リバーズ・エッジのレビュー・感想・評価
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公開当時は絶対に認めてやらないぞって気持ちでした。
1度視聴して、あまりにも原作過ぎたので映像が頭にあまり入らず数年前に断念したのですが、不意に岡崎京子熱が再熱したので見返して見ることにしました。
当時は山田くんに対しての拒絶反応もすごかったのですが、今見返してみると吉沢亮の演技力に目を見張りました!
キャスティングに関しては全体的に年齢が若干上すぎて、高校生には見えないなあ…となってしまいました。
私は90年代に生まれただけで当時の世界観を何も知らずに見ているので、映像の古臭さに関しては何も思わずに没入して観れました。寧ろレコードや装飾品にワクワクさせて貰いました。
ルミちゃん役の女優さんは本当に素晴らしかったです。ファンから見てもルミちゃんはそのまんま漫画から飛び出してきたかのように感じてしまいました。ルミちゃん姉妹のお姉ちゃんが本当にそのまんまだ〜❕と。
当時のBL漫画と多少違うんでないか?と思わざる得ない絵が少し残念でしたね。
全体的に性描写が多すぎるくらい多いです。あと喫煙シーン。これは紙タバコを禁煙してる方々からしたら、しんどいんじゃないかなって勢いでタバコシーンが終始流れてる印象です。
性描写に関しては昔の岡崎京子の漫画は謎にSMプレイやらどぎつい性描写多いよなあ。なんて思ったりして、原作に忠実っちゃ忠実な映画でした。
ゆるい気持ちで見たら最高にノスタルジックに楽しく虚無を楽しめます。
小沢健二の歌がとても合う映画。
原作未読。
全体的にサブカル味を強く感じた。
何かとヤってるシーンが多い。そして浮気に売春、妊娠。かと思えば暴力で、とても刺激が強い。あとタバコ吸ってるし、薬やってるし、ウリやってるし、制服じゃないから、高校生だって理解するのに時間かかった。
それからインタビューシーンが最終的に繋がるのかと思ったら、そんな事もなくてよくわからなかった。主人公の友達が殴られて家帰ってから姉に刺されれてるの胸糞悪くて気持ち悪くなってしまった。まあ挑発してたけど……。
最後の方の「僕らの短い永遠」っていうフレーズは10代の儚さを感じて「凄く良いなー」と思った。小沢健二の歌がとても合う映画。私は得意な映画ではなかったけど、好きな人は凄く好きそう。
偏差値低い高校生達の群像劇
全員偏差値低すぎ、Fランク高校でも底辺だと思われる。授業は当然の様にサボってS○Xしまくるし、同性愛や、売春も男女ともにしてるし、タバコや薬もヤるし、死体を見つけたら普通は通報するやろ!!それが宝物ぉ?!あぁ、さらに殺人(未遂も含めて)も有る。極端過ぎる設定だけど、なんか最後はまとまったのかなぁ~?
