「イメージが変わった・・・」エジソンズ・ゲーム odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
イメージが変わった・・・
発明王エジソンの伝記は幼い頃に読んだがその頃は小学校を退学になって母親の教えで育ったことの方に驚きをもっていた。子供のころから商売熱心で列車で手作りの新聞を売っていたり15歳の頃には駅で働くようになり電信を学んで定時電信機を作ったりしていた。もっともこれは夜勤で寝てもいいようなさぼりの為の発明だったらしく御咎めを受けて駅員を止めている。発明の知識は図書館通いで独学で習得しているのだから名言にあるように努力の天才ですね。22歳の時に改良発明した株価電信印刷機ストックティッカーの特許で4万弗の莫大な利益を上げ発明に一層邁進する。
映画はエジソンの伝記ではなく長じてから、JPモルガンの資金援助で電灯会社を立ち上げるようになりウェスティング・ハウスとの電流戦争(原題のThe Current War)を繰り広げる様を綴っている。
まさか電気椅子に関わっていたとは驚いた、どこまでが真実かは分からないが余りにも独善的で偏屈な人物に描かれているのでこれまでのイメージが壊れてしまったのは残念。
天才テスラをないがしろにしたのは大失敗だと思うが部下には後に自動車で大成したフォードもいたのだから人を観る目が全く無かったわけでもあるまい。
うがった見方をすれば映画業界はエジソンの特許料徴収や訴訟などで疲弊した歴史から辛辣なビジネスマンとしての側面も描きたかったのかも知れませんね。本作はトロント映画祭に出品されたハーヴェイ・ワインスタインのバイアスがかかった作品から追加撮影や再編集されたディレクターズカット版のクレジットがついています、トロント版は不明ですが悪名高いワインスタインの描いたエジソン像がどうだったのかちょっと気になります。