地獄愛のレビュー・感想・評価
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今作も変わらずものすごい
採点3.9
マッチングサイトで知り合った二人の、愛と狂気のロードムービー。
ベルギーの闇その二作目、前作に続いてローラン・リュカが出演しています。
シングルマザーのグロリアがあまりにもチョロくて、恋は盲目とは正にこの事。恋に落ちてからのグロリアの笑顔が素敵なんです。
膨らむ気持ちが抑えられず、子供を預け二人結婚詐欺の旅へ。
ところが自分を見てくれないとすぐに嫉妬に狂い、駄々をこね叫ぶ。
ロラ・ドゥエニャスの演技がまた強烈なんですよ。
激しい嫉妬から一人目を手にかけた時から、もう二人共狂ってしまったのでしょう。
突然のミュージカルの後、全力で始める解体。
全裸キャンプファイアーも強烈だった。
色情狂のミシェルは、止めれば良いのにどうしても手を出さずにいられない。しかも容姿とか年齢とかあまり気にしていないのが、正に色情狂然としています。
グロリアも止めればいいのに覗かずにいられない。そして極度の嫉妬からまた相手を殺してしまう。
ずっとこの繰り返しの旅。そしてその旅の終わり方も潔いくらいでした。
エンドロールがまた不穏で良いんですよね。
「実話に基づく」で、最後にまた驚かされました。
グロリア、「地獄愛」に続きその名前が出てきたのは偶然では無いのでしょうね。
今作も変わらずものすごい作品でした。
変態さんいらっしゃ~い/なぜミシェルは逃げなかったのかを考える映画でしょうか
結婚詐欺師がテーマの話しではなかった。結婚詐欺師の男がマッチングアプリで地雷女に捕まることから始まるお話し。男の過去と女の現在がクロスする点において、子供が一番の犠牲者であることは間違いありません。
実は Helena Noguerra (エレーナ・ノゲラ)目当てで見たんですが、彼女の濡れ場はなくて、かなりガッカリ。主演のどこにでもいそうな一見明るいおばちゃんが実は恋愛(セックス)依存症で、愛≒束縛≒嫉妬の悪女の深情けマックスなお話。多少なりとも経験したことがあるお方は、トラウマをえぐってくれる貴重な映画でもあります。
女の仕事は病院で亡くなった方のご遺体をきれいにする仕事。マッチングアプリで出会った男に対して、あっけらかんと自分の仕事をさらけ出す女。普通、腰が引けてしまいますよね。ベルギーではその専門職の方が実際にいらっしゃるのかどうかはわかりませんが、普通は看護師さんのお仕事。死体処理というと私の年代はつい、大江健三郎の小説、死者の奢りを思い出してしまい、毎日死体を触っている女といたすのに抵抗がない、むしろ惹かれる男に畏敬の念を感じてしまいます。まっ、絶倫変態男としか言いようがありませんが、男は実はドMの毛があったことがわかる印象的な描写もありました。不幸な生い立ちから悪女から逃げられない男の話しかと。男も女もどっちもどっちなんですが、なんか可哀想になりました。
キッチンでの独唱や全裸キャンプファイヤーシーンなどもなかなかかでした。
最後の女、Helena Noguerra (エレーナ・ノゲラ)はいい女でした。ミシェルもぞっこんだったのに、おばちゃんの言うことを聞いちゃうなんて。この話し、実話があるらしいです。まぁ、そうかもしれませんね。現実は小説より奇なりと言いますからね。それと、2006年にサルマ・ハエックとトラボルタ主演で、同じ実話を元にした、ロンリーハートという映画があるみたいなので、見たくなりました。
純粋な愛の終焉
この監督のテーマてある「愛」の掘り下げ方には圧倒される。表面上はキワモノでしかない場所から、聖なる感性の美しさの領域へと鑑賞者を誘い込む。その手腕は全く圧巻である。こういった素晴らしい作品と作家に出会える喜びのために映画館へと足を運ぶのかもしれない。ある特定の人たちを惹きつける日本のタイトル、あえて悪意あるタイトルだと私は言おう。原題のタイトルは「ハレルヤ」。全く嘘のない完璧なタイトルであるにもかかわらず、それを歪める悪どさ。先ず鑑賞者は玉石混交の中から価値あるものを取り出す作業を強いられる。タイトルが作品の一番最初の入り口であるだけに、その作品に敬意をもって慎重に日本語のタイトルを付けてもらいたい。とは言っても、内容の激しさから判断すると陳腐なタイトルを付けるのも分からなくもないが、作品の品格を保つようにはして欲しい。見る人を選ぶ作品だが、内容はやはりとびっきりの美しさだ。狂気と怠惰と性愛と堕落の先にある純粋な愛の姿。そして、愛の魔法が解けてしまった後の現実的な悲しさ。ひとを殺すことさえ厭わない愛の深さは、信じるものへの愛と表裏一体なのである。求道、やり過ぎであり、行き過ぎであり、歪んだ求道精神の途中はこれほどまでて崇高な感情に包まれる。それを上手く描いた稀有な作品である。キワモノのフィルターの向こうにある美しさを鑑賞して、この作品の持つ際立った美しさを堪能出来た今日は全くの好日であった。
愛欲に溺れる女性の嫉妬深さと変貌ぶりに現代の闇を感じさせる一品!!