1番頭悪いヤツが最後なんのお咎めもないのとか、不満。そいつが薬をどうやって手に入れてるかも、かなり不明。
退廃サイテー青春群像劇
この一言に尽きる。
この物語の登場人物は言い方は悪いかもしれないが「青春ヒューマンドラマ主人公悩みあるある」をそれぞれ抱えている。
同性愛、偏愛、摂食障害、売春、いじめ、綺麗な妹への憧れ、無関心、性愛への過剰な傾倒。
並べてみるとまさしく「あるあるの悩み」だ。
これらの悩みは数多ある物語の中で記号的に消費され、半ばファッション感覚でキャラクターの特性として付与されてきた。それ故に悩みをもつキャラクター達は聖人化をされ「本来語られねばならない悩みを持つものの人間味」もないがしろにされてきたのだ。
では、「本来語られねばならない悩みを持つものの人間味」とは何なのか。
それは彼らが持つ「加害者性」だ。
同性愛のカモフラージュのために利用した嘘の恋人、偏愛のために蔑ろにした相手の気持ち、摂食障害のために無駄にした食べ物たち、売春で乱れたモラルのために堕ろすことになった胎児、いじめられることのストレスのはけ口にされた存在、妹へのあこがれのために侵してしまったプライバシー、無関心のせいで傷つけてしまった他社、性愛への傾倒により陥ってしまった倒錯。
この「リバーズ・エッジ」はこれらの「加害者性」を真正面から描いている。
日々に恵まれずマイノリティであるために肩身の狭い思いをしている彼らは、自分自身のことを恵まれない人間としながら、同時にそれらの悩みによるしわ寄せを他者に押し付けているのだ。彼ら自身も加害者になりうるのだということをまざまざと見せつける。
まあ、つまり何が言いたいかと言うと、マイノリティとマジョリティは同等の存在であり、そうであるとするならばマジョリティはマイノリティ同様加害者となりうるということをこの映画は表現したかったのだと思う。
このレビューは頭がまとまらないうちに書いているので後々書き直すと思う
まあまあだった
90年代の感じを出そうとしているのだけど、スマホや携帯がないくらいの違いしかない。当時、ズボンにインはなかったはずで、違和感がある。ストーリーは原作をほぼトレースしているのだけど、暴力シーンが過剰であれで軽傷なのが変だ。モデルの子が過食嘔吐を繰り返している割にほっぺがぷっくりしている。漫画のままの表現だと映像で変なところもあり、原作に対して腰が引けているようだ。
うーん、なんの話? ストーリーが無いからテーマも見えない。 いじめ...
うーん、なんの話?
ストーリーが無いからテーマも見えない。
いじめ、同性愛、ドラッグ、摂食障害、家庭不和…
一昔前に流行った題材をとりあえずいろいろ詰め込んでみましたーみたいな。
同級生が死体見つけたり焼死したり刺されたり、現実味がない。
セックスシーンも気持ち悪い。
インタビューも全くストーリーに絡んで来なくて意味不明。
ど真ん中世代です
リバーズ・エッジがCUTiEに連載されていた時に丁度高校生だったので、世代的にはど真ん中です。原作はCUTiEの連載でところどころ読んでました。今作は90年代が舞台ですが、劇中で描かれた人物や空気は当時の多数派ではなく少数派のことですね(そもそもCUTiEを読んでいるのが少数派でした)。
例えば、93年のヒット曲と言えば、チャゲアス、サザン、BZ、ZARDで、ヒットした映画と言えば、ジュラシックパーク、ボディガード、アラジンです。ほとんどの人は、このヒットチャートにある『楽しく』『感動』できる『健康的』なものが好きでしたし、フリッパーズギターを聴いているのは一部の洋楽好きかマニアでした。今よりも裕福でチャラチャラしていた当時を知るからこそ、劇中の描写に『虚無な90年代』という押し付けやあざとさを感じてしまい、なんだか冷めて鑑賞してしまいました。裕福でチャラチャラした空気の中で、一部の人が感じていた虚無感、所謂岡崎京子や小沢健二的な感性だったら理解できたのに。
25年前よりも現代の若者達の方が虚無感が強いと思うので、20代の監督が撮った方がリアリティがあって良かったのでは?と思います。
それに、セックスシーンや殺しのシーンが今時ではなく気持ち悪かったです。今の時代は#metooなのに、AVの様なセックスをする女性や女性への暴力の描写に辟易してしまいました。確か、原作は違ったような。表現の方法も色々とあるだろうし、今は女性の描写に細心の配慮をする時代です。邦画が良い方向に変わって欲しいです。
