修道士は沈黙するのレビュー・感想・評価
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確かに喋りすぎw
うーん、何度も寝てしまったしとても観ていて辛かった。
話の展開がかなりダルい、冒頭からゆるーりとした本当にイタリア感がある様な作品。
またG8も通貨の位置付けも理解できるが、登場人物がややこしく、陰謀がチラチラと見え隠れするのかと思いきやイマイチぱっとしない。
修道士もピンとこないし、告解もなんだかなーってな感じ。一応わかるけど、馴染みのある感じではないのでリアリティーが。
あっちの人が見ればまたちがうのかなー?と。
自分には合わない。
【清廉なカルトジオ修道士、IMF専務理事の告解に静に苦悩する】
“物質主義vs精神主義”を題材に、ドイツの高級リゾートホテルでのG8 先進首脳会議に招かれたカルトジオ修道士 ロベルト・カルス(トニ・セルヴィッロ)が思わぬ事件に巻き込まれていく様子を描いた知的ミステリー。
物語の設定も含め、大変面白い。(何で、G8にカルトジオ修道士が招かれたのかは観れば分かる)
苦悩しながら、修道士が自らの信念を貫く姿勢に頭を垂れる。
ラストは爽やかである。
<2018年5月2日 旅先のミニシアターにて鑑賞>
オリジナリティがエグい。
これは見てもいいと思う。
この知的背景の幅広い取り込み方は、なかなかお目に掛かれないレベル。各ジャンルをさらっと拾う、にしてもそれぞれに繋がりを持たせるには相当の知識が必要。
宗教と経済(金融)というミックスがそもそも個では発想しづらい(作中あるように価値観が違いすぎる)が、さらに展開は風変わりなミステリー。
で、全体を見るとどうも静かなユーモアがあるよう。全然しゃべらない名探偵ポワロみたいな。数式で全部ひっくり返る展開はコメディ。
変な映画かもしれないがオリジナリティがエグい。
精緻な構造を持つ極上のミステリー!
良からぬ決議をしようとしているらしきG8の財務相会議の前夜、国際通貨基金専門理事はゲストの修道士に何を告解したのか?
彼の死と修道士の沈黙が大臣たちを混乱させる。
精緻な構造を持つ群像劇であり、極上のミステリーだ。
ヨーロッパテイストが強いということか、エンターテインメントより芸術...
ヨーロッパテイストが強いということか、エンターテインメントより芸術なのか、当方の宗教への理解不足か、題材は面白いのに、もっと面白くできたんじゃないかな、と思った。
日本の描き方は、あれでいいの⁈
沈黙?
なぜ自殺する専務理事は、修道士、絵本作家、ミュージシャンを呼んだのか?
迷子になる謎の老人?
プール、庭、テラスからの海の景色が美しい。
表情で語るタイプの演技も良かった。
理屈の部分は字幕の日本語がこなれていない印象だったけれど、脚本のせいなのかどうか。
修道士は沈黙しない
主演のセルヴィッロの演技分だけ評価。強い引力を持つ名優だ。
ロケ地も映像も美しい。特に序盤の空港と庭のシーンは秀逸。
ただ脚本はいただけない。
政治や経済の思想を断片的に咀嚼するのでも、物足りない。
まず修道士である必要はなかった。
なぜなら厳格な戒律に生き、思慮深い作家なら、ロシェの招待を受けなかったはずだから。しかもあんな目立つ場所に赴くなんて。
古くからの友人で孤独な人から「私の最期を看取ってほしい」と乞われたなら別だが、まったく説得力がない。
そして肝心の沈黙は皆無。
ただ人を選んで語るのを拒んでいただけで、回想でロシェの告解をダダ漏れさせてるのも、むしろ雄弁だ。
舞台の矛盾や人物の薄さについては、別の方が書かれているので省略。
明らかに不要な役も数人あった。
それと、今どき国のトップが集まる場では、スケジュールはアプリでガッチリ管理してるようですよ。
サルス視点で追うのではなくて、サルスと対峙する者からの視点のほうが、沈黙は描かれたかもしれない。
まあ、途中から喋り出すんだけど。
オーソドックスなヨーロッパ映画
サスペンスと言っても、教養が詰まった静かなドラマでした。
いかにキリスト教がメジャーなのかなど。
この映画を観た人は何を思うのか。
私は綺麗な鳥の声と主役二人の重厚な演技でした。
この修道士は しゃべりすぎる
自分の主義主張が「自分の」主義主張であることを隠すための「隠れ蓑」としてキリスト教っぽさを身にまとい、主張を展開するための「小道具」として修道士を選び、主張を正当化するための「武器」として小鳥や犬を利用する監督の手法に嫌悪を覚える。
