「原作漫画の帯告知の印象通りの出来でした」DESTINY 鎌倉ものがたり アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)
原作漫画の帯告知の印象通りの出来でした
原作漫画の30年以上の愛読者なので、そういう作品の実写化作品の場合にはそれなりの覚悟がいります。
しかしこの映画の場合、公開よりも半年近く前に購入した原作漫画最新刊の帯で映画化のことを初めて知ったとき、むしろ逆にほぼ成功の予感感じてしまいました。
というのも、そこに写っていたお二人の写真を見て、特に主演の堺雅人氏の姿が、余りにも主人公の一色正和の雰囲気に合致していてビックリだったから....
それに加えて、原作者と監督の組み合わせが、三丁目の夕日シリーズと同じ組み合わせであり、制作の方向性がわかるように思えて安心感をもてましたので。
要するに、一話独立の短編的なほのぼの感が持ち味の原作だけれども、それを巧みに組み合わせて一連の連続的なストーリーに再構築することで、どちらかというと感動モノ的な要素が強まった作品に仕上がるだろうということは、タイトルをDestinyとした事からも、想像できましたので。
ということで、Alwaysシリーズと同じ手法といえるこの作品は、(私の)期待を裏切ることはなかったです。
やっぱり主演のお二人は適役で良い感じでしたし、空気感も原作とかけ離れるような事もなく、サブキャラの一芸ありの刑事たちも漫画のようにいい味出してたのが嬉しかったりと。
劇中の世界観も冥界の描写やスケール感など、日本のファンタジー映画もここまで来たか、と感動すら覚えました。
雑然とした感じから受ける世界観の印象などのせいか千と千尋うんぬんとの意見なども出てきそうですが、ほとんど制約なきアニメと、CGとは言え実写との融合や整合性の構築等、ここまで(日本の)実写映画で描き切った事は画期的であり、ちょっと次元が違う感じです。
それと、実在の鎌倉と江ノ電を上手く生かした世界観の延長として違和感のない冥界の描写等は、他作との類似性など関係ないでしょう。
原作漫画も既に34巻を数えたこの作品、Alweysシリーズが子供が主人公的でその成長が原作と乖離してしまうことで、存続不能となったのと違って、シリーズ化も期待できそうな予感。
あえて「原作漫画ファン」として申すなら、死神さんのキャラだけはちょっと違和感ありですかね?
どうしてあのようになったのか、謎です。
長年の原作ファンで、個人的に鎌倉と江ノ電には長年馴染みもあるので、ちょっとアマく星五つってところに.....