劇場公開日 2017年7月15日

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「皆が震災のトラウマを引きずってる訳ではありません」彼女の人生は間違いじゃない ワカタケさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0皆が震災のトラウマを引きずってる訳ではありません

2017年7月16日
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【良かった点】
父親のドラマがなかなか感動的でした。
妻を失ったまま燻ってパチンコをする日々、そこから人と関わりあって前に進む気力を取り戻すまでの過程がとても分かりやすく、海の上でアレをするシーンはもう涙するしかありません。ここは必見です。

【気になった点】
おそらく、世に出るタイミングがあと三年ほど早くあれば……と思いました。
というのも先日私用があって福島県いわき市まで行って来たのですが、そこにはちゃんと今を生きる気力に満ち溢れた人も居たからです。
本作は福島(とりわけ、いわき市を名指しで)の人々を群像劇の形で描いて居ますが、その全ての方が震災と津波の傷跡を心に残したままの存在として描かれて居ます。
群像劇として描くのなら、ちゃんと傷を克服した人をラストシーンの前にも描いて欲しかったですね。立場の違う人を描けるのが群像劇の特徴なのですから、その全てが右に倣えで「今も苦しんでいるんだ!」と感傷的に描かれるのは違和感があります。

あとは主人公がデリヘル嬢をしていることの明白な理由が説明されていなかったような……東京に来るのは分かるんです。震災に遭った地元から離れたいからでしょうし。でも身体を売ってるのは……なにかの自罰行為でしょうかね。思い詰めてる感はしましたし。

ワカタケ