しあわせな人生の選択のレビュー・感想・評価
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トロイロに追悼を
本作で原題になっているトルーマン役の老犬トロイロは撮影終了後間もなく亡くなった。
トロイロが醸し出す雰囲気はこの映画そのものであり、死を傍らに感じさせながらも決して悲壮感を感じさせない。死を受けとめ、折り合いをつけていくフリアンの演技にトルーマンの存在感は確実に大きな影響を及ぼしていた。
名優トロイロに追悼の意を示したい。
人生という舞台に幕を降ろすとき
カナダからスペインにいる親友フリアンに会いにきたトマス
フリアンは癌を患い、余命わずか。
トマスは、フリアンに残された日々の中で4日間を共に過ごしに来た。
役者を職業にしているフリアンらしく、人生に幕引きについて描かれている
葬儀や息子の今後について、決めて行く中で、心残りは愛犬のトルーマン
フリアンは自分の人生を見つめ、心から信頼できる人にトルーマンを託そうと決心する
いつか、自分もフリアンと同じような境遇になるんだと思いながら観ていたけど、
私は果たしてフリアンのように冷静に振る舞えるのかなと思った
フリアンが取り乱さず、泣き叫ばないからこそ、余計に彼をこれまで支えて来た周りの人たち(トルーマンも含め)への感謝の思いや愛情を感じた
できれば、タイトルは原題のまま、トルーマンでいって欲しかった
トルーマン
スペイン映画。余命幾許もない男の元に親友が訪ねてくる。死にゆく者に会いに行くかどうか悩んだ挙句である事が見てとれる。短い時間、人生で起きたいろいろにさよならを言えるようにしていく。誕生日に会いに行った息子との抱擁の表情がなんとも言えない。トルーマン素晴らしくいい犬。
友人・家族、そして愛犬とのお別れを考える"終活ムービー"
進行性の末期ガンに侵された主人公の、家族・友人との関係性を切り取ったドラマで、いわゆる"終活モノ"。末期ガンに侵されたスペインに住む主人公のもとに、余命わずかであると聞いた古い友人が、遠くカナダからはるばるやってくる。滞在期間は4日間だったが、期せずして"終活"に付き合うことになる。
ヨーロッパでは、昨年、ドイツ映画「君がくれたグッドライフ」(2016)やフランス映画「92歳のパリジェンヌ」(2016)など"安楽死"テーマの作品があったが、本作も主人公が自らターミナルケアの選択をしている。
本作がいわゆる"終活モノ"と違うのは、登場人物がラテン系だからなのか、全体のトーンが"明るい"。また主人公は女性や青年ではなくオッサン。設定や会話もウィットに富んでいて、泣き落とし系ではない。理性的に死と向き合っているがゆえに、逆にじわりと心に迫るものがある。
原題の"Truman"は、映画に登場する老犬の名前である。主人公の"終活"において、残された愛犬の生活や心のケアがいちばんの気がかり。"犬にも喪失感はあるのか"とか、"新しい飼い主との生活環境"など、悩みは尽きない。実際にそれなりの老犬を使っていて、長年の相棒であったことを感じさせる。
日本においても"犬は家族"という常識くらいはあるが、ヨーロッパではさらに"犬は社会の一員"というレベルまで社会的意識が浸透している。
犬とホテルに泊まれるのは当たり前だし、犬にも税金が課されるドイツ、飼育には年収証明が必要だとか、さらに犬を屋外で飼っていると虐待と見なされる地域もある。だから本作が特徴的なのは、"家族・友人との別れ"と、"愛犬(ペット)との別れ"が、同じ目線で扱われていること。劇中シーンでは、ホテルや、レストラン、空港、公共交通での犬帯同の自由さ、公園でのリードなし(ちゃんと教育されている場合のみ)等を、垣間見ることができる。
"犬"と"飼い主"のお別れがすべてを象徴している作品であり、残された犬が、生前の主人公の想いを引き継ぐ存在として描かれている。
(217/7/11 /ヒューマントラストシネマ有楽町/ビスタ/字幕:赤坂純子)
もやもやする。
普通にいい映画だと思って、感動もして見ていたけど、
最後で裏切られた感じでした。
結局、性欲か~
大切な人を失う二人。そのやりきれない気持ちが性欲に向いてしまうところが、
ドン引きしました。
ドン引きしてるので、最後のトルーマンを託すシーンも、いきなりそんな犬を渡されても困るだろ!!と思わずにいられなかった。
物語だし、綺麗に終わろうとしてるのは分かるけど、なんかなぁ...
