「当時からのファンですが。」リバーズ・エッジ poyuさんの映画レビュー(感想・評価)
当時からのファンですが。
「リバーズエッジ」の漫画が最初のカバーの時から、岡崎京子が事故に遭う前からのファンだし、同時にオザケンにもハマりまくったという人間なのですが…。
今回の映画は「うーん…」でしたね。いや、原作もイヤーな話なんですけども。それをそのまま映像化してくれるだけで良かったと思うのだけれども。
1.画面を4:3にしたのは、90年代を表現するのにいいとは思う。でも最初から最後まで…というのだと、単なるテレビサイズみたく思えてしまう。
2.インタビュー形式の部分
岡崎京子の「チワワちゃん」を彷彿とさせる感じで表現としてはアリだと思う。でも、あのインタビューの趣旨がよくわからない。いつの時間軸で、何のために誰が撮ったものなのか?
田島カンナのインタビューがあるなら、若草ハルナのインタビューは、ぬいぐるみが燃えてたらダメだろう。
3.カット割り
岡崎京子の漫画の雰囲気って、静かで淡々としたイメージなんだけれど、カット割りが早すぎるし動きすぎる。
街を流れる工場排水で濁った大きな川。セイタカアワダチソウが茂る河原。今、漫画版を見返したわけではないけど見開きでシーン…と見せるイメージ。
今回の、映像は綺麗だけど、パンダウンとか短いポンポンとしたカット割とかで、状況を感じるというよりも説明された感じがしてしまう。
それでいいのか?と思う。
4.配役、演出など
森川葵はミスキャストだと思うなー。申し訳ないが、食べるたびに吐いてる体型には見えない。年齢的に高校生は厳しいかもしれないが水原希子くらいの細さは必要。少なくともそういう役だ。
特に彼女が食べ物を汚く食べるシーンは、質の悪い再現ドラマのようで単に不快だった。
「牛乳」でつなぐ部分は演出としては良かったかと。
ラスト近くのウィリアムギブソン、2人同時に発声すると、うるさく感じる。
二階堂ふみと吉沢亮が、パート分けた方が静かに刺さったのではないか?
5.歌
アルペジオは単体で聞くとスゴい歌だと思う。一部、深読みの人々の分析で「なるほどー」と思ったのだけれど小沢健二と岡崎京子の90年代が丁寧に丹念に込められている。(え、そこは言わない約束では?とも思う)
この歌が2018年の岡崎京子に捧げる歌として存在する分には大歓迎。二階堂、吉沢のつぶやきも沁みる。
ただ、この映画の最後に流れた時に流れるとついていけない。リバーズエッジの世界観なのに、作者の話になってしまう。
この曲を最後にかけるのであれば、それなりの解釈変更を行い、ラストをなんらかする必要があったのではないか?
→まぁ、公開時の小沢のコメントを見ると映画のラッシュを見た上で書き下ろしたということなのでそれは実質不可能なことだとは思うが。
以上、そんなことを考えつつ、2010年代も後半になって岡崎x小沢に(搾取されつつ)あーだこーだ言えるのは嬉しいことだと思う。5月は武道館だし。
二階堂ふみだけは完璧でした。