「真実であれ」否定と肯定 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
真実であれ
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非常に、本当に非常に難解な作品であったという感想でしか吐けない内容であった。決して愚作と言う訳ではなく、寧ろ流石BBCが制作した秀作といってもよい作品なのだが、その高い思想故、本来啓蒙しなければならない自分も含めた愚民である観客に疑問さえも浮かべることも出来ない『ぽか~ん』な状態を与えてしまっていることに、残念でならない事実も又存在している。
法廷戦術も含めて、法廷劇でもある今作はその辺りの下勉強が必須であるし、これこそパンフが必要なのであろうが、果たしてキチンとその辺りの記述がされているのか、そこも不明なのでおいそれと手を出しにくい。
今作の注意点は二つ。一つはイギリスならではの、立証責任の弁論を訴えられた方が行なうという『悪魔の証明』。もう一つは、本当に思い込んでいる人の言論の自由は守られるべきなのではないのか?ということ。この二つは本当に難しく、これを法律で裁けるのか、甚だ疑問なのである。その辺りのサジェスチョンを提示しつつの、肯定派の勝利でラストを向えるのだが、勝った側、負けた側、双方とも、何とも腑に落ちない結末で終わるところも又、この問題の根の深さを物語っていて、この複雑な問題こそが今作品のテーマなのであろう。敢えて結論をださない、否、出せないのである。
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