劇場公開日 2017年7月29日

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「可愛い生霊に導かれて」ワン・デイ 悲しみが消えるまで バラージさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 可愛い生霊に導かれて

2025年7月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

癒される

カワイイ

ヒロイン役のチョン・ウヒ目当てで観た映画。生霊が出てくる映画だが素っ頓狂な娯楽映画などではなく、お話自体は実はかなり地味なヒューマンドラマだ。静かに、ある意味淡々と話が進んでいく。その雰囲気がすごく良い。夜のバーとか夜明けの海辺の映像も心をわしづかみにされたし、静かに流れる音楽の趣味もいい。ストーリー展開、映像、音楽、俳優陣の全てがとても良い小品の佳作だった。

まず主演のキム・ナムギルの演技が素晴らしい。妻を亡くした痛みから立ち直れない空虚感と、チョン・ウヒ演じる少女の生霊との出会いから彼女の人生に触れることによって主人公の中の何かが変わっていく姿を繊細に丁寧に演じていた。そしてチョン・ウヒももちろん良かった。生霊になることによって初めて目が見えるようになった視覚障害者の女の子を可愛らしく演じるとともに、幼い頃に親に捨てられ天涯孤独な身の上の少し孤独な感じをも絶妙なさじ加減で演じている。さすが演技派。彼女が演じる少女の生霊がとにかくめちゃくちゃ可愛く見える。というかチョン・ウヒ自身がもちろん可愛いんだが、彼女の演技力がそれを倍加させている。

ただ、ラストだけは賛否が分かれそう。そういう終わらせ方なのかと思うと同時に、じゃあ他にどうすれば?という気もする、なんとも心に残るラストでした。

バラージ