「ISS内での閉じ込め合い」ライフ(2017) つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
ISS内での閉じ込め合い
地球外生命体との攻防を描いたサスペンススリラーだが、もう大体「エイリアン」と同じくらいのモンスターパニックかモンスタースリラー、またはパニックアクション系と思って間違いない。
ただ「エイリアン」の登場人物たちと比べて、こちらは国際宇宙ステーションに滞在している普通の宇宙飛行士なので銃を乱射したりとか単純な戦闘力はほぼ皆無。そのため、もっとシンプルな攻防がスリリングで面白い。
実をいうと、どちらかといえばドラマ的な静かなサスペンス風と思っていたので、激しい命の取り合いに発展していった時は、そっちの系統かいっ!と心の中でツッコミを入れたが、結果的には攻防パートが面白かったのでこれで良かったと思う。
それで不満点やツッコミどころは、これは本当に色々あるけれど、一番はドラマ要素が弱かったことだろう。
まず始まりからしてクルーの紹介シーンはほぼなくて、性格などのキャラクター性どころか役割すらもわからないような状態でパニックが始まってしまう。
誰が誰だか認識できた頃にはもう中盤も過ぎてしまって、ここまででも充分面白いんだけど、あと一押しあればもっと上の高揚感や絶望感を演出できたのではないかと思ってしまう。
キャストは、B級感ある作品の内容に反して中々豪華で、頑張っている真田広之を見られたのも嬉しい。クルーが6人しかいないので当然といえば当然だが活躍する場面も多かった。
あとは、この時はまだそんなにだったが、ちょっと売れてきそうなレベッカ・ファーガソンをチェックできたのも良かったね。とはいっても実は、彼女の出演作はすでに何本か観ているが全く顔を認識できていないので困っている。白人女性の認識が一番苦手なのでそのうち何とかなると信じてるけど、もしかしたらファーガソンは没個性なのかもしれないと密かに思っていたりもする。
苦言多めのレビューになった気もするが、ハラハラドキドキ、スリリングな作品で、モンスター物にしてはグロいシーンやショックシーンもないので、ホラー苦手な私のような小心者でも楽しめるオススメです。