「"キャプテン"からその娘を奪ってやれ!なんてね。マッケンナのおしゃまな可愛さが爆発!」gifted ギフテッド Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
"キャプテン"からその娘を奪ってやれ!なんてね。マッケンナのおしゃまな可愛さが爆発!
「Gigfted/ギフテッド」(原題:gifted)。
7歳の天才少女メアリーを巡って、特別扱いではなく通常教育を望むフランクと、英才教育の環境こそが子供のためだと訴訟を起こす祖母の教育信念の衝突。
メアリーちゃんを演じるマッケンナ·グレイス(Mckenna Grace)の、おしゃまな可愛さが爆発する! 映画的な新味はないのだけれど、それだけでとっても幸せになれる作品だ。
生まれて間もなく母親を亡くしたメアリーは、田舎暮らしをする叔父のフランクとともに幸せな生活を送っていた。数学者であった母は自死の直前に、弟であるフランクにメアリーを託していた…。
本当の親子並みに愛し合うメアリ―とフランクを引き離す司法取り引きと、そして乳児だったメアリ―をフランクに預けた母親の隠された真意がエンディングであきらかになる。テッパンの感動ストーリー。
監督は、3部作のところ2作目で打ち切りになった「アメイジング·スパイダーマン」(2012/2014)のマーク·ウェブ(Marc Webb)監督。身を潜めていた(?)かのように久々の新作である。ソニーピクチャーズの"スパイダーマン"が、ディズニーとともにアベンジャーズ入りするという方針転換に翻弄されてしまった被害者とも言える。
やっぱりマーク·ウェブ監督は、心の機微を描いた作品が上手いんだなぁ。「(500)日のサマー」(2010)で失恋するイタイ男の子の描き方といい、「アメイジング·スパイダーマン」の恋と悲しい別れといい、人間観察と描写に共通した優しさを感じる。
いま思えば、オトナの都合とはいえ、"アメイジング…"はピーター·パーカー役がアンドリュー・ガーフィールドで、グウェン·ステイシー役がエマ·ストーンだったという豪華さ。今年のアカデミー主演賞の男女それぞれノミネート(「ハクソ―・リッジ」と「ラ・ラ・ランド」)のコンビだった。”ホームカミング”も大好きだけど、やっぱりウェブ監督の3作目も観てみたかった。
そして本作「Gifted」で叔父フランク役を演じるのが、クリス・エバンス(「キャプテン・アメリカ」だよ)というのが意外。
"スパイダーマン"を奪われたアベンジャーズの"キャプテン"から、その娘を奪ってやれというブラックジョークだったりして・・・妄想が過ぎるか(笑)。
(2017/11/24/TOHOシネマズ シャンテ/シネスコ/字幕:伊東武司)