現在65歳〜70歳の方々の想い出噺しかなぁ
電話が携帯じゃない。現代は携帯。
連絡が取れるか?取れないか?はいつの時代も同じ。
人は強くなりたいがなかなかなれない。自分の高校生の頃を思い出す。少しゾッとする。あの時あんな事やこんな事したなぁ〜と反省すべき点は多々あるが、かと言って30年たった今過去の歴史や経験をなぞり活かし綺麗な真っ当な大人になれたかどうかと言うと間違いなくNOだ。この作品の登場人物の不安定な年頃の若者たちは現代では、おじいちゃん・おばあちゃん。確かにこの年代の方々は元気だ。ただ思い伝え方が本当に下手くそだったのではなかったのだろうかと思う。この作品
最近やっと映画化出来るようになったと思う。もっともっと早くに映画化されてたら、現代の40代30代の考え思想感も違ってきたのではないだろうか?大人の都合で
撮れない作れない作品は多々ある。思考を停止させるさせたい。若者たちは常にその被害者である。しかし現代において携帯文化スマートフォンのの始まりにより尚の事性は乱れに乱れる。50代60代を利用する10代20代は少なくない。果たしてそのような形でお金を得て何に使うのだろうか?自分で料理を作った事もない女性がいくら高い食材の美味しいもの食べたとしても、それは幻想にしか過ぎない。全く意味がない。仕事の在り方も変わってきてる現代では自分の夢や生き方などを見つけるのは難しくなってきてるように思う。そして私はこの作品を見て一番思ったこと感じたこと。ありきたりではあるが好きな人本当に大事に思ってる人には嘘をつかない。嘘をつかなくていいような生活を送りたい。結局のところは自分が一番好きな人と一緒に入れなくても、気持ち悪い行動を取る人は最悪だからだ。貞操観念の良し悪しまで考えてしまうが、そこに尽きる。嘘と矛盾に散りばめられた世界の中で、一人ぐらいには正直に生きて行けたら、これが一番の幸なのではないだろうか?
迷える子羊達
悩み多き年頃の男女の恋愛模様。
高校生のハルナ。
彼氏の観音崎は同級生の山田を虐める。
虐められた山田を助け、山田の秘密を知るハルナ。
宝物だと言う河原の白骨遺体。
秘密を共有するのは、山田とハルナとこずえ。
山田は同性愛者である事をハルナに告白するが、同級生のカンナと付き合うと言う矛盾を抱えている。
カンナの一方通行の思いがどんどんエスカレートして行く。
ハルナもまた観音崎に対する気持ちが薄らぎはじめ、山田やこずえと一緒に過ごす時間が増えた。
観音崎は性欲を満たす為、ハルナの友達ルミと関係を持つ。
ルミは日記を書いているがその日記を姉が盗み見している事も知っていた。
ルミは妊娠した事を観音崎に話たが逆上した観音崎はルミを絞め殺した。
山田に泣き付く観音崎。
山田はハルナとこずえに死体を埋める手伝いを頼んだのだが、河原にルミの死体は無かった。
泣崩れハルナにしがみつく観音崎。
ルミは息を吹き返し自宅に戻り姉と口論の末血塗れの惨状と化す。
カンナは山田とハルナの関係を疑いハルナの住む集合住宅の屋上からハルナの家目掛け放火し飛び降り自殺。
思春期の不安定な感情が取り返しのつかない大惨事を招いた。
SUMIREのぎこちない演技がヘンに目立つ。
好き嫌いの分かれる映画
原作は読んでません。
それぞれの人間模様が強すぎて癖がすごいです。
二階堂ふみは、感情が全然ないですね。
人が死んだ時や、猫が死んだ時に感情がでてきていましたが、他のことに関しては無関心ですね。
山田くんが気になってます。
彼氏は薬物やるわ、二階堂ふみの友達とセフレだわ。
その友達のお姉ちゃんはBL漫画家だわ、山田くんはまさかのゲイ。
しかも売春までしてるゲイ。
河川敷にある死体を宝物とする山田くんと吉川さん。
モデルの子は過食症だし、二階堂ふみの彼氏の友達は噂好きだし、なんか凄まじく癖がすごいです。
しかも吉川さんレズでした。
そしてセックスシーンが多くてざわざわします。
しかも彼氏役のやつが下手くそ。
リアルなのか、あえて下手くそ風にしたのかわかりませんが、下手くそだなーに目が行ってしまいます。
二階堂ふみの友達のお姉さんが自分の妹を刺し殺したけど、死んでなかったんですね。
赤ちゃんだけ降りちゃったんですね。
愛に飢えてる人や、生きるとはみたいな課題のある映画だったのかな?
