「とりあえずファンは泣くしかないですね」劇場版 Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 雪下の誓い 伊藤健人さんの映画レビュー(感想・評価)
とりあえずファンは泣くしかないですね
これまで書かれたレビューを見れば分かると思いますが、プリズマイリヤを見ていない方には文脈も脈絡も一切理解できない、原作を知らない方はキャラクターごとの背景すら分からず制作陣の空回りにしか見えないような映画です。
だがそれでいい。
まずそもそも、この映画のメインターゲットはプリズマイリヤのファンを対象にしていません。むしろプリヤシリーズのみを見ていた方は完全に切り捨てているように思えます。
劇場版でスポットを当てているのは、
美遊の兄である衛宮士郎はどのようにして美遊だけのヒーローになったのか
ということに尽きています。
つまり漫画、アニメの制作陣が全作を通して「衛宮士郎が、英霊エミヤが報われるifストーリーを作りたい」というテーマを完遂したのが劇場版プリズマイリヤではないかと言うのが個人的な感想です。
クソ泣けた。
ですから、本作品はプリズマイリヤという作品の完結作という意味は無いように思います。
むしろプリヤ原作、アニメ制作陣の自己満足(staynightの二次創作)の締めくくりとして見た方がよほどしっくりきます。
最高でした。
Fateシリーズは積み重ねの多いコンテンツですから敷居は高くなってしまうかもしれません。
ですが原作をプレイした方には、士郎の決断の重さという部分だけを見ても大きな感動を感じられるものだと思います。
劇場版しか見ていないという方は原作と言わずにウィキペディアの記事だけでも調べてみて下さい。
きっと全く違うものとして見えてくると思います。
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