監督は某・新聞のインタビューに「主人公として修道士を選んだ」と言っているが、「選んだ」すなわち「利用する意図」が裏目に出て、主人公にはキリスト者としてのリアリティが欠けている。
新聞記事には監督が「特定の政治イデオロギーを主張するものではない」と強調していたとあるが、悪意ある商人ほど「無理に何か売りつけようという気はないから安心してご来店ください」と言うものだ。
この監督の主張の是非はさておき、それが自分の主張であることを隠して(代わりに例えばキリスト教を利用して)主張を展開する手法は卑劣だ。また、自分の考えを正当化するために「キリストはそれを望まれる」的な文言を濫用するのも、もしも修道士が行ったとしたら恥ずべきことだ。また、告解は「生き方について議論する」場ではないし、まして、政治的な取引の場であってよいはずはない。また、葬儀を、司式者(聖職者)自身が天下国家を論ずる場にしてはいけない。
そもそも、財界のトップはこの映画ほど暇ではないし、権力者=悪人=心の中はとっても不幸、などという先入観をもって人間を描いたら、登場人物は息づかない。メイ首相が真夜中にメルケル首相の宿泊先の部屋をノックして「眠れない女どうしでお話しでもしません?」と入ってきて「とかくエコノミストって〇〇な傾向がありますよね~」なんて雑談する、とか、安倍首相が「あなたの気持ちはアジア人の私にはよくわかります」とトルドー首相を慰める、的なシチュエーションは、現実にはありえない(第一、日本人が自分を「アジア人の私」なんて言うか?!)。つまり、「世界経済を動かす各国代表が集まった」という設定でこの映画がスタートした時点で、残りの台本には全て無理がある。
その中でも最も「無理があり」また「有り得ない」のが「しゃべりすぎる修道士」だった(笑)
う~ん…
トニが好きなので見たのですが、物足りな~い!ソレンティーノ監督の映画でのように、饒舌で相手を叩きのめすトニは好きなんだけどな。セルヴィッロに修道士は合わない!世俗のドロドロの中に居てほしい!
職業観
扱っているテーマやその着想は凄く面白い。マクロ経済の大きなテーマにも触れようとしている。金融経済の専門用語も少しだけ出てくる。
が、芸術系の監督にはちょっと荷が重すぎたか? 触れようとしてはみたけど、テーマが大きすぎて処理しきれていない印象。
テーマは巨大だけど、個人の人生観や職業感にフォーカスが当たっている。それはそれで面白いのだけれど。前作の成功で調子に乗りすぎたか…。
職業観にフォーカスするのは前作と共通している。
観る者の教養が試される映画
G8財務相会議の会場を舞台にした、著名銀行家の謎の死。ミステリーの形態をとってはいるが、火曜サスペンス劇場のつもりで鑑賞する作品ではないことをお断りしておく。
世界はいつまで経っても、富める者は富み、貧しき者は貧しきまま、貧困問題は解決しない。世界各国の政治家達が数えきれないほど会合を開き、その道の「プロフェッショナルたち」が対応策を話し合っているにも関わらず。修道士の沈黙は、形骸化した国際金融システムと、事なかれ主義の政治家達に対する失望と怒り、欺瞞に満ちた世界に対する警鐘を意味しているように感じられた。
登場人物の会話は倫理学や哲学の趣きを多分に含み、なかなか歯ごたえがあり、ある意味味わい深い。観る者の教養が試されると言えるだろう。
舞台であるハイリゲンダムは実際にサミットが行われた地であり、ご当地とグランドホテルの美しさも一見の価値あり。
神の声に気付くための沈黙
沈黙の誓いを守る修道士が主人公ですが、思想や哲学や宗教を表現する手段として音楽 絵画の他、数式や経済、運動 食事 セックス、IT技術の使い方、ペットや野生動物との関係性まで会話以上に雄弁な表現が登場して興味深いです。
金融資本主義と神の許し
貨幣は経済の血液という。血液は酸素や二酸化炭素だけでなく、いろいろなものを運ぶ。それで生物の活動や新陳代謝が成り立っている。貨幣も同じように社会の隅々に行き渡り、経済活動を容易にする。物々交換に比べて貨幣のほうがずっと効率的なのだ。
何にでも交換できる貨幣は、たくさん集めることで交換できる物の種類や量が飛躍的に増加する。つまり金持ちの誕生である。そして貨幣を他人に期間を決めて貸し出し、利息を取ることを思いつく。金融のはじまりだ。
資本主義が発達して貨幣に資本という別の価値を生むと、資本が金融と結びついて金融資本主義となる。資本は付加価値を生み出すから、金融は資本と資本、貨幣と貨幣の間を渡り歩くだけで莫大な利益を得ることができる。マネーゲームである。
