劇場公開日 2019年7月12日

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「観る者をを悩ませる困ったチャレンジ精神!」アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲 バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0観る者をを悩ませる困ったチャレンジ精神!

2019年8月23日
PCから投稿

前作『アイアン・スカイ』は、「月の裏に潜んでいたナチスが地球に攻めてくる!」という「ムー」系のトンデモ都市伝説を描いたコメディだが、蓋を開けてみたら大方の人が想像していた路線とはちょっと違っていてた。バカバカしいコメディであることは間違いないのだが、まさか現代批判に満ちた風刺コメディだとは思いも寄らなかったのだ。

そして前作からずいぶん間を置いて生まれた続編は、なんとジュール・ベルヌが描いた「地底旅行(『センター・オブ・ジ・アース』のタイトルの映画化作品も)」をモチーフに、地底に潜み、恐竜軍団を操るナチス+古今の独裁者たちと戦うという、さらに荒唐無稽な内容。この設定だけを取り出すと石川賢の「ゲッターロボ」とほとんど変わらないし、リアリティのラインもだいたい同じ。監督自身、「インディ・ジョーンズ」シリーズや「ロマンシング・ストーン」をイメージしていたという。

その飛躍の精神は大いに買いたいし、前作のエンドロールに謎をさらに推し進めた、次作への布石も気になる。ただ、今回はスベってるんだよなあ、ギャグも風刺も。笑えないけど、嫌いになれない。でも時間をムダにしたと感じる人もいるでしょう。とりあえず自分は観ますよ、続編があれば。

村山章