「香港映画初心者の感想」おじいちゃんはデブゴン kkmxさんの映画レビュー(感想・評価)
香港映画初心者の感想
サモ・ハン・キンポーをきちっと認識したのは2007年頃に流れた死亡説がきっかけでした。サモ・ハンが出した声明文「私は生きている、のんびりプーアル茶を飲んでいる」が何故かツボにはまり、それからはバーミヤンに行くときは毎回プーアル茶を飲むほどのファンになりました。
しかしサモ・ハンの映画は今まで未見。香港映画自体もブルース・リーを数作嗜んだ程度です。ジャッキー映画もまったく知らない。映画館で香港映画を観るのは本作が初めてです。普段はおフランス映画など文芸っぽいのが好みなため、本作は守備範囲外の映画でしたが、サモ・ハン先生の映画は観ておこうと思い、チャレンジ鑑賞しました。
…と、ネタ半分で観に行った映画でしたが、予想以上に素晴らしかった!
サモ・ハンの孤独な老人の佇まいはなんとも哀愁を感じさせます。あの何かを諦めたような瞳にグッとくる。
ストーリーも大雑把ながら随所随所で胸に迫るものがあり、おじいちゃんのアニメーションは切なくて、エンディングは思わず涙してしまった。
チュンファは誘拐されておらず友だちの家にいたというすっとけなラストは、香港映画を知らない身としては、何故か香港っぽく思えました。
あと、チュンファに対して周囲の大人がデブゴン以外みな冷たいのは、中国っぽいというか、東アジアっぽい感じがしました。日本でももう少し優しいよね。
音楽の使い方もなかなか良くて、子どもが歌うR&Bっぽいエンディングテーマは白眉です。サントラが欲しくなるレベル。
関節をブッ壊すアクションやチャイニーズマフィアの独特な残虐さは新鮮でした。ジャッキー映画も観てみるかな。
あと、ポスターのサモ・ハンが、マイク水野にちょっとだけ似ていてクール!シベ超!