火花のレビュー・感想・評価
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うーーーん
キャストのファンにはたまらない感じに仕上がってると思いますが、又吉の丁寧な言葉遣いによるひとつひとつの大切な表現が、うまく描ききれてないように感じました。
なんで引退の話は最後の漫才のあとにしたのか、なんで最後の漫才を神谷さんは見てないのか、展開に膨らみのないその二点の改変はとても気になりました。
あれじゃ神谷さんは自分の再起に徳永を利用しようと、必死に説得してるようにさえ見えました。
ほぼドキュメンタリー
あまりにリアルでした。流石は、芸人が書いた原作を芸人が監督した映画だと思います。 ただし、リアル過ぎて笑えないです。 僕も元芸人として、アルアルの連続でした。というか、アルアルしかありませんでした。 映画を観ていて「それはないわ」が、まったくなかったです。 公園で、ネタ合わせをしていて、周りは子供連れのお母さん達がいる。同じ人間が、同じ空間にいるのに、自分達が置かれている状況にとてつもない差がある。 「この生活に耐えれる自信がないねん」 まさにこのセリフに、売れる、売れない、辞める、辞めないの答えがある。 辞めていった芸人の大半が、漫才や、芸に負けたんではなく、生活に負けたのだと思います。 僕が辞めた理由も、これでした。 その後の人生で、確かにずっとモヤモヤしていました。違和感のある生活をしていました。 でも、最後の神谷の言葉で救われました。長年の霧が晴れました。清々しい気持ちで、仕事に励んでいます。 これから、芸人を目指す人、芸人を辞めた人には絶対に観て欲しい映画です。 只々、お笑いが好きで、エンターテイメントで観に行こうとされてる方は、気持ちを切り替えて観られた方がいいと思います。
ドラマであり、笑いは無い。と思えばそこそこ。
原作は読んでいないし興味もないが、ビートたけしの「浅草キッド」の歌詞のストーリーをそのまま薄ーくした感じのお話。キャストの演技も演出もよかった。が、やはり板尾には脚本と監督両方は荷が重いのか、やっつけ感満載。
いまいち残念。
私のお笑いの感度が悪いのか、、、いろいろな笑いのシーンがわからなくてついていけなかった。まず始めになぜトクナガが神谷にゾッコンになったのかも全く理解できなかった。要するに、この話で一番大事な神谷の破天荒なお笑いへの情熱みたいなものが全然感じられなかった。桐谷は好きなんだけど、演技が今一つ、、、なんであの演技でOKが出るのかなあ。先輩芸人にはもっと暴れて欲しかった。解散してしまったトクナガのほうがよっぽど笑いに対する愛が感じられた。残念ながら消化不良です。
男にしか分からない、「もがき」って羨ましい。
菅田将暉さんの神がかった演技力に、今回も見事に心臓を鷲掴みにされました。 今回演じたのは、売れない芸人「徳永」。 カメレオン俳優という名に相応しく、ダメ芸人の姿を見事に演じています。 先輩芸人の「神谷さん」に憧れと嫉妬を抱きながら、自分なりの芸で粛々と勝負する姿は本当の芸人のようです。 タバコをプカプカ吸いながらネタ帳の前で思案する姿、相方のダメ出しをする姿、売れなくて途方にくれる姿、全てが売れない芸人「徳永」そのものでした。 やってもやっても上手くいかず、笑いながら苦しみながら、もがき続けた10年間。 続けるか、辞めるか、その葛藤の中でお笑いそのものと真剣に向き合い続ける苦しさがドーンと胸に突き刺さりました。 菅田将暉さん=徳永でなければならないと感じた2時間でした。 途中、涙を流さずにはいられなくなるような、素敵なシーンもありました。 涙をだらだら流しながら、必死に舞台に立ってコントを続けるシーンは圧巻の一言。 徳永の芸人最後の人生に、拍手を送りたるなる、魂の叫びを感じた演技でした。 もちろん、桐谷健太さんの演技も素敵です! 先輩と慕われ、常に面白い自分を見出してきた「神谷」の姿。 始めは純粋に笑わせることそのものを楽しんでいたはずが、徐々に「笑わせなければならない」という気持ちが自分を襲い始めます。 どんどんおかしな方向へ彼が狂ってしまう姿は、観ていてとても痛く感じました。 そして、同時に切なくなりました…。 それでも、お笑いを止めることはしない、「神谷」という人物のアホさ…! そこに、笑いに対する強い愛を感じずにはいられませんでした。 才能がある無し関係なく、「お笑い」が好きという気持ちがある限り、芸人は芸人であり続けるのでしょう…。 人を笑わせるって楽しい、面白いと思えれば、何年だって夢に向かって全力で生きられるのだと思います。 お笑い漬けの「徳永」と「神谷」は、そういった意味では、とても充実した10年だったなと思います。 これから先も、人を笑わせたいと思う気持ちだけは失わないでほしいです!
