「細かい疑問はあるものの名作」gifted ギフテッド aiko_28chanさんの映画レビュー(感想・評価)
細かい疑問はあるものの名作
マッケンナ・グレイスの可愛らしさと演技の素晴らしさは前評判通り。言うまでもなく。天才子役と言ってよいかと思います。
ここでは他の気になった疑問点を。
フランクはなぜボート修理人をしているのか。
お金の問題でメアリーを失う可能性があるくらいなら助教授のままでいたほうがよかったのでは?イブリンからメアリーを隠すったってググれば2ページ目で見つかるし。
そうだ日本に来れば「ギフテッド」教育なんてないからそもそも裁判にもならない!、、と見ていて思った(笑)
メアリーはあれだけ数学の才能があるってことはたぶんIQも高い。でもそれと性教育はたぶん別物。土曜の朝に鉢合わせした先生のあの姿を見て、その意味するところを理解してかつ皮肉っぽく挨拶できるって、、7歳で!?とびっくり。アメリカの家庭はその辺がオープンなのかな?
イブリンの毒親っぷり。「自分の夢を子供に託す」から「自分と子供が一体化」へと変わっていったんだろうけど、そもそも自分自身が目指せばよかったのにね、としか思えなかった。
時代が女性に厳しかったのだとしても、夫の死後もう一度研究の道へ進む選択肢もあったはず。『ドリーム』では黒人のシングルマザーが数学で身を立てていましたよ?
ラストのミレニアム懸賞問題の解決を隠していた意図。
母親の死後まで公表しないでくれというのは復讐のつもりとして理解できるけど、自殺も?そんな取り返しのつかないやり方でしか母親を断ち切れなかったのだとしたらかなり残念だと思う。
ただ自殺の理由ははっきり示されていなかったから、ポアンカレ予想を解決したペレルマンのように常人では理解しがたい心理状態になっていた…ということならそれもありえるか。
細かく考えると登場人物それぞれの「最善の道」は他にもあったんじゃないかという気がしてくるけど、人間てそんなもの。とにかく心が温まることは間違いなし。俳優陣も素晴らしく、観てよかったと思える名作です。