インターネットを頂点とする通信技術の進化によってマネーゲームはスピードアップしていく。と同時に、金融強者と金融弱者、ネット強者とネット弱者などの要因で、金銭的な格差もスピードアップする。持てる者は格差を固定化して変わらぬ夢を見続けようとし、持てない者は格差を解消する夢を持ち続ける。
持てる者は権力を掌握していて非常に有利だが、数は持てない者が圧倒している。持てる者はいつか滅びるが、持てない者の中から次の持てる者が現れる。それは歴史の通りである。
さて、本作品は格差を巡る覇権争いや権力闘争の深謀が、にこやかなうわべの裏で火花を散らす国際会議の開催中に、利害の外にいる聖職者がどのようにかかわり合うかを静かに描いている。神という絶対的存在に対して人間の価値観はなべて相対的である。今だけ、自分だけ、金だけという刹那的な価値観を修道士から一喝されると、頭脳明晰な出席者たちは、まさに頭脳明晰であるが故に反論の言葉を持たない。
金融資本主義が世界中で固定的な格差を生み出し続ける世の中で、相対的な価値観に倦みはじめるのは、貧乏人よりもむしろ金持ちだ。今だけ、自分だけ、金だけという金持ちに神の許しを与える聖職者はいないだろう。ある意味胸のつかえがおりるような、爽快感のある映画であった。
告解
ドイツのホテルでG8財務相会議が行われる前日に国際通貨基金理事の誕生パーティーが行われ何故か絵本作家やロックミュージシャンやイタリア人修道士が招かれたところから巻き起こる話。
誕生パーティーの後理事の部屋に呼ばれて修道士が訪れると告解を聞くことに、翌朝ビニール袋を頭に被った理事の死体が発見されるというとんでもない展開。
自殺か他殺か告解の内容にどんな秘密が…という展開かと思ったら、あっさりと死因はわかり、G8の会議での審議内容と票の動向を知っているであろう修道士とメンバー達との駆け引きという流れに。
のらりくらりお手本の様なことを言って明確な答えをかわしたりはぐらかしたり誘導したりで、そこに面白味は確かにあったけど、どうでも良かったり余計だったりな登場人物達のキャラ設定が都合良いし煩わしい。
修道士の言動も痛快さや熱さはなく、面倒臭くしているだけで何もなくても結論に影響はなかった様にも感じてしまった。
日本では決して生まれない、極上の社会派ミステリー
キリスト教と経済
幻想の上に成り立っている…かもしれない現代社会へ
唯一鉄槌をおろせるのは
おおいなる存在の「沈黙」だけなのかもしれない
ロベルト・アンドー監督『修道士は沈黙する/Le confessioni』イタリア文化会館で行われた試写会で鑑賞
日本では決して生まれることのない社会派ミステリー映画
私的には かなりおススメの1本♪
一筋縄ではいかない
非常に見ごたえのある
知的でスタイリッシュな社会派ミステリー
修道士が核となる物語なので
キリスト教と経済の関係性が理解できていると
この作品、より深く楽しめる
予告動画を初めて目にした時
修道士と経済 永遠なる矛盾
「水と油」の世界を描く結末がいったいどうなるのか
公開されたら絶対観に行こうと思っていた作品は
今月鑑賞した作品の中(この後にもう1本邦画が控えているけど)で、私のベスト1間違いないと記録しておこう
ヨーロッパの豪華演技派俳優らの競演は
目と思考を楽しませてくれたし
「物質主義vs精神主義」を扱っているのにも関わらず
作家&劇作家でもあり、オペラや演劇の演出家でもある
監督のロベルト・アンドー氏の創り出す映像はとても美しく
終始一貫ミステリアスでエレガント
イタリア映画独特のノスタルジックな雰囲気も漂い
シュールな笑いも忘れられてないところもGood!
出演者のアンサンブルはお見事!
この作品の鍵となる人物
疑惑の死を遂げる国際通貨基金の専務理事ロシェを演じたダニエル・オートゥイユ氏、修道士役のトニ・セルビッロ氏の演技はホント素晴らしかった
映画鑑賞後、この作品のコトを考えると
自然に自己を振り返っていることに気がつく
だから
原題は単数形でなく複数形なんだろうと理解
この日は映画終了後に 監督のロベルト・アンドー氏と小沼純一氏のトークもあり、作品についての多くの話を聞けたのはラッキー
これから鑑賞される方もいるのでこの時の話は投稿しませんが、彼の話を思い返しながら今度は劇場で観直してみようと思う
追記:
今回の試写状の美しさは…群を抜いていたなぁ
これ、手元に残したかったT^T
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