「黒人は、産まれ持って生涯変わらないという筋肉を組成するエレメントの“数”が多いらしい。」ゲット・アウト kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
黒人は、産まれ持って生涯変わらないという筋肉を組成するエレメントの“数”が多いらしい。
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純粋にストーリーが奇抜で面白い。
アカデミー賞で作品賞・監督賞にもノミネートされ、脚本賞を獲得している。
白人が黒人の丈夫な肉体を求めるという捻った設定。
脚本でオスカーを獲ったということは、日本語字幕では読みとれなかったウィットや風刺か散りばめられていたのだろう。(と、想像するのだが、私にはそれを評価できる知識がない)
前半はサスペンス調で、恋人一族の計画が明かされる終盤がホラー色となる。
謎めいた前半部分の方に無気味さがあり、終盤はむしろ恐くはない。
精神科医(のはず)が脳移植の手術を行う場面などは笑ってしまう。鹿を嫌っていたから鹿の角で刺し殺されるというジョークもある。
囚われた主人公がソファーを爪で引っ掻いて綿を出すことはできるだろうが、それを耳に詰めて栓にするのは無理がある。これもジョークだろう。
事件性を感じた主人公の親友が刑事に訴える場面に象徴されるように、全体的には風刺コメディの意味合いが強いのかもしれない。
“乗っ取られた黒人”は3人しか登場しない。
恋人が他に何人もの黒人男性を罠にはめてきただろうことが写真で見せられるが、あの黒人たちはどこかで別人格として生活しているということか。
祖父母を移植した黒人2人が使用人のままなのは主人公を騙すためだったのか。
恋人一家が全滅しても、黒人の体を求める一族は残り続ける。順番待ちしてた者がいるはずだから、その内の誰かが協力する医師を見つければ続けられる…と考えると恐い。
恋人役のアリソン・ウィリアムズと、使用人を演じたベッティ・ガブリエルの演技が作品の雰囲気を盛り上げている。
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