「プロット、キャラクターとも楽しめる良作」人生はシネマティック! odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
プロット、キャラクターとも楽しめる良作
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映画の中で映画作り、しかも軸となる脚本家の話を描くのは難しい、そこで劇中の映画を戦意高揚映画、主人公を俄か作家とすることでハードルを下げたのだろうか。「なぜ映画に惹かれるか・・」とか「生は死に支配されてはならない」とか珠玉のセリフ、劇中映画の中でもエンディングにこだわるのだから本編でもありきたりは許されない・・、Wアクシデント、男運の悪さと引き換えのような恵まれた才能、仕事運でバランスをとったのは好みの分かれるところだろう。情報省のお目付け役ソフィー(ヘレン・マックロリー)が「次の映画はハッピーエンドよ」と念押しするのも自虐的で笑える。後から思えば旦那をヒモのように見せていた意味が理解できた。ダンケルクの話はノーマン監督の作品を観ていたので理解が早いし検閲ものは三谷さんの「笑いの大学」でも観ていたので理不尽さと上手い切り抜け方の綾は同質の妙味だった。イギリス人らしいアイロニーやライトコメディ仕立てなので戦時中の悲壮感は余り感じられず、テーマの女性復権的なものより映画づくりの面白さの方に目が奪われた、女優陣も良かったが劇中の老優ヒリアード(ビル・ナイ)の存在感、歌も良かった。プロットもキャラクターも面白い映画は希少、有難い。
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