「火星人といえばやっぱりタコだろ!タコ!」ライフ(2017) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
火星人といえばやっぱりタコだろ!タコ!
国際宇宙ステーション(ISS)と言えば、最近グーグル・マップのストリート・ビューで内部写真が見れるようになった。この映画の舞台となるのもほとんど実際のISSそっくりに作り上げたセットで、見比べると本物よりもスッキリしていて分かりやすい。また無重力のリアリティを出すためずっと浮遊していたり、退避用ソユーズがドッキングしたり、地球を1日16周するといった実際のデータを紹介したりと、凝っているのです。
医者のデビッド(ジェイク・ギレンホール)、司令官のキャット(オルガ・ディホヴィチナヤ)、検疫官のミランダ(レベッカ・ファーガソン)、航空エンジニアのローリー(ライアン・レイノルズ)、システムエンジニアのショウ(真田広之)、宇宙生物学のヒュー(アリヨン・バカレ)の6人のISSクルーたちは火星の無人探査機から土サンプルを回収すると、その中に微生物を発見する。史上初めての地球外生命体でもあることから大騒ぎ。地球の子どもたちによって“カルビン”と名付けられたりする・・・
細胞壁がどうたらこうたら、ミジンコのような小さいヤツがほんの数日で急成長する。隔離された研究室でヒューは我が子を育てるかのように可愛がっていたが、あるとき一向に動きを見せなくなる。電気ショックを与えてみたりすると、カルビンは急に動き出し、ヒューの手首を食いちぎろうとするのだ。そのカルビンを助けようと部屋に入ったローリーは逆に返り討ちにあってしまうのだった・・・
まるで『ゼロ・グラビティ』のようなリアルな宇宙モノの中で『エイリアン』が登場するといったイメージ。宇宙ステーション自体が各国が持ち寄った部屋で個別化されてるから、食い止めることはできると思っていたら、知性を持ったカルビンは地球との通信システムを破壊(偶然か?)したり、船外活動していたキャットを水死させたり、瀕死のヒューの足を食ってしまったり、神出鬼没な恐ろしさなのです。
絶体絶命の状況下で最後に残ったデビッドとミランダの2人。とにかく地球に凶悪な異星人を持ち込むことだけはルール上できないってことで、デビッドは脱出ポッドAに乗ってカルビンもろとも宇宙の果て心中して、ミランダには脱出ポッドBで地球に帰ってもらうことを提案・・・というより有無を言わせない。と、このままハッピーエンドなら評価は4点辺りか・・・