「変態村」(未見)の10年ぶりの監督作品という事で、ある種のエキセントリックな殺人犯を描いた作品だと思ったのだが・・・・・。実際は現実にも起こり得る愛欲の果ての殺人劇で、かの「ナチュラル・ボーン・キラーズ」等の作品で扱われた愉快犯とはまた違う現代の孤独の果ての闇を感じさせるような作品であった。主人公の女性もより人間味に溢れた設定となっており、ラストの子供への思慕のシーンなどはご愛敬か!?現代の犯罪にこの手の犯罪が少なくない中、インパクトの面ではどうしても物足りなさを感じる作品でもあった。
女の恐ろしい嫉妬心
結婚詐欺の男に現金騙し取られただけで、子供を捨ててまで詐欺師に執着し、次々殺人を犯すのが恐ろしい。
最初に主人公の女を騙す以外、詐欺に関しては描かれてなく、途中sex→嫉妬→殺人の単調な流れに疲れて寝てしまいました。
もう少し事件の全貌を描いてほしかったです。女の狂った嫉妬心しか見えてこなかった。
男の方には騙した女の娘までを殺す無情さがなかったことがせめてもの救い。
中年女性の執着が凄まじい
サイトで知り合った詐欺師にハマり、一緒に女性を騙し殺していく女性の物語。実在の連続殺人カップルを題材にしてるってことだが、中年女性の執着を描いた映画という印象だ。
嫉妬にかられ殺人を繰り返していく姿はさすがに恐ろしかった。ただ、彼氏にハマるプロセスがよくわからないし、殺人を止められない彼氏の行動も疑問が残る。途中、意味のわからないミュージカルシーンも出てきたりするし、とにかく映像が古かった。
異常愛から地獄道
騙されてるのはわかるでしょ?
でも不思議なのは、ときめいてる事。
下田逸郎さんの歌がよぎってしまいました。
女は恋すると輝きますよね。
それこそ不思議なくらい綺麗になる。
この女主人公グロリアがまさしくそう。
最初は子持ちのくたびれた感じの女だったのが
そうじゃなくなる。
愛の力って、なんなのよ、
それからひとつ驚いたのが、殺される女性のひとりが
「変態村」のDVDに入ってる短編映画
「ワンダフルラブ」(私の大好きな映画)
の主人公ララさんでした!
これは確証ではないのですが
多分そう、いや、絶対そう、かも?
横顔がそっくりでした。
ずいぶん歳取ってたかんじはしましたが・・
今度は、肉屋の男の子も見たいなぁ。
強烈な気持ち悪さ
ミシェルを愛するあまりすぐ癇癪を起こして暴れ、金を巻き上げる役目も忘れて女を殺しちゃうグロリアがもうトラウマレベルで気持ち悪くて恐ろしかった。
行動を文章にしても別にスリラーにありがちな殺人女だなーくらいに見えてしまうけど、
あの狂気を孕んだニコニコ笑顔や異常な空気がスクリーンからビンビン伝わってくるのでこちらは鳥肌立ちっぱなしだった。
役者の演技と演出、顔面アップ多めのカメラワークや音響と音楽も効果的でかなり不快な気分になる。
なんだよあの全裸キャンプファイア!!怖いよ!!
突然のミュージカルもキモいよ!!
けど嫌いじゃないよ…
グロリアの歪んだ大きな愛とは対照的に睡眠薬を使ってまでたくさんの女と肉体関係を持ちたい性欲馬鹿のミシェル。
最初は金目的でヤリ捨てしてやろうくらいの気持ちだったはずのミシェルが最後完全にグロリアに食われてるのが面白かった。
出てくる女がことごとく熟女(というかババアに近い)で、その崩れた肉体と目を見開いた皺くちゃの表情を執拗なくらい生々しく見せてるのがまた気持ち悪かった。
ストーリー自体に引き込まれるような魅力はないものの、グロリアが強すぎて凄いもの観てしまった…という強烈な印象になる。
吐き気もするけど結構楽しめた。
ただ、二ヶ所出てくるボカシはかけないで欲しかった。生で写して欲しかった。
現代ベルギー版
ベック&フェルナンデスを題材にしてはいるけれど、グロリアはただの情緒不安定で嫉妬狂いの殺人鬼にしかみえないし、組んで金が手に入る描写がなくて詐欺師カップルの様相なし。
実際の事件や同題材の他作をしらない人は楽しめるのか?
それにこの流れだと最後はグロリアに鉈が振るわれるのが自然じゃないか?
それなりには楽しめたけど、展開に色々と疑問が残った。
全部のせ
大胆な省略、生々しい演技。そしてブレインウォッシュな音と光で綴る愛欲の万華鏡。
熟れすぎた女、本能のままに生きる男。いつしか捕食者と獲物の立場が逆転していく。
強烈でグロテスクな画と観客をも引き摺り込む心理描写。精神的にきます。
「ミザリー」のキャシーベイツを上回るロラドゥエニャスの鬼婆ぶりにきん○まが縮みました。
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