ゲット・アウトのレビュー・感想・評価
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時代を象徴するホラー
ドナルド・トランプが大統領になって以来、アメリカはどこかおかしくなったと思っている人は多いのではないか。大統領としての重みどころか人間としての重みにさえ欠ける彼の言動は、世界の暗憺たる行く末を明示している。
しかしアメリカの有権者が彼を選んだのは紛れもない事実。世界の未来や自分の将来をトランプに賭けたのだ。彼が大統領になって喜んでいる人もまた、沢山いるのだ。特に白人至上主義者たちのはしゃぎようは尋常ではなく、KKKの衣装を臆面もなく被り、昼間から怪しい儀式をしたりする映像は何度もニュースで流れた。
民主主義は多様性を認めることを基本とする。認めないのは全体主義で、画一性をよしとする。軍隊の一糸乱れぬ行進を満足げに閲兵するのが典型的な全体主義者だ。金正恩やアベシンゾウ等々、世界は頭のおかしい連中で満ち満ちている。
そう考えると、この映画の登場人物たちはそれほど珍しい存在ではなく、人物造形にはあまり想像力を必要としないのかもしれない。作品の下地となる状況はすでにある。
主人公は無辜の国民である。一部の特権階級のために国の指導者層が国民から何もかも取り上げる。
有名俳優も出ておらず、予算もあまりかけていないようだが、プロットを工夫したとても面白い作品だった。時代を象徴するかのような映画である。
不穏
なかなか楽しめた。
適度にドキッとして、ドキドキしてハラハラする。
転生になるのかな?
他人の体に自分を移植するってのが、話しの根幹にあるのだが…それをバラすまでの前振りが、真綿で首を絞められていくようなジワジワ感が強い。
小出しにされる伏線だったりはするのだが、正直すぎて一本調子感は否めない。
なんかミスディレクションのような、不協和音を入れても面白かったんじゃないかと思う。
ただ、この一本調子感にも飽きなかったのは、俳優陣の演技力が高かった故だ。
主役もさることながら、メイドの女性の人なんかは凄まじく…言いたくても言えない。抑圧されコントロールされてる自らを、見事に表現してた。
あのカットにアカデミー助演女優賞を進呈したいぐらいだ。
彼を誘惑し罠に落とす彼女役の人も見事だった。これは監督の意向もあるのだろうが、俺は彼女も催眠術の犠牲者だと思っていた。
今作品、B級の匂いをまといながらも、役者陣は超S級だった。
監督の演出力も高かったのか、意図が的確に伝わっていたように思う。
脚本の構成は漫才のようで、前半小出しに笑わせて、後半怒涛の如く畳み掛け大爆笑みたいな感じ。
それをホラーに置き換える感じ。
笑いのようにボルテージが上がっていく事はないが、奥底に流れる緊張感が途絶える事はなかった。
実際、笑えるシーンも挿入し、観客の肩の力を抜けさせる…いや、油断させるところなんかは、抜け目がない!
