「メアリーの「愛されスペック」にメロメロ」gifted ギフテッド だいきつさんの映画レビュー(感想・評価)
メアリーの「愛されスペック」にメロメロ
近くのショッピングモール系の
映画館では上映していなかった。
スルーしようかと悩んだか
あまりの評価の高さにつられて
電車で1時間かけて観に行った結果。
当たり!
大当たり!
登場人物の少ない映画が大好きな私。
そこに加わるメアリーの可愛さ!
こまっしゃくれ具合が絶妙。
育ての親のフランクとの
大人顔負けのセリフのやりとりが
絶妙にコミカルで
シリアスになり過ぎてないのも
観ていて心地よかった。
大好きなシーンがあった。
フランクと女教師が一夜を共にするシーン。
朝。シーツひとつで体を包んだ女教師と
メアリーがばったりと出会ってしまう。
普通の映画なら。
「ショックで言葉の出ないメアリー」
こんな演出が想像できるのだが。
この映画は違った。
7歳の女の子が大人の事情をすべて解った上で
冷ややかな皮肉を込めた
「したり顔」で放つあのセリフ。
痛快!爽快!湿っぽくならずに
物語を軽やかにしてくれた
素晴らしいシーンだった。
ここから、フランクの
「5分でいいから自分の時間をくれ!」
のシーンに繋がっていく流れも素晴らしい。
緩急の塩梅が絶妙で最後まで楽しかった。
運がいいことに
個人的に知って要る俳優さんが
ほとんどいなかったのも幸いした。
俳優のイメージに邪魔されることなく
ストーリーに没入できた。
育ての親であるフランク。
仲違いをしてきたフランクの母。
メアリーの母親でもあるフランクの姉。
みんなそれぞれの「正義」「信念」がある。
血の繋がった家族だからこそ
行き違いが生まれる。
結果、意固地になってしまう。
そこに巻き込まれてしまうのが
何の罪もないメアリー。
だが心配は無用だった。
何のことはない。
彼女に受け継がれたのは
「愛される」スペックだった。
その能力の前では意固地な大人なんて
ひれ伏してしまう。
かく言うわたしも
そのスペックにメロメロにされたひとり。
観終わった後の爽快感は
最近の映画の中では群を抜いて心地よかった。
老若男女、全ての人にオススメできる
大当たりの映画だった。