もやもやしたまま、映画館を出ました。
切ない覚悟。揺るがない友情。
スペイン・アカデミー賞〈ゴヤ賞〉で、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚本賞を受賞した作品。
末期がんで余命わずかな男と彼を取り巻く人々の4日間を描いたドラマ。ちなみに、原題の“Truman”は犬の名前。元々の名前はトロイロと言う犬ですが、撮影終了後まもなく、亡くなったそうです。まさにリアル『しあわせな人生の選択』?
人生で重要なのは、こう言う友人なのですね。改めて、友人のありがたさ、大切さを実感させられるお話です。だって、余命いくばくも無いとは言え、わざわざカナダからスペインにまでやってきて、人生の後始末に付き合い、その上、お金まで多少面倒を見るなんてねぇ。昔、一緒に生活していたという件が劇中に出てきますが、それにしても良い友人です。こう言う友人欲しいですね。
切ないのが、仕事の付き合いのある人に無視されたり、あるいは、以前酷い事(奥さんを寝取った)をした相手から優しくされたりする事。どちらにしても、切ない切ない。あと、わかれた奥さんとも穏やかに話せたり、遠く離れたところに居る息子にも優しくされたりするところも切ない。特に、事情を知らないと思っていた息子は、実は別れた奥さん(息子からみると母親)から事情が伝えられていたと言う事がわかったところは、なんとも言えないですね。
でも、一番切ないのは、フリアンが自分の葬儀の準備ために葬儀社に行ったとき、普通に骨壺などのセールストークを聞かされるところかな。フリアン、だまっちゃったもんね。いくら覚悟を決めているとはいえ、現実を突きつけられると、ああなるよねぇ。
とはいえ、ところどころ、笑えるところもあったりと、切ないだけの作品ではありません。自分を振り返るのに、良かったと思います。
最後に原題の意味が
有楽町が満席で、恵比寿までいく価値ありでした。
センセーショナルなことは起こらない、どちらかと言えば穏やかに過ぎる、期限のある時間を見せてくれた映画。
癌を宣告された主人公の友人、いとこ、息子、元妻それぞれの想いが、じわじわと染みる。
この主人公と友人のように何でも言い合える相手、本当に大切なものを託せる人がいるって、羨ましい。
久しぶりにスペイン語語にどっぷりつかったなぁ。
心地よかった~
ちゃんと勉強しなおそうかな。
終末
癌の根治が不可能と診断されて、これ以上の治療は受けないと決断したスペイン在住の主人公と、それを知りカナダから会いに来た友人との4日間の物語。
何でもありの正に腐れ縁の様な関係の二人。主人公は破天荒で無茶ばかり言っているけれど嫌な人間ではないのが伝わってくる。
明るくでふざけた雰囲気で笑わせる描写の数々だけど、哀しさを孕んだ主人公の言動が涙を誘う。
自身の終末を考えたり、身近な人を病気でなくしたことがあると一層響くであろう佳作。
不治の病に侵されて、治療は果たして義務なのか?
