「原作の大ファンです。」DESTINY 鎌倉ものがたり のぞみさんの映画レビュー(感想・評価)
原作の大ファンです。
小学校の頃から西岸先生の漫画にハマり、大人になって西岸先生の全てのコミックを買い漁り、毎日毎日飽きもせず何十回も見ている、大ファンです。
一色先生&あきこちゃんが大好きで、その世界観が壊されるのが怖くて、今まで疎遠になってしまっていたこの作品(三丁目の夕日しかり)。
勇気を出して、見てみた。
結果、結構良かった。
世界観はとても良く表現されていて、至る所に原作の萌えポイント散りばめられていて、テンション上がりました。西岸眼科の看板とかね〜
最初の江ノ電のシーン、胸がジーンとなりました。
たくさんの、私のお気に入りのお話たちが出てきて、あ、これはあの話だな、とか、
あ、これはあの話とあの話のあの部分を合体させてるんだな、よくうまいこと設定繋げたな〜など、
結構感心しながら見ていました。
風見鶏も、ちょっとだけでも出してくれて嬉しかった。
伏線もうまいこと色々なところに入ってて、上手だなと。
特に夜市のお盆の絵柄とか、彫刻?みたいなやつとか。
出た時、これひょっとして???と思ったけど、やっぱりそうだったのだよな?
さすが夜市。
少しずつ、映画ならではの創作はあったが、原作のまんまのセリフも多く、よくこんな脚本作れるなーと感心しました。
きっとなんども原作読んで、ここはこれに繋がるんじゃない?とか、ここ使いたい!とか、メモしながら読んでたんだろうなと。
私も、ここにあの話の要素入れられるんじゃ?と思いながら見ていました。
もう一度全て読み返して、あーここかあ!ってやりたくなった。
たぶん、気づいてないような細かーい設定が、散りばめられていると思われる。
キンさんが冥土講(字違うかも)行ってるから、けっこう顔が効くので、なんとか帰らせてもらえるっていうのもいいかなとは思ったが、ちょっと尺的に難しいし、地味すぎるか。
でもちょっと、黄泉の国から、ファンタジー要素強すぎたな。。。
貧乏神さんとお茶碗を交換するのは、特に好きな話の一つだったので、最後に活きてきて良かった。
茶碗に助けられる話は実際ないけど。
本当にあきこちゃんの人柄が出てるいい話なんだよな。
肝が座ってるっていうか。なんか情に熱いようで、優しいようで、お茶目なようで、結局は淡白なんだよな(笑)
驚いているようで、全然動じてないし、「ま、いっか。」とか普通になるし。
あのあきこちゃんの風格は、生身の人間には出せないだろう。まさに鎌倉の嫁。
高畑充希さんのあきこちゃんも、他の誰がやるよりは良かった気がするが、ちょっと色気がありすぎるかな。
一色先生は、本当はもっと冷静なんだろうけど、やっぱり映画としては、メリハリは重要なわけで。
人物像は別物と考えながら見ていたので、悪くはなかった。
鎌倉署の面々。。。爆笑。
大仏さんどうやってやるんだ?とワクワクしてたら、めっちゃそのままなのにハマってるし!適役!!笑
稲荷さんも良かったな〜
殺人事件の奥さんと子供の掛け合いが、やけに面白かったな。なぜイキナリあそこでコミカルに(笑)
奥さんの演技やけに良かった。
あと死神もかなり創作キャラだったけど、いい味出てた!
ちょっと気になったのは、あきこちゃんの体を借りていた家族のその後。
人々の心の結びつきを大切にする鎌倉。
編集者さんも、本当の愛を確かめ、娘と妻を任せられると分かって身を引きつつも、ずっとずっと魔物として草はの陰から見守ってる的な。
最後にワンカットで良いのであったら良かった。
長い時間と繋がりがある場所、鎌倉。
原作「鎌倉ものがたり」のおかげで、鎌倉大好き、魔物大好きな私。
魔物のいる愛しき鎌倉の風景が、現実となり、胸が熱くなりました。