劇場公開日 2017年7月7日

「男性陣にはグサッと刺さる、美しくも油断ならないロードムービー」ボンジュール、アン よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0男性陣にはグサッと刺さる、美しくも油断ならないロードムービー

2017年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画プロデューサーの妻アン。子育ても一段落して夫マイケルに同伴してカンヌまで来たものの、夫はずっとスマホで商談ばかり。自家用ジェットでパリに移動して二人きりのバカンスを楽しむはずがマイケルは急遽ブダペストに行かねばならなくなってしまう。耳に持病があるアンは飛行機に乗らない方がいいとパイロットに言われ、マイケルの同僚のフランス人ジャックの車でパリに行くことにするが、ラテン気質満点のジャックは終始マイペースでまっすぐパリに移動するはずがフランス各地の名所を巡る旅をすることに。

フランシス・F・コッポラ夫人、エレノア・コッポラの長編監督デビュー作で自身の体験を滲ませた脚本も担当。旅を続けるうちに自身の胸にしまっておいた様々な思いが引き出されていく異邦人アンをフランスの情景ごと見つめ続けるだけ。行く先々でアンがコンパクトデジカメで撮るスナップショットがどれも慎ましやかで美しく、それがゆえに彼女の胸に秘めた思いがキラキラと輝く。とても愛くるしい作品ですが男性陣の胸にグサリと突き刺さるものもあるので油断は禁物です。

よね