「気分が良くなるラブコメの王道。」ラブ×ドック お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
気分が良くなるラブコメの王道。
予告編の印象を大きく上回る、掘り出し物の逸品でした。
アラフォーの主人公・吉田羊は、鼻の穴を巨大に膨らませながら次々に恋に落ちてしまう、アラフォー独身女性の焦りと、それとは裏腹な乙女心の両立を、とてもうまく演じていました。
BGMが加藤ミリヤで統一されており、どの曲目も小気味良く、テンポ良く全体を貫いていたことの効果が大きいと思いますが、全編を貫く軽快感がただごとではありませんでした。
手書き風のイラストが場面場面で登場します。
ほんのちょっとしたアイディアなのですが、こんなちょっとした工夫によって観客の気分が高揚するのが不思議な限りです。
一方、タイトルの由縁であるドック役(医師の意味か?)の広末涼子サンは損な役柄で、ほとんど活躍もせず、もしかしてこの映画には不要な役目なのかも知れません。
逆に「ブスな女友達」役の大久保佳代子さんが、まあ上手いこと上手いこと。
途中からは主人公を完全に喰う名演技で、「マウンティングされて生きるしかなかった女性」の心境を見事に演じており、しかもジメジメ感とは無縁であり、私は観ていて痺れましたよ。
ラブコメなんてものは、気分が良くなることを求めて観に行くジャンルだと思うので、そういう意味で、最高の一本だと思います。
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