「じゃあ舞台でイイじゃん。」アイスと雨音 ガンヂさんの映画レビュー(感想・評価)
じゃあ舞台でイイじゃん。
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全編ノーカットで撮られた映画。
内容がオーディションで集められた劇団が舞台のモノなので、演劇を観ているかのような感覚を狙ったのでしょうが・・・
演劇は舞台という広い画角の中で行なわれて、その中で何を見るかは観客に委ねられているのが醍醐味で有るのに対し、この映画は終始演者のアップが続く。
ノーカットで撮りながら場所やストーリーを転換するために必要だったコトは分かりますが、そのせいでこの映画を観る人は、観たいものが“カメラ”という最も演劇とはかけ離れた装置によって制限されてしまうという矛盾が生じています。
コレを“実験的”と言えばそうかもしれませんが、私は「なら素直に舞台で見せて欲しかった」と思ってしまうのです。
エンディングでようやく息苦しさから解放されたように感じたのは、最後になってようやくカメラが引いて広い画角になり、観たいものを選ぶ権利がこちら側に戻ってきたから。 むしろ全編この引いた画角でノーカットでやってもらったら良かった気がします。
(それじゃあ演劇を定点で撮影したのと変わりませんが)
実験的な点は評価できますが、それが成功しているかというと・・・ 私は疑問符が付いてしまいます。
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