分かりかねるけど、俳優さん女優さん目当てで見るならいいかと思います。
15禁って言われてましたが二階堂ふみさん
おっぱい丸出ししちゃうんですね。
背中も全裸だし、吉沢亮も全裸だし、売春の時白パンツだし、なんか色々うわうわのシーン多かったです。
最後急にみんなで語るように歌ってきて
尚うわぁ‥でした。
好き嫌いが分かれる映画だと思いました。
原作の良さはあまり出てないが
吉沢亮くんの美しさを堪能するために見にいきました。吉沢亮くんはメチャメチャ美しいし恐ろしいし演技も素晴らしくとても良かった…ただブスのセックスシーンがきつい…こんなに汚くしなくてもいいのにってくらい汚くてきつい…。吉沢亮くんは100回でも見たいけどあのシーンは1回でいい…。本当にブス同士のセックスシーンまじでまじでしんどい。(本当にしんどいので何回でも言う)
この監督は原作の「汚いっぽい部分」を露骨に強調し過ぎてる気がします。モデルちゃんがゲロ吐くシーンとか子猫が殺されてるところとか…原作ではもうちょっとアッサリなんですよ。内容自体は岡崎京子の原作に沿ってはいるんだけど、監督の色眼鏡がかかりすぎてる。舞台挨拶で「作品を見て色々考えてほしい、岡崎京子の作品は考えさせる作品だから」みたいなことをおっしゃってましたが、岡崎京子の原作はもっと普通にわかりやすく、感情移入しやすいです…。無駄に難解に、退廃的な雰囲気に変えてるのは監督だけです…。
ファッションと年代を寄せてるのはとてもよかった。
あと二階堂ふみが乳首OKという事に驚いた。
懐かしくてヒリヒリする。
ドラマの海月姫で千恵子さんをやってた人が、出ていてすごくよかったので名前を調べた。
冨山えり子さんだって。よかった。
90年代であの風態であの趣味だとあれくらい酷いこと言われなきゃいかんかったのか…とげっそりした。
岡崎京子が全盛期だった頃、地方の文化的過疎地で小学生〜中学生だったので、あまり詳しくはない。
ちょっと上の世代のサブカルのアイコンというイメージ。
オリーブ少女、フリッパーズギター、ベレー帽…
雑誌でしか知らない時代の香りを味わえた。
オザケンから入って20代でフリッパーズギターを聴き始めた派。
おクスリやってる彼氏(かんのんじくん?名前忘れた)と、ハルナは何で付き合ってたんやろ?
セックスも楽しげではなく、何のメリットもない交際をしている理由が全く分からずではありましたが、山田くんにはきゅんとした。
ハルナは山田くんがすきになったんだよね、気づいてなかったかもだけど。
あの年代の自分とは全然違うけれども、やっぱりちょっとわかる痛々しさ。幼さ。それらにジリジリさせられたのと、みなさん体張ってる!っとことにびっくりした。
スーちゃんも良かったし、やばい(褒めてる!ハマってた!)森川葵も良かった。
そして何より二階堂ふみ。いい。いいですよ。
監督と言う名の語り手が登場人物にインタビューする演出、私は好きです。かんのんじくん?の語りにちょっと切なくなったもん(でも幼稚な行動つか犯罪には全く同意しませんけどね)。
90年代
岡崎京子世代ですが、原作は読んでなくて、SUMIREちゃんとオザケンと二階堂ふみちゃんのおっぱいにつられていきました。
あのオシャレでクールだった90年代も撮り方によっちゃこんなに古ーくなっちゃうんですね。
せつないわー。
ロケットパーンチだか跳び蹴りだかなんだかあれはぜったいにやめてほしかった。
釣り人が歌う歌も古すぎー。
なにあのチョイス。
男子のロン毛具合や、やたらフリース着てるのは懐かしかったw
あんなだったなー。あの頃初めてフリースが誕生した気がするw
個人的にルミちゃん役の方にはなにか賞をさしあげたい。魅惑的な美しいおっぱいでした。若さとエネルギーがあふれる肉体で彼女の裸体だけで10代の暴走を充分に表現できると思った。
SUMIREちゃんのオーラと存在感は予想以上にすごかった。さすがCharaちゃんの娘。大物ですね。すでに父親は軽く超えてます。今後の活躍に相当期待します。
二階堂ふみちゃんは個人的に好きな女優さんですが、この役には遅すぎだかなと思いました。
三年前ぐらいのふみちゃんで観たかったなー。
それから京子さんの王子だったオザケンの歌にはホロリとさせられました。これはかつて90年代に青春を過ごした世代にとって嬉しいエンドロール。この人しかいないと思うし、京子さんへの愛がきっちり歌にこもってた。オザケンの男気に涙です。
一周回って愛おしい
まだ各人物の心理が見えて来ない最初の方は「うわ~ ダーク。ただのカオス系だったらきっついかも。」と思ったけど
観音崎くんかわいい!!
