「深い悲しみをかかえ、なおも人は生きていく」彼女の人生は間違いじゃない マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)
深い悲しみをかかえ、なおも人は生きていく
この映画を一言で表すとすれば
奥の深さです。
なにげない台詞に
にじみ出る主人公みゆきのやるせない気持ち。
みゆきを送り迎えする三浦の台詞は
監督自身のつぶやきのようにも聞こえました。
原発という社会問題を告発する形ではなく、
庶民の立ち位置から、同じ高さの目線で
監督は描きたかったのではないでしょうか。
深い深い悲しみに沈んだ人にも、
日常はいやおいうなく続いていかざるを得ない。
生と性、そして新しい命。
生きていくとは、そういうことなんだ、と
静かな語りを聞いたような気がします。
瀧内公美の演技、心に残る秀逸なものでした。
たとえば純文学のように、
行間を読む大人の映画を楽しめる人なら
ぜひ見てほしい映画です。
私とっては、トップ3に入る映画です。
コメントする