嘘八百のレビュー・感想・評価
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骨董の話でも笑いはフレッシュ
中井貴一がイケメンだったり正義漢だったりするといまいち乗り切れないが、うさんくさい男だと実にいい。しっくりくる。佐々木蔵之介の序盤のクールな感じもなかなか。まあ、中盤から2人とも忘れかけていた熱さを次第に取り戻していくという展開だけれど。
中井の娘役の森川葵と、佐々木の息子役の前野朋哉、親同士に関係なく仲良くなっていくサイドストーリーが微笑ましい。ほのぼの要員と見せかけて、終盤近くの大仕事でまた楽しませてくれる。
「百円の恋」の武晴正監督と、脚本の足立紳のコンビ再び。朝ドラほかテレビドラマを多数手がける今井雅子も脚本に加わったことで、ウェルメイド寄りの話になったか。スタッフもキャストも楽しみながら丁寧に作っている感じが伝わってくる好作。
あれもこれもニセモノだが作品はホンモノ
あまり興味のなかった作品だったけど、続編が作られるほどならもしかしてと思い観ることにした。これが予想に反してなかなかヒットだった。
メインのストーリーは結構知的で洒落っ気もあり粋だったし、その他の部分では良い話もあったし、笑えて面白かった。
予算が少なく撮影期間も短かったらしい本作。確かにクオリティは高くないけど、気合い入れなきゃいけないポイントはちゃんとおさえていたと思う。
それはどこかというと、ラストの大一番ではなく、佐々木蔵之介演じる野田佐輔が茶器を造る場面だ。
則夫とともに利休探求をし、目覚め、茶器造りに打ち込んでいく姿は、青春映画さながらの熱さをもったイイ場面だったではないか。思わず「頑張れ」と声をかけたくなるほどに。
それは利休の茶器であると同時に佐輔の最高傑作を生み出そうとする姿でもあるのだから。
佐々木蔵之介さんはあまり好きではないんだけど、この人は本当にイイ顔するんだよね。大事なポイントになる役をこの人が演じていると作品が締まるよね。今回はダブル主演の片割れだったけどさ。
どちらかといえばメイン主演の中井貴一さんも良かったよね。笑わせ担当の役だったけどね。
目利きが大事な骨董屋でありながら占いを信じているところとか笑えるよね。
それに、すき焼きの食べっぷりなんかのコミカルな演技は絶妙でもありました。
本作がバディ物と言っていいかわからないけど、大体は凸凹コンビだったり、性格が全く異なっていたりするものだけど、則夫と佐輔は二人とも、誠実さもあるマヌケな小悪党で、ニセモノの父親っていう似た者同士だったよね。それが妙な一体感を生んでいて良かったようにも思う。味わい深い良作でした。
爽快なコメディ。良いものは本物に勝る。
古美術商の小池則夫と陶芸家の野田佐輔。
二人は過去に小道具屋の樋渡と鑑定士の棚橋から騙された過去があった。共通の遺恨がある二人は樋渡・棚橋を騙し返す計画を立て、実行することになる。
贋作の対象となる千利休の茶碗を創る所や、オークションで鑑定士を騙す場面が爽快で面白い。
段取りをする所は、規模感は小さいですが少しオーシャンズ11のような感じがありました。
娘のいまりが佐輔の家でちゃっかりすき焼きを食べてるシーン等、コメディならではの楽しさ。とても愉快でした(なんだこの家族 笑)
映画の中で印象に残った言葉があります。
歴史のケツを追いかけるんじゃない。お前が歴史を創るんだよ。
あんたの茶碗を売るんだよ。いい面構えしてるじゃないか。400年待たなくたっていい器だ。
贋作でも良いものは本物に勝るというのは勉強になりました。
最後はオチがありますが、明るく爽快で観ていて楽しい気持ちになる映画でした。
ウソ800
詐欺師が題材の映画ってアメリカでは
「スティング」をはじめ名作ぞろいな気がします。
でも、そのノリで邦画で詐欺師やっちゃうと、
なんかカッコ悪いんですよね。
なんとなく日本人に似合わないというか・・・。
じゃ、どうすればいいか。
答えは「帰って来たドラえもん」です。
「ぼく一人の力で君に勝たないと、
ドラえもんが安心して未来に帰れないんだ!」
という名言と”ウソ800”という最後の秘密道具。
信念と情熱から溢れ出た嘘は、
真実よりも”真”なり。
みたいなね。
まさにこの映画、
スタイリッシュなアメリカ詐欺ものの真似じゃなく、
本気でついた嘘は本気に勝る。
情熱を込めた贋作は本物よりも本物。
日本人が好きそうな展開で良かった。
主役2人のバディものなのに、
男女とか凸凹じゃなく、
オッサン二人ってのも好感度UP。
「だまされてリビエラ」を思い出しました。
中井貴一の役者の幅が生かされる。蔵之介さんもいつもよりずっとかっこ...