板尾監督のキャスティングの勝利。吉本映画の逆襲。
これは、"吉本興業映画の逆襲"だ。驚くべきことに、そこそこイイ(笑)。
吉本協賛で毎年開応催される、"島ぜんぶでおーきな祭 沖縄国際映画祭"をはじめ、吉本映画を"映画"として認めるならば、映画ファンを小バカにしている作品が多い。ダウンタウンの松本人志監督の映画にいたっては、100年先を行っている感性に、観客が置いてきぼりにされる始末。
マジメな"映画愛"を感じることができるのは、品川庄司の品川ヒロシ監督くらいかもしれない。
原作は300万部を超える社会現象と呼べるほどの小説。その監督を託されたのは板尾創路。俳優・歌手・作家として、そのシュールな笑いに隠れファンはいると思うが、監督としては、「板尾創路の脱獄王」(2010)、「月光ノ仮面」(2012)に続く3作目で、前2作は興行的に成功しているとは言い難い。
吉本としては、原作印税やNetflixドラマ化で十分儲けたから良しなのか、よくわからない。しかし結果オーライ。吉本興業のほうに"見る目"があったと認めざるを得ない。
全体的にオーソドックスな映画手法で、板尾監督らしからぬ、まっとうな作品である。かといって原作そのままではなく、原作に忠実なNetflixドラマ版とは異なり、2時間で見やすいようにニュアンスやタイムラインが最適化されている。板尾監督によって消化され、映画として整えられている。シンプルで無難な仕上げである。
むしろ板尾監督の巧さは、キャスティングに尽きるのかもしれない。
主演の桐谷健太と菅田将暉に関しては、他の監督でも似たり寄ったりかもしれないが、2人とも大阪府出身であるというルーツの部分は非常に重要である。菅田将暉に関しては、シリアスなドラマ以上に、そのコメディセンスの高さは、「セトウツミ」(2016)や「帝一の國」(2017)で、誰もが認めるところ。
そしてその主演よりも、桐谷演じる"神谷"がコンビを組む、"あほんだら"の相方・"大林"役の三浦誠己の起用。さらに"スパークス"で菅田将暉の"徳永"の相方である、"山下"役に2丁拳銃の川谷修士を当てたことが見事というほかない。これがお笑いの世界で生きる、板尾監督のセンスなのだろう。
板尾監督のシュールで実験じみたところは、原作小説が芥川賞を獲った"オチ"ともいえる、"おっぱい"の部分だけである。といっても、"おっぱい"は本作では終盤でVFX映像がインサートされる小ボケにすぎない。映画のクライマックスは、スパークスの解散ライブのシーンであり、ここで感動を最高潮に持ってくる。
本音と反対の言葉を叫んで感動に持ち込むという、このシーンは原作からして、"帰ってきたドラえもん(さようならドラえもん)"のアレンジであり、やはり"おっぱい"のオチがなければ、作品としてのオリジナリティはない。あくまでもこの2つはセットなのである。
そして、神谷と同棲する彼女・"真樹"役の木村文乃がめちゃ可愛い。
ブレイク直前の"石原さとみ"に早くから目をつけていた板尾監督(監督2作目に出演)のセンスは女優起用でもいかんなく発揮されている。木村文乃ファンにとっても、最高の映画である。
(2017/11/23 /ユナイテッドシネマ豊洲/ビスタ)
火花
まず、シンプルに面白かったです。 芸人という職業を通して強いメッセージが伝わってくる作品です。 役者さんの演技も素晴らしく感情移入しやすいです。 映画のラストの続きが気になります。 まあないんですけど… ちなみに、僕は帰りに原作を買いました。 おすすめの作品です。
面白かったです。
原作、その他派生コンテンツ未読です。まったく前情報無しで映画を鑑賞して、又吉さんがネームバリューや広告目的で賞を授賞したわけではないのだとはっきり分かる作りでした。
全体的にリアリティがあり、最後まで飽きることなく観れました。
神谷もやはり生身の人間であり、悩める芸人の一人なのだということが上手く表現されていて、流石だなと桐谷さん初め、役者さん達の芝居を見てとても素晴らしい出来だと感じました。
ただ気になる点が2つありました。
第一に、初めて神谷と主人公が出会った場面が、主人公が神谷に入れ込むことになる決定的な瞬間だったはずなのに、それにしては少し衝撃が弱く、置いてけぼりにされた気分でした。
第二に、花火があからさまにCGだなと分かってしまうのが残念でした。一気にフィクションなのだと現実に引き戻されます。
総じて良作でした。
劇場上映を前提とした「映画」ではなく、テレビでも充分楽しめる構成になっているように感じます。
有名芸人の書いた話題作
ということで、話題性先行の作品かと敬遠していたが、案外に良かった。起承転結はやや不明瞭な感があるが、大衆に寄せない純文学志向の芥川賞受賞作らしいとも思う。文庫化されているし、原作も読んでみよう。 芸人がテーマということで、著者自身の経験も含んでいるのか。自分が信じる芸を磨く一方で、売れるためには大衆に迎合しないといけない。もがき苦しむ心情が胸に迫る良作だったと思う。ラストステージでの相方との漫才は狡いよねぇ。 もう少し木村文乃を深掘りして欲しかったなぁ。冒頭の首から下が埋まったのはどんな経緯なのか、、、掴みなのだろうがもう少しきちんと説明して欲しかった。映画なのだし2人の出会いの場面ももう少し劇的にして良かったのでは。 それにしても、板尾監督、先日の不倫報道は映画のコマーシャルですか??