ヤベエ奴かと思いきや、すごい可愛い奴だった。
これは極端に表現してるけど、観音崎要素を持った男の人って結構いるんじゃないかと思う。悪びれず好奇心や寂しさを満たすためにやっちゃう、けど本命の女の子には不器用なりに配慮をしていて
それを辛く思うルミの気持ちもよくわかる。観音崎に感情をぶつけて事態を悪化させてしまうこれまた不器用さが憎めないルミ。
壊れそうな人たちの心理描写にぞくぞくした。
二階堂ふみはどの映画でも同じような感じがして特別好きではなかったけど
(ファンの方ごめんなさい)
この役はとても良かったと思う。
二階堂ふみの厭世的なようでスレてない瞳が絶妙な味を出していたと思う。
山田くんの表情も存在感も最高だった。
観音崎の妙に似合うロン毛、古臭いけど今風に見えるって何気にすごくないですか?それからハルナにしがみついたり腰を振ったりする姿が岡崎さんの描くキャラクターと重なった。
よく映画を観た後、この配役は違ったんじゃないかとか一人で勝手に配役換えをして楽しむけど、今回は不要。帰りの電車でただ余韻を味わった。
AVだとかエグいとかいう声もあるようだけど、死体なんてハエすらたかってないカラカラの骸骨だし、セックスのシーンもわざとエロさ抑えてるかな?と思うくらいエグみは一切感じなかったけどな。 もっと生々しい映画いっぱいあるじゃない。。
ふと最後に思ったのは、
ハルナだけがガツンと現実を正面から受け止めているような感じがした
あとハルナは山田くんが好きなんだよね?好きとは言わないけど。
あ~楽しかった。
なんだろうこの不思議な満足感。
自分ごとに感じない。ということ
二階堂ふみの初のフルヌード作品と聞いて鑑賞。我ながら動機は不純だが、個人的に新鮮なジャンルを鑑賞することにもなるので期待もした。原作は女性向けファッション雑誌で連載していたとのこと。ヘルタースケルターの作者さんというのは鑑賞後に知った。鑑賞日は公開から10日後ほどで、カルチャー好きっぽい女性が10人ほどいた。率直に、普段観ないジャンルの映画も映画館で集中して観ると面白いものだなと感じた。
本作で一貫している演出として、画面サイズとインタビュー映像がある。物語の設定である1994年(たぶん)を表現するために、画面比率がアナログテレビ的な4:3になっていた。正直、映画館では世界に没入できるようなシネスコが好きなんだけど、しばらくしたらはそう気になることもなかった。冒頭シーンから謎のインタビュー映像で、最後の最後でこれが事件後のインタビューらしいことが分かる。随所のほかキャラクターのインタビューは個人の紹介にもなりつつ物語を深めていく。というか直接的に説明されるという感じ。観音崎の子分みたいな夜の工場で釣りをする二人が噂話するシーンは全体のテンポを作っていたし、ほっこりした。
二階堂ふみ演じるハルナは、タバコの煙のように漂う存在に見えた。周囲のキャラクターの意思に振り回されるように生きていた。周囲は衝動的に動いてばかりだが、彼女は何か考えていて、暴走はしない。むしろ、誰かのストッパーである。肝心な二階堂ふみのおっぱいは改造された雰囲気が強く、あんまり重要な場面にもなっていなかった。不感症っていうことなんだけど、感じて色っぽいところを観たかった。土居志央梨演じるルミがあちこちで激しめのセックスをしたり、吉沢亮演じる山田くんもおじさんにご奉仕したりするので、全体のバランス的に脱がない選択肢はなかったのかな…。