中井貴一の役者の幅が生かされる。蔵之介さんもいつもよりずっとかっこいい。脇もいい。話の流れが結構換喩的にポンポン流れていき、それはそれで楽しいけれど、今一つとっ散らかりすぎ。詐欺の人たちのすき焼きの茶の間でいつの間にか食べてるという中居さんの佇まいは絶妙。それでいながらそこに完全に同化したわけでもないような、ソン・ガンホを思い浮かべる。日本で同格の芝居をできる人は中井さんしかいない。蔵之介の妻役がいい。
面白い
途中からストーリーは読めた。
一緒に見ていた家族はもっと早い段階で陶芸家の嘘まで見抜いていた。
単純だけど面白い映画だったと思う。
骨董品好きで皿とか骨董市で購入使っているけど、骨董品店の経営って大変だなぁ
贋物から出た本物
骨董や陶芸の事は全く以てちんぷんかんぷん。『博士ちゃん』でよくやる目利きクイズで出題されても、価値ある本物か出来のいい贋物か当てられぬ自信がある。
敷居が高い芸術作品だったら私なんぞ門前払いだが、コン・ムービー的な面白味と浪花風味のユーモアと和の味わいで軽快なエンタメになっている。
詐欺師紛いの古物商・小池。
カーラジオからの“西に吉あり”を信じて大阪・堺の下町を走っていると、何やら美味しそうな蔵を見つける。
その蔵の持ち主は蔵之介…じゃなくて、野田という男。蔵の中の物は亡父が集め遺したもので、本人は無頓着。
そこでかの千利休が死の直前に作ったという幻の茶器を見つける。
騙して百万円の安値で手に入れ、ウハウハ。これを出すべき所に出せば…と考えただけで有頂天。
その時カーラジオから“落とし穴に注意”。まさにその通り、茶器は見事な贋作であった…!
野田は腕のいい陶芸家。筆跡・箱・和紙に精通している悪友三人と組んで、まんまと小池から百万円をせしめた。
騙そうとしたが、逆に騙されて…。
でも、この騙し騙されはまだまだ序の口。一世一代の大博打はこれから。
事の真相を知って小池は野田に詰め寄るが、野田は屋敷住まいどころか安アパート住まい。
いつの間にか小池の娘・いまりと野田の不細工なヲタク息子・誠治が恋仲に。(尚この二人、後々クセ者)
野田の妻も囲んで皆ですき焼きを食べている。何とも現状意味不明のシュールな光景。
何故か以来つるむようになった小池と野田。二人には共通点と意外な繋がりが。
小池が落ちぶれたのは、大御所鑑定士・棚橋と古物商店主・樋渡に騙され、大金を損失。
野田も落ちぶれたのは、棚橋と樋渡に利用され…。
奇遇にも同じ二人にしてやられた苦く痛い過去。さらに、その時小池が掴まされた贋物は野田が造ったもの…!
もうここまで来ると奇遇ではなく、何かの因果。
その過去や直近の騙し騙されはこの際いい。それぞれに訳ありなのだから。
今の落ちぶれ、うだつの上がらない身。このままでいいのか…?
自分たちを騙した奴を、今度は自分たちが騙す。
“餌”はズバリ、千利休の幻の茶器。
その本物のような贋物を造り、掴ませて大金をせしめる。
まさに、アレ。やられたらやり返す!
それは同時に、二人の人生再起でもあった…!
本物のような贋物を造る。
結局は偽物じゃん…と思ってしまうが、偽物は偽物でも本物の思いがある。
例えば映画だってそうだ。極端に言えば、嘘の物語。しかし私たちは、その嘘物語にワクワクし、感動する。作り手の“本物”の思いがあるからだ。
私たちは嘘物語の中に、世界を見る。
贋物茶器造りは、椀の中に大海原を見る。
千利休がそこに馳せた思いを込めて。見出だして。
野田が贋物茶器造りを通じて、失いかけていた陶芸への真摯な向き合いを取り戻していく様は熱い。
その姿は贋物などではない。本物だ。
茶器造りの行程も興味惹かれる。
良質の土を探し、何度も何度もこね、何度も何度も造り直し…。
遂に満足いくものが出来上がっても、それで飲み食いし、使い古された感まで造る。
そうしてようやく…。
オークションを開く。仕込みの家族や仲間、本物を強調付ける為学芸員や文化庁の者も招き、ターゲットも現れ、“決戦”の時…!
