劇場公開日 2018年11月1日

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「☆☆☆★★★ 原作はシリーズ物の為に、鑑賞前に全てを読み込むのは諦...」ビブリア古書堂の事件手帖 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5☆☆☆★★★ 原作はシリーズ物の為に、鑑賞前に全てを読み込むのは諦...

2018年11月6日
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☆☆☆★★★

原作はシリーズ物の為に、鑑賞前に全てを読み込むのは諦めていた。
予告篇でのキーワードで有る、【太宰】や【晩年】を基に原作本をペラペラっとめくっていたら。どうやら第1巻目にあたる本だけを読めば事足りるかも?…と。第1巻のみを読了する。
故に読了済み(実に姑息(¬_¬)簡単に。

映画が始まって直ぐに、「あ?これは原作ファンが激怒する案件だ!」とゆうのが分かった。

何しろ、原作は4つの話を繋いで構成(1つ1つは単独の話だが)し、事件を解決する事になっている。
それなのに、第1話を僅か20分足らず。第2話と第3話を、僅か5分足らずに終了させている。
それによって、第2話に登場する魅力的なキャラクターで有る志田を稲垣とゆう名前にし。更には笠井とゆうキャラクターと合わせた事で。結局この男=★◉◎▲となってしまう事が決定!
栞子は杖は有るものの、普通に歩いている状態。
そりゃ〜「こんなの原作テロだ〜!」…となりますわな(^_^;)
更に、原作には出て来ない恋愛秘話を大胆に描き。その部分が作品の凡そ半分を占める。

「想像するのが良いんだ!」(原作を勝手に変えるな)って意見と同時に。
「映画だからこそ大胆な脚色もまた良し!」って意見。

どちらも分かるっちゃあ〜分かる。
因みに私は、この作品に関して言えば後者ですね。
原作を読んだ時に。クライマックスでの犯人との絡み合いで思ったのは!

「警察を呼べば簡単に終わる話だよね〜!」…と。

まぁ、大胆に改編した映画を観終わった今でも…。

「警察に相談しろよ!」…とは思っちゃいますが(¬_¬)
それじゃあ映画にならん!っては分かるんですが。
その辺りと共に、終盤のドタバタ等は。原作を読んだ時同様にどうしてもスッキリいかないところでしょうか。

但し、原作ファンならば激怒するであろう。映画オリジナルの、東出・夏帆の恋愛秘話を描く過去パート。これがとても良い。
祖母がひた隠しに隠していた、太宰治の「晩年」に絡むこの恋の行方。
おそらく太宰の諸作品の幾つかが、この話の中には潜んでいるのかも知れない。
残念ながら太宰には疎いので、何とも言えないのですが。
演出も実にしっとりと落ち着いており。東出&夏帆の2人による、哀しみと憂いを漂わせる演技とクラシカルな趣きと相まって。原作に無い魅力に溢れていた。

映画の最後に大輔が栞子に言う。太宰の小説に有る一文。

原作には無い過去パートが有る事によって。本を読めない大輔は、本の虫で有る栞子によって。そのまま祖母の人生を体現する事となり。その際に、原作では栞子は年上の為に。恋愛物語としては成立しずらくなっているのだが。この実写化によって、祖母の恋愛が成就する可能性を秘めていた。

「わたしには貴方存在が必要なのです」

2018年11月5日 TOHOシネマズ日比谷/スクリーン9

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松井の天井直撃ホームラン