全員死刑のレビュー・感想・評価
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所謂『DQN』
フィルムノワールの体裁を帯びているが、実は笑いの要素も組み込まれている作品である。とは言ってみたものの実は正直、評価に困るバランスのあやふやな内容でもあった。
今作品も原作があり、その原作も実際の凄惨な事件がベースになっている。事件自体もとても人間じゃない所業なのだが、その鬼畜な連中の演出、描写があまり上手く行っていないのではと感じた。それはキャステイングのせいなのか、構成のせいなのか、そもそものテーマへのアプローチのせいなのか、素材が映画的でセンセーショナルなだけにそのギャップに心の落とし処がみつからないというのが今現在の自分である。
それぞれのキャラは立っているし、演技が悪い訳ではない。でもなんとなくシーンを通じて感じる浮遊感というか、摑み所のない空虚感が狙ったモノなのか、それともテーマへの追求不足、バックボーンの浅さなのか、それを説明できる能力が不足している自分なので、もしかしたら観る人間を選ぶ作品なのか、考えあぐんでしまう。事件が忠実なベース故、その結末もバレてはいるので、多分キモはどうしてこういう人間の皮を被った悪魔達がこの世に存在しているのかという疑問を観客にプレゼンスすることだと思うが、絞首の際の失禁や目玉が飛び出る等のリアリティを演出することの意味をもって、そこに結びつけることが難しい。被害者も加害者も大変近い、最狭な世界の中での最恐の出来事を、もっと深層心理を抉る造りを期待したのだが・・・
話は変わるが、主人公の兄の女役の女性のキャストクレジットが探してもみつからなかった。何か理由があるのだろうか?なかなか演技良かったのだけどね。あれで、ヌードシーンがなかったのも不思議だが・・・
テンポが、、
白石和彌監督作品的なのは求めず、どうぞ
大牟田4人殺害事件
2004年に福岡県大牟田市で実際に起きたヤクザ家族による殺人事件を、犯人の一人である元力士の次男が獄中で書いた「我が一家全員死刑」をモデルにした話。
実際の事件はニュースやワイドショーからの知識のみで、手記は知らずに鑑賞。
何とも不快な実際の事件を少しポップにみせており、恐くはあるものの重さはない。
何とも奇妙なテンションだけど、シリアスに傾倒し過ぎないのもある意味リアルだしね。
狙い過ぎてまるで笑えないシーンもあるけれど、作品を明るくする要素としては役立っていて悪くはないし、そんなシーンとちょっと生々しい描写のギャップがなかなか良かった。
ただ、公開初日…理解出来ていたら笑うところでもないのに笑ったり、わざとらしくデカい声で笑う人が多かったのが迷惑だった。
ぶっ殺う
怖かった。すごく疲れたし、ものすごく重く、ただ、殺人者の怖さとか恐ろしさだけじゃなく弱さとかぶっ飛んだ面白さとかそういうのがバーーーッってなって余計に疲れた。見なければよかったとかの疲れたじゃなくて、いい意味ですごく疲れました。ただこの重たい内容の中でも思わずふふってなってしまうようなところだったり、映像が、すごく面白かったなと思いました。エンターテイメントでした。小林監督、ぶっ飛んでました。でも、今だからこそ、このような実話を基にした、作品を撮ってくださった監督に感謝してます。そして間宮くんを選んでくれて間宮くんがタカノリを演じてくれて本当に良かったと。タカノリの家族への思いとかから、狂った姿、圧倒されっぱなしでした。人を殺すときの目だったりは、指示してる兄よりもやっぱり強く感じてでも、どことなく弱さがあって、でもどんな状態でも怖くて。本当に観て良かった作品でした。
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