中井貴一と佐々木蔵之介の絶妙なコンビネーション。
さすが名優で芸達者な二人。掛け合い、やり取りはクスリ笑い。中年男同士の友情もしみじみと。
周りも味がある。木○○○か、坂田利夫、宇野祥平の悪友トリオ、芸人畑から友近、ドランク塚地、ベテランの近藤正臣まで、快演。
しかし印象残すのは、若い二人の森川葵と前野朋哉。茶を濁すようなのほほんLOVEやってると思ったら、最後の最後に…! 森川の可愛さと前の冴えなさに騙されてはいけません!
さすがは大御所鑑定士。こちらや周りがどんなに煽っても、贋物と見抜く。
リベンジは失敗。かと思ったら…!
贋物と嘘を付いて皆を帰させてから、意気揚々と一人占め。
かかった!
しかも、一億円(と八百万円)で落札。
このオークション・シーンが滑稽。贋物に最もらしい価値の事を言い、周りは感慨深く同調。
全て“嘘”なのに。そう、本作のタイトルは、“嘘八百”!
大御所鑑定士なのに簡単に騙されるのが拍子抜け。そういう人に限って目先のものに目が眩むと言ってはいたが…。
急にドタバタ劇になったオチ。結婚式と突如の乱入者の茶番、若い二人にしてやられ…。
騙して手に入れたものは懐に収まらない…って風刺かな。
難点はあったが、この軽快な騙し騙され劇は気楽に楽しめる。激熱作『百円の恋』の監督&脚本コンビの新たな手腕。
結局一攫千金は得られなかったけど、得たものもあった。
己の分野への情熱と人生の再起。そして、バディ。
詐欺師紛いの古物商と贋物陶芸家。
なるほど、シリーズ化されるわけだ。
本物とは!
2018年公開当時1度見た時はあまり面白さがわからなかったのですが、数年経った今、楽しめました。
当時はきっと贋物という題材にとらわれすぎていた様に思います。
ですが、贋物は贋物であっても、相手を納得させる腕前と話術は本物という、生きていくには必要な要素がわかってきたからなのかもしれません。
最後のシーンの娘や息子の行動はあまり良いとは思いませんでしたが、それもその親の子ということで、全体的に騙し騙されながらもなんだかんだ仲良しでした。
いつのまにかずっと人の家のコタツに居座っていたり、友近さんとの若かりし家族エピソードもほんわかしました。
いつも美味しそうに食べているシーンがあり、良かったです。
中井貴一さんと佐々木蔵之介さんの掛け合いがちょうど良い具合に支え合っています。
坂田利夫さん、塚地さんも、良い味でした。
歴史のケツを追っかけるんじゃない。
自分で歴史を作るんだょ。
自分の持ってるもの全て注ぎ込んで、
本物よりもすごい贋物作ってやれ。
贋物ではなくとも、いまの自分にも響く前向きなセリフです。
次も早く見たいです。楽しみです!
シンプルにした方がよかった、
おもしろめのストーリー、俳優でありながら、あまりムリにはしゃいだり、終盤の子供絡みの「枝葉」の話も不要でよかったのでは、と。
うまいこといってそのままハッピーエンドにしたらよかったのに、と。
キャストは散らかっているが
キャストに、お笑い芸人などを多数持ってきているのは好感がもてない。結果的にまとまりを欠いている。
また、佐々木蔵之介の息子と、中井貴一の娘の恋愛のくだりも、まったくいらない。邪魔である。
ぜひ、「詐欺映画」の部分だけで勝負してほしかった。
しかし、詐欺映画は好きなので、今回は大甘な点数をつけさせていただきたい。
古物商と陶芸家が騙し騙され、若かりし頃に騙された古美術商と鑑定士を...
古物商と陶芸家が騙し騙され、若かりし頃に騙された古美術商と鑑定士を千利休の贋作で騙そうと企む話。
騙し騙されの連続。
キャストそれぞれの特徴がよく出ていて、おもしろかった。
最後はバレないかヒヤヒヤしたけど事なきを得てほっとした。 娘と息子...
最後はバレないかヒヤヒヤしたけど事なきを得てほっとした。
娘と息子のくだりは全く必要なかった。
キャストもちょくちょく芸人出てて興醒めした。
観れたけど冷静に考えるとこんな上手くいくわけがない茶番。
ありきたりな展開。
なんでも鑑定団?
なんでも鑑定団が頭に浮かんで、さらに最初の佐々木蔵之介の人の良さそうな感じにだまされました。中井貴一と佐々木蔵之介のなかなか味のある微妙なちょっとした心のふれあいがいいですね。最後は誰々が笑ったのでしょうかね?