普通…。
面白いけど原作も賞を取るほどすごいのか、と感じていたくらいだから映画も同様に普通な感覚だった。芸人に限らず人生で陽の目を見る人も見ない人も生きていくことに変わりはないのだなー、と。 菅田将暉は何をやっても違和感なくうまいなー、と思った。
期待以上
原作は嫌いではないのだが、あのシュールな内容を映画にしてもイマイチなんじゃないかと、期待せずに鑑賞。もちろん漫才の内容が微妙な部分もあるのだが、中々くすぶってる芸人たちの物語ということで演出だと思えば平気。ラストライブは、見方によっては寒いのかもしれないが、私は熱い気持ちにさせられた。原作読んだ時には湧かなかった感情だった。神谷さんはほんまにどうしようもない人なんだけど、何にも囚われない生き方。中々真似できない。
良かった
思いの外、良かった。 出だしはお笑いの部分が寒かったのだけど、それはまだ若手の漫才師だからという演出のよう。そのうち気にならなくなる。 主演の二人がうまくて「捨てられることを誇るな」と言ったあとの二人の閉塞感が印象的。ちょっと自分に重ねたのかもしれない。胸に来るものがあった。
どうして私はお笑いをしてないんだろう
お笑い芸人って、基本的にこれまで好きだな〜と漠然と思って過ごして来たけど、火花を見て偉大な職業だなと思った。芸人や漫才師など呼び名は色々あるけど、それより更に崇高な呼び名、肩書き、職種名があればいいとも思った。 又吉の思いと原作、板尾創路監督、キャスティング、舞台、ストーリー展開、全てが絶妙に混ざり合ってとても良い映画になっていて…私では感想がまとまりません。 思っていたより、ドラマ感よりも生活感や暮らしや努力がコツコツと描かれていて、少し意外でそこが良かったです。 主人公っていうのはどうしても感情移入してしまうし応援してしまうし肯定してしまうから、なかなか上手くいかない日々が続いて見ている方も他人事ながらやっぱりクソ〜と、もやもやは勿論募りました。 ラストに進むシーンは、めっっっちゃくそ良いシーンで「マジかよ」って顔を覆うぐらい感動してしまったし、そこまでのストーリーも日々も格段に素敵なものとなり、またこの感想の冒頭に書いたように芸人に対する、(言葉選びは違うかもしれませんが)価値観がグッと上がって自分でも驚いたところでもあります。よく分からない事言ってますが純粋に本当に感動して、心が揺さぶられて映画館からとても良い心地で出れました。むしろ何で私は芸人やってないんだろう、お笑いしてないんだろうと何故か恥ずかしくもなりましたし、お笑いに対して無知な私がこの映画に感動してるのもおこがましいと反省もしたり、変な観点ですが、芸人が引退した後、就職活動がもっとスムーズにいけばいいのになと、何様だよですが芸人がもっと全国で生きやすい、偉大と評価される社会になって欲しいとまで思いました。(この映画でそこが描かれていたわけではありませんが) 上手く言葉と文章でまとめられない感想で悔しいですが、この作品観て同じ感想を抱いた人がいたら嬉しいです。 私は、まだまだ分からない何も知らない世界が多すぎる井の中の蛙女だということが痛感させられました。 嗚呼、まとまらん…笑。
よかった
まったく芽が出ない芸人・徳永は営業先の熱海の花火大会で先輩芸人・神谷と出会う。「あほんだら」というコンビで常識のワクからはみ出た漫才を披露した神谷の姿に魅了された徳永は、神谷に弟子入りを志願。「俺の伝記を作ってほしい」という条件で神谷はそれを受け入れる。人間味にあふれ、天才的な奇想の持ち主でもある神谷に惹かれる徳永。神谷もそんな徳永に心を開き、2人は毎日のように飲みに出かけては芸の議論を交わし、仕事はほぼないものの充実した日々を送るようになる。しかし、そんな2人の間にいつからかわずかな意識の違いが生まれるようになり……。最後は二人で熱海の花火を観に行く事になり・・・・
文学的な作品としては上質。
原作未読。
完成披露試写会で観ました。
芸人さん監督ものって毛嫌いしていたのですが、ちゃんと“板尾創路監督”でしたね!
とても全体のバランスがよく、カメラワークや、シーン展開が好みでした!
吉祥寺で働いている私としては、興奮でしたね!菅田将暉さん好きですけど、桐谷健太さんもさすがでしたね!
スパークス(火花)が飛ぶ笑いへの道
原作の又吉の饒舌さや情感を巧みに映像表現していて板尾監督の笑いや芸人に対する愛情やひたむきさを感じました。 冒頭の二つの火花が上がるシーンが夢に向かって必死に努力する芸人二人(徳永と神谷さん、スパークス)の魂をあらわしていて、そこから引き込まれました。原作をベースに最後のシーン含めてしっかり板尾作品になっていました。
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