オー・ルーシー!のレビュー・感想・評価
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steal and marry
衝撃的なオープニング。彼は節子に囁いたのは「チャーリー」という言葉だったか、ちょっと引っかかった。43歳という微妙な年齢に差し掛かって、未来も夢も何もない女性・節子が、姪の頼みで英会話教室に通ったことがきっかけで何かが吹っ切れるような・・・前向きに生きていけるかと思ったら、行動が大胆すぎてついて行けない。そんな映画。
大胆と言えば、忽那汐里演ずる姪っ子・美花も英会話教師ジョンと駆け落ち同然の渡米。しかし、相手には妻子があった。美花の母親・綾子(南果歩)にしても節子の恋人を奪って結婚したという過去がある・・・元からドロドロ家族だったわけね。
人生において行き詰まり、自殺を選んでしまう人間模様。何か取っ掛かりがないと新しい人生を歩むことができないことがテーマなのか?とも思ってしまった。それにしては、ジョシュ・ハートネットの脳天気ぶりとアメリカでのロードムービーパートくらいしか明るさがなく、唯一の救いは役所広司だけだったかな。悲しみに打ち勝った男として・・・
役所さん良い
役所さんの英会話教室で寺島さんとのファーストコンタクト、かつらを被って振り向いたシーンは吹き出してしまった。真面目な人柄を演じる役所さんは特にいいです。
寺島さんの英会話講師・ジョンへの暴走ぶりは切ない・・・
43歳独身の会社員節子はメイドカフェで働く姪の美花に呼び出されて自...
43歳独身の会社員節子はメイドカフェで働く姪の美花に呼び出されて自分の代わりに英会話教室に通って欲しいと頼まれる。とりあえず体験入学をということで教室に行ってみるとそこはカラオケ店を居抜きしたような怪しい教室。そこで待っていたアメリカ人教師のジョンに言われるまま金髪のカツラを被り”ルーシー”という名前を与えられレッスン開始。フランクで優しいジョンに惹かれた節子は美花にレッスンを続けることを告げ授業料を美花に払い、教室に行くとジョンは教室を辞めていた。落胆する節子は実はジョンが美花を連れてLAに発ったことを知らされて・・・からのトラジコメディ。
節子を演じる寺島しのぶが実に見事、ドン詰まりでお先真っ暗な毎日に灯った裸電球のような儚い望みに無心にすがりつく様がとにかく痛々しい。ダメな人達が織りなすどこにも救いのないドラマの数々が刺々しいがゆえに何気ない結末が暖炉の火のように暖かく映ります。忽那汐里も『デッドプール2』とは全く異なるキャラを軽快に演じていて好印象、出番は少ないながら役所広司はドラマをキュッと引き締める名演を披露。鑑賞後の余韻を楽しめる素敵な小品でした。
温もり
もっと可愛い内容かと思ってたら結構ハードな話しだった。
節子の暮らしぶりが結構限界に近く…彼女を取り囲む環境も酷い。
彼女自身が原因の事もあるし、それ以外の事も勿論降りかかる。
かなり極端な描写ではあるものの、女性の業なのか、背負うべくして背負ったものなのか…押し潰されそうになるほどの重い荷物が3人の女性達によく表れてた。
「愛」というタトゥーを、「生まれた時からあった痣」とした台詞が印象深い。
台詞は台詞通りのものではない事も多いし、姉のバックグランドなどは、節子よりも重いものではなかろうかと想像してしまう。
そんな生き辛い中で、一滴の雫のような温もりがどれほどに貴重なものなのか…そんな事を考えた作品だった。
強引な滑り出しに違和感を覚えるも、姉と妹が、さすがに絶品であった。
人の体温ってものは、時として絶大な癒しになり得るのだと思える。
観てて楽しい
寺島しのぶ、南果歩、忽那汐里の家族っていうか一族っていうかが観てて楽しいの。みんなちょっとぶっ飛んでてね。「この人達の一族だったら楽しいだろうな」と思ったんだけど、そりゃ大変そうだから「御近所で眺めてたいなあ」と思ったね。
話は、寺島しのぶが英語教師に恋をして、しかしその教師は寺島しのぶの姪(忽那汐里)とアメリカに帰ってしまい、それを追いかけて寺島しのぶと南果歩がアメリカにやって来るというような話なの。
でも、これ、ストーリーはそんなに関係ない。寺島しのぶ演じる節子もしくはルーシーを描き込んでく話なのね。
それで一本の映画にしてしまう平栁敦子監督は力量高い。凄いよ。
オー・ルーシー!
節子と同じような年代・似たような環境,1人で海外に姪を訪ねて行きました。節子のような大胆なことは出来ませんが、ジョンに惹かれてしまうのは私も共感します。ただ、日本人のおばさんが
皆こんな感じ?とanother country の方々に思われてしまうのではないかと思うと複雑です。だけど、自分のやりたいことを
見つけ1歩前に踏み出した節子さんを応援したい気分になりました。
節子から何を学ぶべきか…
43歳独身の節子、見た目は43歳よりも年上な雰囲気で、いろんな事を諦めましたオーラが…こういう人間にはなりたくないなぁと思いながら鑑賞。
人生の転機が訪れるも間違った方向に転がってしまう様は見ていて何とも言えない気持ちになった。
それでも会社勤めを、平坦な毎日を続けていたよりは良いのかなぁ…
非現実的な要素もあるけれど、色々と考えさせられる内容でした。
寺島しのぶさんの、役の見た目からの恋心を露わにしたシーンで醸し出される色気には驚かされました。
シンガポール国際映画祭にて
本人舞台挨拶の場で鑑賞。
見てるこっちをぶんぶん振り回して「もってかれる」映画でした。舞台挨拶に登場した2人の喧嘩のシーン、特に疲れた。
でも言うまでもなく良作です。
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