子供たちの話は不要のような…
せっかく中井貴一と佐々木蔵之介というキャストを揃えたのに、もったいない。
結末まではそのくらいに思っていたのだが、結婚式からラストまでは完全に不要だった。
騙す計画を立てた大人たちは真剣に取り組み、コメディとして楽しく観ていた。それと比べたら子供たち2人は良いとこどりをしているだけ。
子供たちの話を削ってストーリーをもっと練ればよかったのに、残念。
活劇!コメディー
一杯食わすものが一杯食わされる物語で、古物を扱ったものであっても古臭くない、楽しく見られるものだっだ。陶芸に向き合う野田の姿勢はカッコいいし、古物商もただの贋作売かと思えばそれとは少し違う、二人の男のそれぞれに秘めた思いを見られた。最後、娘がまさか………で終わり、最後まで楽しめた。
【”ヤラレタラ、やり返せ!” ”幻の利休の茶器”を巡っての、骨董コメディ。】
ー 今作は旅先の映画館で鑑賞したのだが、内容を全く覚えておらず、2年後に第二作「嘘八百 京町ロワイヤル」が公開されると知った際には、驚いたものである。
慌てて、この映画サイトを牽引する”お酒の神様”のレビューを拝読すると、
”前作の粗筋を確認しておくべし!”
というご宣託が記載されており、ゴソゴソと今作のフライヤーを探し出し、劇場で観たら非常に面白かった・・。
覚えていない理由は明確で、私事で恐縮であるが毎年冬の長期連休は、京都の祇園で吞んだくれているので、今作を観た際も酷い二日酔いだったのであろう・・。おバカである。ー
■久方振りに鑑賞した感想
・若い時に骨董店「樋渡開花堂」の社長樋渡(芦屋小雁)と大御所鑑定士の棚橋(近藤正臣)にヤラレタ古物商の小池(中井貴一)と、野田佐輔(佐々木蔵之介)が、ひょんなことから知り合い(騙し合い)、千利休が秀吉に切腹を命じられた後に、ある人物に贈った”幻の茶器”を巡っての、小池と野田の
”ヤラレタラ、やり返せ!”
を地で行く「樋渡開花堂」を騙し、大金を巻き上げる過程がナカナカに面白かった。
それは、第2作でも、大活躍した、贋作づくり集団”飲み屋の土竜”の人々の技(特に、土竜の主人で、どんな人のサインでも”サラサラっと書いてしまう”筆の名人を演じた木下ほうかが、良い。)と、
野田の陶芸家としての技を見抜いた小池の眼力と、彼らの不思議な友情が良いのである。
・少し残念だったのは、千利休と豊臣秀吉との関係性の変遷や、利休の弟子であった長次郎に関する知識がないと、後半少し分かりずらい部分があった事であろうか・・。
あとは、小池の娘いまり(森川葵)と、野田のジオラマ作りに夢中の息子(前野朋哉)との、恋愛が違和感があったところかな・・。
<最後の最後に笑ったのは、誰であったか・・。
骨董”の贋作”をテーマにした所は面白かったが、今作の舞台となった大阪・堺の歴史と千利休との関係性をもう少し、分かり易く表現していればなあ、と思った作品。
個人的な意見であるが、「嘘八百 京町ロワイヤル」の方が、面白かったかな・・、と思った作品でもある。
この作品群は、シリーズ化されるのであろうか?>
<2018年1月 MOVIX京都にて鑑賞 二日酔いのため、鑑賞記録なし>
<2021年1月19日 別媒体にて鑑賞>
この2人のファンなのに。
中井さんと蔵様のW主演。なのになぜこうなっちゃったのか?。
全体的に「薄味」なんです。ストーリーに深みがないというか。
「昔騙された相手を騙し返す」の部分は、まあよしとして。
他の人たちも結構色々出てるのに、生かし切ってないとうか。
コメディタッチなのに「おもろない」。
これでよく続編を作ったなというのが正直な気持ち(録画消しちゃった)。
残念。
贋作を作る努力と腕
中井貴一扮する古美術商小池則夫は、見習い中の娘を連れて蔵を見つけて古美術の仕入れを行っていた。飛び込みの仕入れの時に千利休がらみの茶碗に関する書簡と茶碗が出て来た。則夫は、蔵ごと100万円で仕入れたが、則夫は留守番役だった佐々木蔵之介扮する贋作茶碗焼き野田佐輔にまんまと欺されたのだった。野田は、昔陶芸作家として賞を取った事があったが自分の写しの作品が認められた事をきっかけに贋作士となったのだった。則夫は、野田に組んで本物より凄い贋物を作って仕事をしようと持ちかけた。果たしてふたりの運命や如何に? 贋作を作る努力と腕があればまともに行けばいいのにと思うし、古美術商なんてこんなものと思うと若干寂しいね。それなりに楽しめたけど、やっぱり世間を欺く嘘八百は罪深いよね。
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