劇場公開日 2017年12月23日

「赤い付箋をつけてる女には気をつけろ!」勝手にふるえてろ ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0赤い付箋をつけてる女には気をつけろ!

2019年6月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

興奮

なんじゃこりゃ!!

良い意味で圧倒された(笑)

綿矢りさの回りくどい脳内小説を、よくぞここまでリアルに再現したこと!

長回しの撮影と、細かな演出。

そして何より、松岡ちゃんの素晴らしい演技力があってこそ完成された映画。

特にこのヨシカの世界は、松岡ちゃんじゃないと上手くいかなかった可能性大!

あの悪魔的なマイナス思考と、自己中丸出しの行動力に、観ているこっちは興醒め…。

それでも、彼女の姿を追いかけてしまうのは、可愛さと、その真っ直ぐな思考能力の賜物。

次に何をするのか分からない、猪突猛進な性格が観る者を釘付けにさせる。

何か中毒的な者を感じさせるこの世界。

一という妄想王子と、二という現実の世界のバカ男。

どちらもかなり変わった男。

一はかっこいいけど、何考えてるか全然わかんないし、人としてデリカシーない。

なんでこんな男のこと10年も思い続けているのか…?

ヨシカのことをずっと好きでいる二のバカすぎる行動も、観ているこっちはドン引き…。

感情のままに行動しすぎて、ついていけない。

一にしても二にしても、ヤバい男を好きになるヨシカは、相当ヤバい女。

そもそも、ヨシカが変わってるから、もう全てが狂って見えるという(笑)

互いが狂った者同士だから、共感できるものがあるのかもしれないけど、どちらにしてもみんな最悪なやつばかり。

二とあそこまで進展できたのも、ある意味似た者同士だったかなのか?

こうして、ヨシカの妄想の世界と現実の世界が入り乱れ続けた世界に最後まで混乱したけれど、ラスト10分に全てが集約されている感じ(笑)

松岡ちゃんのあのムスッとした表情が、たまらなく愛おしく感じてしまったラストは一体何故なのか?

そして、あのラストの長回し隠されたものは、愛情をも超越した感情の爆発でした。

ボッカーン!

…勝手にふるえてろ。

終わり。

ガーコ