスタンリーが来るが、悪夢の中で彼は感染者に対峙する。そこでの防衛行動がスタンリーに外傷を与えたのではないか?
スタンリーが感染していたとしても、あの外傷はなんなのか?というとこにも説明が出来るのでは?
そして、トラヴィスは床に戻り、アンドリューと手を繋ぎ、感染者を増やしてしまい、そして…
となると、彼らの悲劇の原因はトラヴィスが見ていた悪夢とストレスそしてその原因となった荒んだあの世界と家族の崩壊だろう。
自分の祖父を自分の両親が殺さなければならないという悲劇、新しくやってきた者たちへの疑心、自らが感染することへの恐怖、愛犬を見失った罪悪感、父親の厳しいルール…
様々な要因がトラヴィスを追い詰め、疲弊させた結果、悲劇は起こるべくして怒起こった…
そうとれるかもしれない。
"それ"とは人間の恐怖、悪夢、悲劇などの抽象的かつ心理的なものが具現化したということなのかもしれない
こんな風に色んな考察を語り合えたら面白いと思う。
ホラーではなかった
異常な状況下での心理スリラーで、不穏な空気感などは良かったと思いますが、ホラー的な恐怖描写はあまり無く、個人的には期待とは違っていました。
状況設定などは明確にされず寓話的で、一家族は一つの国で、主人公家族は恐怖を煽り武装するアメリカの暗喩かと感じさせられました。
だとすると、疑心暗鬼から他を虐げ、自国の未来を担う子を失うと思われる理不尽な結末は、希望が無さ過ぎると思いました。
狂気的な猜疑心が呼ぶ悲劇
ファーストカットから引き込まれる作品。
ボロボロの身体の祖父を銃で殺し焼き払うというものものしいシーンから始まり、家族が感染力の高い「病気」から逃れるべく生活していることがすぐに把握できる。
謎の男の侵入から精神的な揺さぶりがとめどなく襲ってくる。
父親の狂気的とも思える警戒心と猜疑心に驚くけれど、家族を守るための行動として説得力があるのでどうしようもない。
頭に麻袋被せられた人間のビジュアルはいつ見ても不気味。
いくら信じられないからってそこまでせんでも…と正直思うけれど。
ウィルに水を飲ませるまでの矢つぎ早な尋問にはヒリヒリして堪らなかった。
どうにか信頼を得たウィルとキム夫妻とその子アンドリューと同居してからの日々は順調に見えるけれど、ほんの少しの刺激ですぐ切れそうな張り詰めた空気が絶えることはなく、彼らのかわす言葉の隅々まで油断ならないので観ている側のストレスも相当溜まってくる。
その最もたるのが二人の父親が向かい合って酒を交わしながらたわいもない話を繰り広げるシーン。
一人っ子だと身の上話をするウィルにほんの少し違和感を持ったら案の定、先の尋問にて「兄の家にいた」と答えていた。嫁の兄だと訂正は入るけど。
あの時ポールが嘘を付いたのかどうか、ずっと考えているけど分からない。とっさに出る言葉も酒の席での軽い話もうまく装うのはなかなか難しい。
しかし、隠し事は絶対にしていたと思う。祖父を焼いた時の高く上がった煙を目撃していないとは言わせない。
なにを隠していたのかもわからないので憶測でしかないが。そう思ってしまう自分もポールのように疑心暗鬼に駆られていることに気付く。
縛り付けとも取れるほどの家の掟に従いつつどこか危ういところのあるトラヴィスに注目しながら観ていた。
17歳という思春期真っ只中の彼からはキムに対する好意と欲が見え隠れする。
夫婦の会話を盗み聞いてその内容に笑う表情は可愛くも不気味にも見えた。
ただ、トラヴィスの欲望が物語を大きく引っ掻き回すわけでもなかったのが残念。
もっと取り返しのつかないことをしてしまうのかと思っていたのに。
安易なところだとキムを襲うとか、はたまたアンドリューを襲うとか…。マイルドにいっても自己処理のシーンは欲しかった。
終盤の大混乱、どうしてこうなった…。
犬は何に対してあんなに吠えて走り消えてしまったのか。帰ってきたときの傷は。
ウィルとキムはなぜ家を出て行こうとしていたのか。アンドリューはやはり感染していたのか。
それとも夢遊病だったのはトラヴィスで、先に感染したのも彼だったのか。
正直わからないことだらけなんだけどひたすら銃を向け合う家族たちの剣幕が恐ろしく息が詰まっていた。
これからどうなってしまうかと一寸先も見えない展開が面白い。
アンドリューを殺されたキムの最期の絶叫が頭にこびり付いて忘れられない。
”Kill me!!””殺せ!!”字幕の口調が大勝利。殺して、殺しなさい、とかじゃなくて。
そして結局ポール家は皆殺し、トラヴィスも無事感染、一貫の終わり。絶望のエンディング。精神崩壊待ったなし。
ディストピアと化してしまった世界で、あまりに強い疑心暗鬼がもたらした悲劇。
強すぎる疑いは真実を見えなくする。破滅をもたらす。しかし信じすぎても同じことが言えると思う。
どうすれば良かったかなんて一つもわからない。
