「ユーモアを理解できれば良作」アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲 ikazuti-f-WTさんの映画レビュー(感想・評価)
ユーモアを理解できれば良作
前作を見ていないと世界観に置いて行かれます。
そしてただでさえ早い場面転換ですから、前作は視聴必須です。
前作はあくまで、地球人vsナチスであり、宇宙船が登場するドタバタコメディsf映画でした。
今作、人類とは別の生物が敵として登場します。
彼らは無限の寿命を得ており、ヒトラー、スターリン、ビンラディン、メルケル、ジョブズ等著名人に加え、前作のキーであった米国大統領、月面総統がこれらの生物であるとされています。実はヒトラーもそちら側の人間だったんですね。
今作のストーリーに限った話をすると、無限の寿命を得られるという聖杯があることを、前作の月面総統から告げられます。母親を救いたいならそれが必要だろうし、それを取って私に渡せ、と主人公は言わわれます。 聖杯を取られ無限の寿命を失うことを恐れたヒトラー達に追われ、月面総統もあくまで主人公を利用したに過ぎないことを理解した主人公はこれらと戦い、そして見事勝利し人類は生き延び、火星に向かう… というストーリーになります。
まず大筋にそっていうなら、前作と結び付けてしまうと疑問符というか、これを見た後に前作を見るといささか盛り上がりに欠けます。
結局は大統領やヒトラー達が人間を使ってシミュレーションゲームをしてただけにすぎず、これら支配層が大筋を分かったうえで遊んでいたのだろうという話です。
実はこの疑問、今作の冒頭でジョブズ教なる宗教が明らかにされる際に、主人公が同じことをつぶやきます。 監督は視聴者が同じ気持ちになることを分かって仕込んだのでしょうね。
とまぁ、b級映画と呼ばれるのかもしれませんが、非常に深い面白い作品だと思います。
ジョブズ教関連について、面白くない人もいらっしゃるのでしょうがユーモアが理解できないと楽しむのは難しいかもしれません。 決して理解できないのが劣っているとかではないのであしからず。
ヒトラーを見て、ビルゲイツか?わかった、キングナチだ! とジョブズ教信者がわめくシーンも個人的にツボでした。 圏外だし手足縛られてるし調べられないからね。仕方ないね。