再会のパリのレビュー・感想・評価
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ジュールス・ダッシン監督の戦時中の恋愛映画
ジョーン・クロフォードの強さが前面に出た作品で、彼女のキャスティングはフィットしているジュールス・ダッシン監督作。
冒頭クレジットに、「製作:ジョセフ・L・マンキーウィッツ」との表記あり。
1940年頃のパリを舞台にした恋物語と戦争ドラマを描いており、パリの設計技師を演じたフィリップ・ドーンもクロフォードの婚約者としてナイスなキャスティング。ただ、軍人だからジョン・ウェインを使ったかも知れない男を、気丈で優雅なクロフォードの恋愛相手とするには無骨な感あり。
第二次世界大戦の足音が聞こえて来るパリで、戦争に関係なく優雅な生活をしている女ミシェル(ジョーン・クロフォード)は、設計技師ロベール(フィリップ・ドーン)と恋をしている。
この頃を描いた場面で、パリの建物を見上げるカメラが「建物に刻印された『自由』・『平等』・『博愛』」を映し、更に上へ移動すると「フランス国旗がはためく」シークエンスは印象的。……「これぞ、フランス!」
そして、ナチス侵攻によりパリがナチスに占拠されると、この建物のてっぺんには「ナチスの旗」がはためき、カメラが降りてくると「ハーケンクロイツ」のマーク。
そして、ミシェルの屋敷はナチスに占拠され、ロベールがミシェルを連れて行ったパーティはナチス万歳で……という恋人の裏切り行為、ナチスに追われた男パット(ジョン・ウェイン)を助けようとするミシェルだが……といった展開で始まる物語。
「ジョン・ウェインはナチスに殺されないで国外に脱出できるのか?」という後半のサスペンス場面は、けっこうハラハラさせられて面白かった。
また、ジョーン・クロフォードが真実の愛を見つけるあたりは感動あり。
なかなか面白いジュールス・ダッシン監督の初期作であった。
(※)DVD封入のリーフレットには「ジュールス・ダッシン監督がMGM社で撮った長編3作目」との記載あり。
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