小憎たらしいことこの上ないw
科学的カルト
科学的カルト。『私が生きる肌』のようにおしゃれかつ、科学的なカルト。最初は完全にギャグ映画かと思いきや、途中からずっとガクブルでした。もともと誰が洗脳を始めたのか謎。全員が催眠にかかっているのか、誰かが催眠をかけてコントロールしているのか、それともみんな狂ってるのか。どこまでが催眠でどこまでが狂気なのかわかりません。怖。
黒人はこう見られている
一口に黒人といっても、顔つき、体つきはさまざま。男でも女でもぶさいくなのからグッドルッキンまで幅は広い。
さて、本作。お世辞にもかっこいいとは言い難い黒人男がいかにも東部エスタブリッシュメントの血を引くような白人女と恋人関係となり、彼女の実家に行くが、そこに待ち受けていたのは…。
ポリティカル・コレクトネス全盛の時代ならこんな作品は作れたのか、公開できたのだろうか。町山智浩はこの作品に言及してる? あ、調べたら宣伝のお先棒担いでるな、当然だが。
女が黒人男好きで彼を恋人にしたどす黒い背景、そして意外な結末などは見てのお楽しみだが、米国社会での黒人の置かれる位置がわかった次第。
白人が有色人種をどう思っているか。
口に出さないでも、顔にでる本心。
我々日本人が在日を見るのとはまた違う差別感なんだろうが、差別は永遠なくならない。
意外な結末は、僕には面白かったし、ある意味スカッとさせられる内容。
自分も敗戦国の有色人種だからね。
題材も料理次第で
他人の精神を乗っ取るという、題材はよくあるがホラーにすると怖いですね。どちらかとうと、精神的に攻めてくるタイプ。不気味な演出でハラハラしました。黒人の黒人らしさ(これも差別的だが)といったアメリカ人にしかわからない部分もありましたが。しかし、黒人差別があるなら、若い白人を乗っ取ればいいのに。まあ、ホラーにありがちな後味悪いラストでなくて良かった。クリス君まず催眠を解いてもらわないといけませんね。
もっかいみたい
恐い作品
何かが変、全部を疑え。
彼女が一番怖かった
メイドのNo No,nonononoに字幕を付けなかったのが上手いなと思いました。ホラーものなので、やっぱり全体的には怖いんですが、ストーリーが巧みなので、怖い以外の面白さがありました。親友の航空警察は何者って感じだし。彼女が初めと終わりで全然の別人みたいで、ここが一番怖かった。
GET OUTの意味
「ジャングル・フィーバー」?
アメリカでは、製作途上、特に話題になることもなく、公開して評判が高まる新進気鋭の監督作品が時々現れる。本作もそんな1本である。
ホラーテイストで人種差別をテーマにしたということで評判が高かった。
本作は、ホラーでもないし、人種差別を前面に押し出している作品でもなかった。
クリス(ダニエル・カルーヤ)が巻き込まれる不可思議な出来事を描いている。
ジョーダン・ピールはコメディアンということだが、映像感覚は秀でたものを持っている。脚本も自分で書いていて、今後コンスタントに作品を発表できれば要注目のフィルムメーカーになるであろう。日本にもコメディアンで世界的な映画監督になった北野武という例もあることだし。
もつべきものは、やっぱり友達、かな?
これは良い
「どうもなんかおかしい」って話が続いてくのね。まあサスペンスだと思って観てるから「これは、主人公の恋人が実は悪い奴だ」とあたりを付けてんだけど、その通り。
そこから「どうすんのかなあ?」と思って観てたら、やっつけてったね。そこは意外だった。そんな直接的にやっちゃうんだって。
他人の体を乗っ取るのに脳を手術するっていうアナログ感が良かったな。いまなら「脳内データをデジタル化して」とかコンピュータ使いそうなもんだけど。
それで、元の意識が一部残るからおかしな反応が起きるところがあるとか、辻褄がビシッと合ってる設定が良かった。
それにしても、主人公、写真撮って送っといて良かったよね。
上々でした。
ビンゴカードがどれもハズレなしでビンゴになってる所で「ええっ?」となってそこから無言で「落札」するまでのシーンにしびれた。ほぼ構図が見えた瞬間だった。恐るべき秘密結社の目的が'70年代らしきビデオ映像で創設者によって語られるシーンも秀逸(この創設者が今も恐ろしい方法で生きていたわけだが)。昔のCMのような映像でアメリカの片田舎ならありそうな雰囲気が漂う。しかし最も凄いと感じたのは、女性の使用人が主人公のスマホを触った理由を説明に来て、主人公の問いに混乱する様を表情だけで見事に演じて見せた所。かなりアップでスクリーンに大きく映し出されていて、不自然な笑顔、涙、悲しみ、また笑顔と次々表情が入り交じる難しいシーン。秘密が明らかになるとこの表情の意味が分かるのだが、凄すぎる。この人にアカデミー賞あげて下さい! それと、この秘密結社の餌食となった場合の怖さといったら、まさに生き地獄に落とされるわけで本当に恐ろしい。くだんの女性使用人の涙もそのせいであったと分かると胸が苦しくなるほど。
かなり精神的に揺さぶられました。キレのいいサスペンススリラーでした。
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