氷の上のふたりのレビュー・感想・評価
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北極の天使
カナダのマニトバ州チャーチルと思われる極北の町に迷い込んだ白熊親子、母熊は捕えられ町から遠く離れたレゾリュート島に移送される。小熊を納屋で見つけた少年ルークは母熊のもとに返そうと単身スノーモービルで島に向かうが・・・。
プロット的にはE.T. go homeのスピルバーグさんやディズニーが創りそうな小熊と少年の極寒のサバイバル・アドベンチャー映画です。
映画は共同監督のイタリアのブランド・クィリシさんがナショナル ジオグラフィックやディスカバリー チャンネルのために北極圏で何年も働いていた折に思いついたそうです、映画化にあたり米国のプロデューサー、ジェイク エバーツさんがプロデュースに当たりましたが製作開始直前に亡くなりました、クレジットで追悼の辞がでましたね。
大人たちは右往左往するだけなので添え物、主役は小熊のピズー(Pezoo:イヌエット語で漂流者)でしょう。クレジットにありましたがピズーは中国の天津海昌 極地海洋ワールドで2012年の暮れに生まれた小熊、特別機で中国からカナダに運ばれ名白熊トレーナーのマーク デュマさんに預けられ、子役のダコタ・ゴヨさんと共に慣らされました。小熊は成長が速いので撮影は32日間で行われたそうです。
少年と小熊物語ですから素直に感動すべきですが、白熊、特に子づれの熊は超危険とか、ペット感覚で野生に干渉すべきではないとか厳しい見方もあるようです。日本でも里に降りてきた熊による被害が報道されていますから一理あるのは承知です。また、大人が分かってくれないからといって無謀過ぎる行いは危険極まりないのも事実、地図で見るとチャーチルからレゾリュート島までは1000km越えですから助かったのは運が良かっただけでしょう。その辺は保護者の方が気配り役を担ってくださいね。理屈はともかく心温まる映画でした。
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