クロスのレビュー・感想・評価
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ドラマにはありがちな
後悔にくれる美人の元殺人者と上手く弁護してもらい反省なく際限なく幸せを求めるグレーな妻の間で悩む主人公、やはり、やっちゃいましたか。実写化不可能ってなんで。
If an ass goes a travelling, he'll not come home a horse.
結局出自は変わらない。唯、変わろうとする葛藤、願い、その先の未来を信じたいと渇望が今作品のテーマである。
平成25年度城戸賞の入選作品多分であり、これ以降入選作がないとのことだが、この賞自体、存じ上げていない。多分、業界内のこじんまりとしたコンペティションなのだろう。キャッチフレーズが『実写化不可能』 何が不可能なのか、実際脚本観ていないので分からないが、せめて小説化すれば、だれかネットで紹介するのだろうけど。。。
主要キャストも又、はじめましての人達。その中で、斉藤工、オールナイトフジの司会の女性の出演は、バジェットがそれなりに大手映画会社や吉本が絡んでいるからだろう。
同じ贖罪モノとしてマンチェスタバイザシーとの比較を余儀なくされる。残念だが、ハリウッドには足下に及ばないのが正直な感想。
存じ上げていなかったが冒頭のカリール・ジブラン著『予言者』の詩の一節が紹介されるのだが、この演出も又、勿体付けたような作りで、直接的に本編と結びつけることができなかった。この本自体が、如何様にも解釈できる普遍的な話らしいので、多分、監督が好きな本なんだろうなぁと思った次第。
プロットとしては、集団暴行死事件、不倫故の殺人事件、それぞれの加害者である二人の女とその間で揺れ動く男の愛憎劇。どちらかというと、映画よりも今流行りのオンデマンドビデオみたいなのでやればスト-リー展開が拡がるのかも知れない。それ位この短い時間で、三人の登場人物の動きが散漫で、一本筋が通っているような流れではない。まるでそれは群像劇のような感じなのだが、しかしだからといって3人それぞれの過去の出来事や思いみたいなものが薄くてストーリーに入っていけない。特に妻役の人が、初めての映画出演なのに、演技がなかなか上手だったので本当に勿体ないと感じた。憎まれ役が堂に入ってて、顔から滲み出る『反吐が出る』ような憎たらしい表情は、中々今の女優にはいないタイプだ。だからこそこの女性が過去の事件にどう拘ってきたのかというシーンを丁寧に描いて欲しかった。斉藤工扮するジャーナリストも中途半端で、チンピラ的な要素を最初出しておきながら、結局はいい人であったみたいなプロットはもっとドラマティックになれるのではないのかと、この一連の、氷が溶けて薄まったアイスコーヒーのようなとても浅いストーリーと演出に、飽きが来てしまうことを禁じ得ない。
エロティックと名打っているが、ラストのセックスシーンのみ。しかも、貧相なパストトップ見せられても、何もリビドー感じない有様。この女性の抑えられない官能というか、色欲みたいな爛れた性欲をもっと前振りがあれば、生きてくるシーンなのだが・・・
正直、残念な内容の作品であった。
クソ夫婦
主人公の真理子は柔らかさと影があって魅力的にみえるけど、集団リンチの加害者グループの一人である嫁も、その旦那もクソ過ぎて、男として女としてはもちろん人としてもこの夫婦に何も魅力を感じない。否、魅力がないどころか気持ち悪い。
大きな生活環境の変化があったとはいえ、魅力の無い夫婦が物語の軸の部分にいる為、作中に入り込み難いし常に違和感がつきまとい、何で?という感じ。
真理子はなかなか良い哀しさを持っているのに勿体ない。
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