山田君っていう美少年なのに全裸でボコボコにされるっていう存在がありえない気がして、ずっと違和感があった。旧校舎のロッカーに失神状態の上に全裸で閉じ込められるって登場シーンは衝撃過ぎて笑った。あそこに助けに行ったわけだからハルナは本質的には正しいことを目指している人なのだろう。SUMIRE演じる吉川こずえの過食シーンも衝撃だった。同列の女性が一人でLサイズのポップコーン買ってたからこれ見ながら食べきるのつらいだろうなと思った。トイレや床で素手でというように雑に食事する人間の精神の乱れはやはり想像しやすいなと思う。彼女の存在感は好きだった。山田君の好きな男を簡単に話しちゃうの笑った。新しい死体が見つかった時に生き生きしてたのがとてもよかった。
ルミには何か賞をあげたい。二階堂ふみより段違いに魅力的な躰をしていた。顔面とか普段の言動はとても好きになれないなと観ていたのに、ベッドの上での存在感には圧倒された。射精後のルミの顔と河原の白骨遺体の頭蓋骨でシーンチェンジしたのは見事すぎて大笑いした。後半絞殺されかけるし、姉からおっぱい切り裂かれるという末路への予兆として見事に作用してた。姉もちゃんとキーキャラクターでよかった。
観音崎がルミの死を目にして、山田君らと歩調があってくる展開が良かった。そもそも山田君や吉川こずえは河原で見つけた遺体から自分の価値観を変化させた。ハルナもまたしかり。人の死を目にして生き方を考える子どもたちに共感する。何かしらの人の人生が自分の生き方に影響することって大いにある。私の場合、2013年のやなせたかしの死は大きかった。このころNHKの特集で爆笑問題相手に92歳でインタビューに答えたり歌ったりしてる姿が印象的でその人生にあこがれを抱いて観ていた。直接的に体験したわけではないが、このことは自分の人生設計の重要な事柄だと思っている。本作では、白骨遺体がもろに登場することの衝撃が説得力を増していてよかった。田島さんは重要なオチではあるけど、もはやダメ押しの展開で満腹になった。
小沢健二の主題歌はいいけど、これ程しっかり今の若い人で90年代を作りこんできておじさんの歌を聴かされるのはどうかと思った。世代じゃなくてしっくりこないということかもしれないけど。
あと、キャラクターの深堀展開という観点から、ルミの姉の展開はよかったけど、ハルナとルミのもう一人の友達の立場がいまいちに感じた。
ソラニンとどこか似た感じなのかな。
雑記して改めて、いろいろ考えながら鑑賞できてよかったと思う。
当時からのファンですが。
「リバーズエッジ」の漫画が最初のカバーの時から、岡崎京子が事故に遭う前からのファンだし、同時にオザケンにもハマりまくったという人間なのですが…。
今回の映画は「うーん…」でしたね。いや、原作もイヤーな話なんですけども。それをそのまま映像化してくれるだけで良かったと思うのだけれども。
1.画面を4:3にしたのは、90年代を表現するのにいいとは思う。でも最初から最後まで…というのだと、単なるテレビサイズみたく思えてしまう。
2.インタビュー形式の部分
岡崎京子の「チワワちゃん」を彷彿とさせる感じで表現としてはアリだと思う。でも、あのインタビューの趣旨がよくわからない。いつの時間軸で、何のために誰が撮ったものなのか?
