しあわせな人生の選択のレビュー・感想・評価
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切ない覚悟。揺るがない友情。
スペイン・アカデミー賞〈ゴヤ賞〉で、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚本賞を受賞した作品。
末期がんで余命わずかな男と彼を取り巻く人々の4日間を描いたドラマ。ちなみに、原題の“Truman”は犬の名前。元々の名前はトロイロと言う犬ですが、撮影終了後まもなく、亡くなったそうです。まさにリアル『しあわせな人生の選択』?
人生で重要なのは、こう言う友人なのですね。改めて、友人のありがたさ、大切さを実感させられるお話です。だって、余命いくばくも無いとは言え、わざわざカナダからスペインにまでやってきて、人生の後始末に付き合い、その上、お金まで多少面倒を見るなんてねぇ。昔、一緒に生活していたという件が劇中に出てきますが、それにしても良い友人です。こう言う友人欲しいですね。
切ないのが、仕事の付き合いのある人に無視されたり、あるいは、以前酷い事(奥さんを寝取った)をした相手から優しくされたりする事。どちらにしても、切ない切ない。あと、わかれた奥さんとも穏やかに話せたり、遠く離れたところに居る息子にも優しくされたりするところも切ない。特に、事情を知らないと思っていた息子は、実は別れた奥さん(息子からみると母親)から事情が伝えられていたと言う事がわかったところは、なんとも言えないですね。
でも、一番切ないのは、フリアンが自分の葬儀の準備ために葬儀社に行ったとき、普通に骨壺などのセールストークを聞かされるところかな。フリアン、だまっちゃったもんね。いくら覚悟を決めているとはいえ、現実を突きつけられると、ああなるよねぇ。
とはいえ、ところどころ、笑えるところもあったりと、切ないだけの作品ではありません。自分を振り返るのに、良かったと思います。
最後に原題の意味が
有楽町が満席で、恵比寿までいく価値ありでした。
センセーショナルなことは起こらない、どちらかと言えば穏やかに過ぎる、期限のある時間を見せてくれた映画。
癌を宣告された主人公の友人、いとこ、息子、元妻それぞれの想いが、じわじわと染みる。
この主人公と友人のように何でも言い合える相手、本当に大切なものを託せる人がいるって、羨ましい。
久しぶりにスペイン語語にどっぷりつかったなぁ。
心地よかった~
ちゃんと勉強しなおそうかな。
終末
癌の根治が不可能と診断されて、これ以上の治療は受けないと決断したスペイン在住の主人公と、それを知りカナダから会いに来た友人との4日間の物語。
何でもありの正に腐れ縁の様な関係の二人。主人公は破天荒で無茶ばかり言っているけれど嫌な人間ではないのが伝わってくる。
明るくでふざけた雰囲気で笑わせる描写の数々だけど、哀しさを孕んだ主人公の言動が涙を誘う。
自身の終末を考えたり、身近な人を病気でなくしたことがあると一層響くであろう佳作。
犬は家族
ガン末期の主人公ですが、悲壮感はなく、観客を無理に泣かせようとはしません。
ガン末期でも、本人もまわりの人々も必ずしもいい人達のなる訳ではなく、それが当たり前である事を思い知らされます。
でも、犬を預けるシーンと息子とのハグのシーンは泣けます。
こうきたか!意見分かれそうなラストに、注目。
全国的に有名な方が病で亡くなったり、
友人の父上が亡くなられたり、
何かと死について考えさせられていたタイミングで
あらすじを目にし、駆け込んだ映画です。
人は先のことがわからないから、今を生きます。
でも主人公には自身の死が後どの位か
わかっています。
身辺整理でもしなければ居ても立っても
居られないはず。さらなる検査や延命措置に財産を
使うなら別のことに、という気持ちはすごく痛く
理解できました。
周りの反応も色々。どうしてこうならないと
わからないものなんでしょう。皮肉なものです。
神様は最後に気付きをあたえてくれるものなのでしょうか。
ラストの展開2つは観る人によって大きく分かれそうです。その1は、日本人ならではか、私はちょっと困惑でした。
どーして?その思いをここにぶつける?と。
もう1つの大ラスは唖然! そうきたか?でした。
こちらはフィクションならではの結末です。
ラテンの血のなせるわざでしょうか。
人には必ずや訪れる死。さてさて自分はどうするか?
あるべきか? 考えさせられる映画です。
最後が物足りなかった。
トマスとフリアンのバディとしての距離感は、良かった。
最初にこの映画の原題が
「トルーマン」であったのは
どうしてなんかなぁと思いましたが、作品を見ているうちに理解できた。
トマスのマドリードの滞在が4日間。もっと長かったように気がした。今にも泣きそうなフリアンの表情も良かったが、結局「トルーマン」はそうなるのか……。ラストが何となく物足りなさが残った。
大切な誰かを思う気持ち
人が死に向かっていく話なのに、悲しい映画ではなく、みんな大切な誰かのことを深く思っている。その形はそれぞれ違うけれど、とても胸が熱くなりました。
自分の人生が残りわずかとなった時どう生きるのか、あるいは大切な誰かの余命があとわずかとわかった時どう寄り添うのか、考えてしまいました。
反芻して思い出し泣き σ^_^;
『アタメ』からアルモドバル監督にハマった私にとってのスペイン映画は、モラルよりパッション重視の“ある意味ピュアな愛”が魅力でしたが、
キケ・マイヨ監督の『EVA エヴァ』で少女漫画のようなSFに衝撃を受けて以降は
「とりあえずゴヤ賞をチェックしておけば間違いない!」と、毎年欠かさずチェックしております。
なかでも『ブランカニエベス』『「僕の戦争」を探して』『マジカル・ガール』は、その年のマイベストスリーに入る勢いで、自分の好みにドハマリでした。
前置きが長くなりましたが
5部門受賞の『しあわせな人生の選択』が日本で公開されるのを、とてもとても楽しみにしていたということです。(^^;;
シーンに無いシーンを想像させるシーンが素晴らしい!!
回想シーンを一切挟まず、微妙な距離感や間、ちょっとした仕草や言葉に対するリアクションから、登場人物達の【現在の関係】と【過去の関係】が同時に見えてきます。
これぞ映画にしか出来ない表現!映画の醍醐味!(←個人の感想です^ ^)
この父ちゃんには苦労させられたであろう、息子や元嫁。
ほんの短いカットですが、トマスとフリアン元嫁の眼差しも、多くを語ります。(*´꒳`*)
そして描かれるのは、ひたすら友情。友情。
最後までフリアンを尊重する無償の愛です。
カナダに帰る最後の夜に圧倒的に押し寄せてくる喪失感。
その感情のはけ口となるシーンは、ちょっとインパクトが強すぎて驚きましたが、
後から落ち着いて反芻すると、大号泣するシーンを見せられるよりも、もっとずっと心をかき乱す…怒りにも似た悲しみが伝わります。
実はレビューを書きながら思い出し泣き。σ^_^;
いや、思い出し笑いはよくありますが、思い出し泣きなんて、そうそうありませんよね。
しかも社食でww。自分でもびっくりです。
翌朝のリアクションも、映画を見たときは「お、大人な対応なんですね(^^;; 」と感じましたが、改めて反芻してみると、そうではなくて
お互いの気持ちがわかりすぎているから。
でも、だからと言ってフリアンが謝るのもおかしいから。
もしかするとトマスはあの夜××を通してフリアンを感じていたのかもしれませんね。
そして、ラスト。
トマスの家族は驚くんだろうな。
あ。また泣けてきた。
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