「退廃サイテー青春群像劇」リバーズ・エッジ 岡部 竜弥さんの映画レビュー(感想・評価)
退廃サイテー青春群像劇
この一言に尽きる。
この物語の登場人物は言い方は悪いかもしれないが「青春ヒューマンドラマ主人公悩みあるある」をそれぞれ抱えている。
同性愛、偏愛、摂食障害、売春、いじめ、綺麗な妹への憧れ、無関心、性愛への過剰な傾倒。
並べてみるとまさしく「あるあるの悩み」だ。
これらの悩みは数多ある物語の中で記号的に消費され、半ばファッション感覚でキャラクターの特性として付与されてきた。それ故に悩みをもつキャラクター達は聖人化をされ「本来語られねばならない悩みを持つものの人間味」もないがしろにされてきたのだ。
では、「本来語られねばならない悩みを持つものの人間味」とは何なのか。
それは彼らが持つ「加害者性」だ。
同性愛のカモフラージュのために利用した嘘の恋人、偏愛のために蔑ろにした相手の気持ち、摂食障害のために無駄にした食べ物たち、売春で乱れたモラルのために堕ろすことになった胎児、いじめられることのストレスのはけ口にされた存在、妹へのあこがれのために侵してしまったプライバシー、無関心のせいで傷つけてしまった他社、性愛への傾倒により陥ってしまった倒錯。
この「リバーズ・エッジ」はこれらの「加害者性」を真正面から描いている。
日々に恵まれずマイノリティであるために肩身の狭い思いをしている彼らは、自分自身のことを恵まれない人間としながら、同時にそれらの悩みによるしわ寄せを他者に押し付けているのだ。彼ら自身も加害者になりうるのだということをまざまざと見せつける。
まあ、つまり何が言いたいかと言うと、マイノリティとマジョリティは同等の存在であり、そうであるとするならばマジョリティはマイノリティ同様加害者となりうるということをこの映画は表現したかったのだと思う。
このレビューは頭がまとまらないうちに書いているので後々書き直すと思う