劇場公開日 2017年11月25日

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「理解と、共感と、違和感と。」最低。 しいらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0理解と、共感と、違和感と。

2017年12月7日
iPhoneアプリから投稿

先が見えなくて人生が停滞してしまったように感じることは誰しもある。そんな時にとりあえずの現状打破としてAV業界に入っていく人もいるのだとこの映画は教えてくれた。演技の素人でも最初から主演女優になれるから承認欲求も満たされるし、お金も貰えるわけだから、AVに出るというハードルを越えられる人にとっては、魅力的な仕事なのだろう。大半の女にとってはハードルどころではなく断崖絶壁に見えると思うけれど。

同性である女性の視点から描かれたAV業界ということで観てみたが、彼女たちの選択に共感はできないまでも理解はできたように思う。道に迷ったときその場に蹲る代わりにとりあえずそっちに行ってみた、手を引く誰かがいたり、当てつけたい相手がいたりしたから。そこで「成功」する人もいれば脱落する人もいて、自分の選択であるなら責任は自分で取ればいい。大人なんだから。

でも娘を持つ母親として、釧路から飛んできたあのお母さんには共感した。娘がついに決壊して泣いたとき、やっとこの子を取り戻したという満足と安堵の笑みをあの人は浮かべていた。唯一涙が出たシーンだったが、母親という存在の恐ろしさを感じもした。

高校生の祖母、母との女三人の人間模様についてはなぜかあまり心に響かず。三人の誰にもあまりリアリティを感じられなかった。結末の異母姉妹の邂逅についても話を作り過ぎた印象。ラストシーンは良かった。

しいら