ただ生きたかった二つの家族の悲しい結果がそこにあって、その先のことも容易に想像できる。
「なぜ疑うんだ」というウィルの言葉に胸を刺される。
余白の多さが尋常じゃなく、そのモヤモヤや物足りなさがまた後味の悪さを更に増してくるのでタチが悪い。好きだ。
世界観や設定は最低限しか示されず曖昧だけど、言動の強さから受け取れるものが多いので不満はない。
私にとっては余白を楽しめる作品だった。
明確に何かが夜に襲ってくるわけではなく扉を閉める理由もそこまで強くなく、謳い文句のミスリード感は否めないが。
「IT」とは夜中にやってきたウィルのことや病原菌などを指しているのかな。
トラヴィスの見る悪夢の内容が地味に恐ろしく、まんまと引っかかって怖がってしまった。
心理的な恐怖感だけでなくしっかりホラー的な恐怖も味わえたので満足。
感染者のボコボコのデキモノの気持ち悪さが最高。
とにかく全編に渡る強い緊張感が楽しく、また寿命が少し縮んだ気がする。とても好き。
扉は…
「何か」に怯え森の中の一軒家に住む家族のもとに水を求めて侵入してきた男とその家族が同居する話。
その時どうするか、 家族、人、の心理を描いたサスペンスという意味では面白いのだけど、音響やセリフや展開等、ホラー染みた演出の数々でミスリードしているのが安っぽい。最後も中途半端でやり切った感がないし。
安っぽいことしないでもっとちゃんと状況をみせて、そこにハラハラさせたり突き落としたりして欲しいものだ。
鑑賞後モヤモヤとする後味
話作りは好みですが
映画として5割位しか出来ていない気がします。
ラストシーンでトラヴィスは死んだのか?
死んだ理由は飼い犬orアンドリューが原因?
扉が開いていた原因は?
アンドリューは外に出てたの?
伝染症の症状と原因は?
様々な謎が残るまま終わってしまう本作。
話の展開も相まって悶々としながら席を立つことになりました。
もう5分でもいいのでエピローグが欲しかったです。
げに恐るべきは…
なるほど、これはホラーでもなくまさしくサスペンスというべき映画だった…
本当に恐いのは化け物でもなく病原菌でもなく人間だという、まぁそういう意味ではありきたりな結論ではあるンだけど。
ただ夢のシーンが多過ぎる。そこまでするなら、彼の思春期ゆえの葛藤が悲劇を招いた、くらいやっても良かったのでは?
暗すぎる
I should've been there.
I should've been there instead.
Nobody's gonna blame you for that.
He's gonna be fine.
Everything’s gonna be okay.
この作品は、”The Triumph of Death”という絵画が登場するとろから14世紀に世界
の人口の約3割を死に追いやった黒死病ことペストをモチーフにしたような映画で主
人公のポール(ジョエル・エドガートン)とウィル(クリストファー・アボット)の
二家族のサバイバルを描いたソリッド・シチュエーション・スリラーとして成立して
いて、この言い知れないディストピアの世界観を監督のトレイ・エドワード・シュル
ツが描いている。
Good people, huh ?
-Yes. I like them here.
Well, you just keep it in perspective, okay ?
I don't need to tell you, but........
you can't trust anyone, but family.
As good as they seem.
外界と一切の情報や人とのやり取りと無縁の森の中の一軒家。原因不明のウイルスが
蔓延し、多くの人々が、感染し、死を待つだけの設定を映画を観ている者も同じよう
に少ない情報しか共用できないでいる。
基本、謎のウイルスによって逃れられない憂うつさをガスマスクや手袋といった小道
具で精神的に圧迫され、土台には他人に対する猜疑心や自分自身を追い詰めることに
よる疑心暗鬼になっていく過程をポールが我々の代わりに演じている感覚になってし
まう。
ラスト近くなればなるほど、誰が一体何の目的でそんなことをするのか意味不明なシ
ナリオとなり、それを作者がわざと視聴者に投げつけるように展開する流れとなる。
評論家からは概ね受け入れられていてカナダの新聞グローブ・アンド・メールの記者
はこのように述べている。「激しく刻まれ、生き生きと撮影されたこの刺激的な映画
は、恐ろしい信憑性をもって最悪の終焉を迎える。」
その一方で、ただ一般の視聴者からは、芳しくない評価となっていることも事実であ
る。
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