田島カンナのインタビューがあるなら、若草ハルナのインタビューは、ぬいぐるみが燃えてたらダメだろう。
3.カット割り
岡崎京子の漫画の雰囲気って、静かで淡々としたイメージなんだけれど、カット割りが早すぎるし動きすぎる。
街を流れる工場排水で濁った大きな川。セイタカアワダチソウが茂る河原。今、漫画版を見返したわけではないけど見開きでシーン…と見せるイメージ。
今回の、映像は綺麗だけど、パンダウンとか短いポンポンとしたカット割とかで、状況を感じるというよりも説明された感じがしてしまう。
それでいいのか?と思う。
4.配役、演出など
森川葵はミスキャストだと思うなー。申し訳ないが、食べるたびに吐いてる体型には見えない。年齢的に高校生は厳しいかもしれないが水原希子くらいの細さは必要。少なくともそういう役だ。
特に彼女が食べ物を汚く食べるシーンは、質の悪い再現ドラマのようで単に不快だった。
「牛乳」でつなぐ部分は演出としては良かったかと。
ラスト近くのウィリアムギブソン、2人同時に発声すると、うるさく感じる。
二階堂ふみと吉沢亮が、パート分けた方が静かに刺さったのではないか?
5.歌
アルペジオは単体で聞くとスゴい歌だと思う。一部、深読みの人々の分析で「なるほどー」と思ったのだけれど小沢健二と岡崎京子の90年代が丁寧に丹念に込められている。(え、そこは言わない約束では?とも思う)
この歌が2018年の岡崎京子に捧げる歌として存在する分には大歓迎。二階堂、吉沢のつぶやきも沁みる。
ただ、この映画の最後に流れた時に流れるとついていけない。リバーズエッジの世界観なのに、作者の話になってしまう。
この曲を最後にかけるのであれば、それなりの解釈変更を行い、ラストをなんらかする必要があったのではないか?
→まぁ、公開時の小沢のコメントを見ると映画のラッシュを見た上で書き下ろしたということなのでそれは実質不可能なことだとは思うが。
以上、そんなことを考えつつ、2010年代も後半になって岡崎x小沢に(搾取されつつ)あーだこーだ言えるのは嬉しいことだと思う。5月は武道館だし。
二階堂ふみだけは完璧でした。
クッソつまらん意味不明
青春映画でも恋愛映画でもなくもはや出来の悪いAV。R15?R18じゃなきゃおかしいでしょ。内容汚すぎ、でも唯一良かったのは二階堂ふみのヌード見れること。
感じること
何だか、ブルース・リーの台詞みたいだが、90年代サブカルのバイブル的漫画が原作の作品である。自分も正にこのバブル世代の人間だが、今作品は未読、いや、読み始めて岡崎杏子の絵柄が身体に合わず、何となくオシャレ雑誌のタッチの匂いに読む気が失せた記憶がある。今回、主演の二階堂ふみがプロデュース的立ち回りで関わったということである。あの時代のナニかを知りたいと感じたのかも知れない。以前観た『密のあわれ』の方が、脱ぐべきだと思ったのだが、今回そんな力の入れよう故、裸体を披露したのだが、これの方が痛々しくて、マグロで、女優としてのファーストヌードとしては余り美味しく無いんだと思うのだが・・・女優魂に火がついたのだろうか?