恐らくは、命は長くないだろう重病を患った時、もし自分が当事者の家族だったら、治療をして少しでも長く生きてほしいと思うだろう。そしてまた自分自身が重病患者だったとしても、おそらくは出来る限り長く生きられる可能性を探るだろうと思う。しかしながら、その行為は、決して当然のことではないし、ましてや義務などではない。病気になったからと言って、治さなければならない義務も、辛い治療を受けて苦しい思いを命堪えるまで長引かせなければならないという、責任まで背負うことにはならないはず。けれども、病気になったら治らないと分かっていても治そうとしなければならない、あるいは辛くても治療を受けなければならないというような、先入観のようなものが存在するのも確かだと思う。重病患者である家族がもし、治療は受けないと言い出したら、私だったらきっと「どうして!?」と声を荒げてしまうだろうと思う。この映画は、そんな病を患った中年の男が治療を受けることを拒絶し、もしかしたら最後になるかもしれない旧友との休日を過ごす、そんな物語だ。原題の「TRUMAN」は飼い犬の名前で、自分の死後、この飼い犬をどうするのか?ということを一つのメタファーにして、死の選択をした男の終幕と、その男に対して何も言葉を発せずに見守るしかできない旧友の二人を見つめている。
今の日本では、ある意味でとても「タイムリー」なテーマでもあるし、今後いつ自分の身に降りかかってもおかしくない出来事を描いているので、興味を惹かれる部分もある。病に侵された時、決して治らないのに必ず治療を受けなければならないのか?という自問自答を呼び起こした点で、その意義も価値も見出せるのではあったが、この作品、自分でも意外なほど、印象でいうと至って「普通」と言った感じで、それほど心に響いては来なかった。
というのも、男二人が4日間の短い休日を通じて、例えば犬の引き取り手を探して面接をしたり、久しぶりに息子に再会してでも病気のことが癒えなかったり(でも息子はそのことをちゃんと知っていたり・・・)、という展開のすべてが、どこか想像の域を超えないというか、それらのシーンに特別な目新しさはなく、思わずはっと気づかされ目が覚まされるような展開が訪れないというのがその理由ではないかと思う。治療を受けないと決めた男と、それを見守るしかできない男のそれぞれの葛藤と深層心理の考察に(結末の落としどころも含めて)新しい切り口が見当たらず、よって特には琴線を刺激されるようなことがなかった、というのが(あくまで私個人としては)正直なところだった。
それにしても、そろそろいい加減に「○○な人生の△△し方」みたいな邦題を(特にヨーロッパ映画に)つける風潮、やめてもらえないかなぁ・・・。観たいと思った映画にそういう邦題がつくと、見に行くのが恥ずかしくなるよ・・・。
わざわざ時間を割いてお金払って観る程ではないかな・・・
え・・・
う~ん・・・
だから?
別に・・・って感じの映画だった。
観なくてよかった~、ガッカリ。
犬は家族
ガン末期の主人公ですが、悲壮感はなく、観客を無理に泣かせようとはしません。
ガン末期でも、本人もまわりの人々も必ずしもいい人達のなる訳ではなく、それが当たり前である事を思い知らされます。
でも、犬を預けるシーンと息子とのハグのシーンは泣けます。
こうきたか!意見分かれそうなラストに、注目。
全国的に有名な方が病で亡くなったり、
友人の父上が亡くなられたり、
何かと死について考えさせられていたタイミングで
あらすじを目にし、駆け込んだ映画です。
人は先のことがわからないから、今を生きます。
でも主人公には自身の死が後どの位か
わかっています。
身辺整理でもしなければ居ても立っても
居られないはず。さらなる検査や延命措置に財産を
使うなら別のことに、という気持ちはすごく痛く
理解できました。
周りの反応も色々。どうしてこうならないと
わからないものなんでしょう。皮肉なものです。
神様は最後に気付きをあたえてくれるものなのでしょうか。
ラストの展開2つは観る人によって大きく分かれそうです。その1は、日本人ならではか、私はちょっと困惑でした。
どーして?その思いをここにぶつける?と。
もう1つの大ラスは唖然! そうきたか?でした。
こちらはフィクションならではの結末です。
ラテンの血のなせるわざでしょうか。
人には必ずや訪れる死。さてさて自分はどうするか?
あるべきか? 考えさせられる映画です。
最後が物足りなかった。
トマスとフリアンのバディとしての距離感は、良かった。
最初にこの映画の原題が
「トルーマン」であったのは
どうしてなんかなぁと思いましたが、作品を見ているうちに理解できた。
トマスのマドリードの滞在が4日間。もっと長かったように気がした。今にも泣きそうなフリアンの表情も良かったが、結局「トルーマン」はそうなるのか……。ラストが何となく物足りなさが残った。
大切な誰かを思う気持ち
人が死に向かっていく話なのに、悲しい映画ではなく、みんな大切な誰かのことを深く思っている。その形はそれぞれ違うけれど、とても胸が熱くなりました。
自分の人生が残りわずかとなった時どう生きるのか、あるいは大切な誰かの余命があとわずかとわかった時どう寄り添うのか、考えてしまいました。
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