作品自体のストーリーは原作に忠実らしい。ただ、ネットでも散見されるあの、所々差し込まれるインタビュー型式の心のモノローグ的吐露は、非常に不可解で物語をブツブツ切ってしまう変な演出である。もっと表現方法があったのでは?と思ってしまう。それ以外は、結局、作品を評価するイコール原作を評価するになってしまうので、漫画そのものの雰囲気や特徴に依るところを好きか嫌いかに二分してしまうことになる。決して嫌いじゃないのだが、でも細かいところでの詰めの甘さみたいなものに一寸興ざめしてしまうのを感じる。例えば、イジメにしても、殴る方だって拳は痛い筈。それにイジメの最終着地は金の恐喝だ。でもそれは本作では起こらない。まぁ、そこまで追込まないところが作風なのだといえばそうだが・・・
映画の画角が所謂スタンダード画と呼ばれていて、昔のアナログテレビの画角なのもこの作品の時代を表現したとのことだが、これもそんなに寄り添うのが必要なのだろうか?オザケン主題歌も含めて、今作品こそ、もっと今風にアレンジしても良かったのではと感じる。
思春期特有の欲の暴走と愛の定義
素晴らしかった!
若者が大人となる過程での欲に忠実に暴走する姿は、何故こんなにも見ていて清々しいのだろう。
この登場人物たちと同じように、自分自身に悩み葛藤し暗い思春期を過ごした人にはこの作品は深く突き刺さるのではないかと思う。登場人物が心の穴を埋めたくてそれぞれに猛進するその苦しさがめちゃくちゃわかってしまう。世間的に悪いことだと分かってても、自分の体を大切にしなくちゃいけないと分かってるけど、なにかを渇望して暴れている感じ。
全体的に「愛とは何なのか」という副題を感じた。ルミちんや観音崎が愛のない体の関係を重ねる中、山田くんは校庭で好きな人を見て「いるだけでいいんだ、彼がいて僕がいて、それだけでいいんだ」と(確かそんなセリフ)言っていた。見返りを求めないただその存在が愛おしく大切、それこそが一番純粋で実直な愛であると感じた。本来愛を感じるはずのセックスという行為、本作ではみな寂しさを埋めるためだけのものであり(特に観音崎、ルミちん)そこに愛などなかった。インタビュー部分でボロボロで入院しているルミちんに「愛とはなんだと思いますか?」と聞いたシーンは「おい!やめろー!ルミちんに聞くな!可哀想やろ!」と思わず止めたくなった。
吉川こづえは食べるという行為で心の穴(それが寂しさかどうかは微妙)を埋めていた。職業柄、スタイルを維持しなければならない彼女が過食嘔吐をするというのは、なんというかありがちではある。ほかの登場人物がわりとわかりやすい中一番何を考えているのか見えてこなかった。が、ハルナと一緒にいる時、ほかの登場人物といる時よりもなんだか嬉しそうで可愛かった。(ハルナに好意を持っていたから当然ではあるが)個人的にこづえ役のSUMIREがなんとも言えぬいい顔をしていて、好きだなーと思った。
愛、憧れ、僻み、寂しさからの逃避、それらに直面した彼らは互いに交錯し毎日迷いながら生きている。そんななかで「何も変わらない」台風の目のようなハルナ。何も変わらないハルナに登場人物たちが何かを感じ求めながら生きていた。そんなハルナが唯一感じていたのは「死ぬこと」であると思う。可愛がっていた猫達がミートボールにされたときも、ルミちんの赤ちゃんがいなくなった時も、田島かんなが死んだ時も、ハルナの心は動いていた。吉川こづえも何を考えているのか分からないが、ハルナも大分何を考えているのか分からない。
この作品を何度もみて、自分の淀んだ青春時代を思い返し救済されたいと思う。とてもいい作品でした。
登場人物がとにかく濃ゆい
過激なので退屈なく見れるが、出ている人物それぞれが濃すぎて、映画の主張がはっきりしない。
ただ役者の演技がみんな良かった。良かったというより、身体張りすぎ。
個人的に印象に残ったのが山田君。
主人公が同性愛者の山田君に、軽い気持ちで同性愛者の行為について聴くデリカシーのなさ。こういうことは日常にありふれていると思う。
うん、確かに失礼だな。と。
みんなそれぞれの悩みを抱えて生きている。
純粋な甘酸っぱい高校生のお話ではなく、泥臭くて辛辣な高校生??そこを楽しんでもらう映画。
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